あがり症に有効な薬とは?あがり症の薬物療法
-
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
あがり症という病気は、世間で一般的に言われている病名です。人前で過度に緊張してしまって困っていることをいいますが、正式な病名ではありません。
困って病院にいくと、その多くの方が社交不安障害パフォーマンス限局型と診断されると思います。社交不安障害とは、人から注目されるような状況で過剰に不安や恐怖に襲われる病気です。
その症状の程度には幅があるのですが、日常生活を普通に過ごしている分には大丈夫で、誰もが緊張してもおかしくない場面(パフォーマンス)で緊張しすぎてしまう状態を「あがり症」と一般的によんでいます。
あがり症は生活に支障があるならば治療をしていった方がよいです。あがり症の治療としては、薬物療法と精神療法を組み合わせて行っていきます。どちらの治療も有効性がしっかりと示されていて、上手く組み合わせながら治療をしていくのが理想的です。
私自身も、いわゆる「あがり症」で悩んでいて、薬物療法によって治療を行ってきた経験があります。もちろん精神科医として、何人ものあがり症の患者さんとも治療を重ねてきました。
その経験も踏まえて、ここではあがり症(社交不安障害パフォーマンス限局型)に有効な薬にはどのようなものがあるのか、お伝えしていきたいと思います。
1.あがり症での主役―抗うつ剤
あがり症治療の中心は、SSRIを中心とした抗うつ剤になります。未成年に使用するときは、慎重に使っていきます。
あがり症の薬物療法で中心になるのが「抗うつ剤」です。
抗うつ剤ときくと、「うつの薬じゃないの?」と思われる方も多いですが、不安の病気にも効果的なお薬です。抗うつ剤は不安や恐怖の改善にも優れた効果が認められ、さまざまな不安障害の治療でつかわれているのです。
あがり症の患者さんでは、偏桃体とよばれる脳の部分が過活動になっていることが分かっています。偏桃体は、不安や恐怖が生じるのに大きく関係しています。偏桃体の過活動によって、過剰に不安を感じてしまうのです。この偏桃体を正常化するためには、セロトニンの働きを強めればよいということが分かっています。
抗うつ剤が有効なのは、このセロトニンを増加させる働きがあるからです。抗うつ剤の中でもセロトニンを増加させる効果が強いものが有効です。あがり症治療に第一選択で使われる抗うつ剤は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)になります。
SSRIはセロトニンだけを増加させる効果が強いお薬です。現在日本で発売されているSSRIには、以下の4種類があります。
これまで正式に適応が認められていたのは、パキシルとルボックス/デプロメールだけでした。2016年からレクサプロの適応が認められたので、現在ではジェイゾロフトのみが正式な適応がありません。
ですがジェイゾロフトもよく使われていますし、私もジェイゾロフトはよく使っています。むしろパキシルはほとんど使っていません。中止するときが大変になってしまうからです。
どのSSRIがよいかは、患者さんの状態や状況を見ながら決めていきます。患者さんごとに症状も異なりますので、主治医の先生とよく相談して決めていきましょう。
これらの抗うつ剤で合わない場合は、その他の抗うつ剤を使うこともあります。
あがり症は大人になってから治療に入る方が多いですが、幼少期や思春期から発症することが多い病気です。SSRIを未成年に使う時は、注意しなくてはいけません。
未成年にSSRIを使うと賦活症候群が起こりやすいことが報告されています。気分が不自然に高揚したり、不安や焦燥感、不眠が強まったり、衝動性や攻撃性が強まることがあります。これによって自殺のリスクが高まると懸念されています。
未成年に対する有効性は示されていないこともあり、SSRIの添付文章にも慎重に投与することが記載されています。しかしながら未成年でも、気分安定薬と組み合わせて少量ずつ抗うつ剤を使っていけば効果が認められます。
2.あがり症での強力なサポート役-抗不安薬
抗不安薬は即効性が期待でき、不安や緊張を和らげてくれます。うまく治療に使うと有効ですが、依存しないように注意が必要です。
あがり症の治療でよく使われるのが「抗不安薬」です。
抗不安薬は、主にベンゾジアゼピン系抗不安薬を使います。抗不安薬はGABAの働きを強めることで、脳の活動を抑制します。このようにして、不安や緊張を和らげる作用があります。
抗うつ剤は効果はしっかりと期待できるのですが、効果がみられるまでに時間がかかります。抗不安薬の最大のメリットは、即効性があることです。このため、飲み始めてすぐに効果が実感でき、頓服としても有効なお薬なのです。
あがり症に使われる抗不安薬(精神安定剤)としては、以下のようなものがあげられます。
- リボトリール / ランドセン(一般名:クロナゼパム)
- レキソタン(一般名:ブロマゼパム)
- ワイパックス(一般名:ロラゼパム)
- ソラナックス / コンスタン(一般名:アルプラゾラム)
- デパス(一般名:エチゾラム)
- セルシン / ホリゾン(一般名:ジアゼパム)
- リーゼ(一般名:クロナゼパム)
- メイラックス(一般名:ロフラゼプ酸エチル)
これらの抗不安薬のうち、あがり症に対する有効性が示されているのはリボトリール/ランドセンのみになります。そうはいっても実際には、その他の抗不安薬でも効果は期待できます。
私はリボトリール/ランドセンから使っていくことが多いですが、身体の緊張が強い方にはデパスやレキソタンなどの筋弛緩作用が強いものを使っていくこともあります。
抗不安薬には、耐性と依存性について注意しなければいけません。耐性とは、使い続けていくうちに身体が慣れてしまって、薬が効かなくなってしまうことです。依存性とは、薬が無くなってしまうことで身体に不調がみられたり、精神的に落ち着かなくなってしまうことです。
抗不安薬は即効性があり効果の実感もあるのですが、耐性と依存性によって止められなくなってしまうことがあるのです。このため抗不安薬は、注意して使っていく必要があります。
- できるだけ頓服で使う
- 抗うつ剤と併用する
- 漫然と使わずにできるだけ減量する
この3点を意識して使っていきます。具体的な使い方は、後述させていただきます。
3.あがり症でのその他のサポート役
βブロッカーや抗コリン薬、吐き気止めなどを症状に合わせて使っていきます。
あがり症では、他人から注目を浴びるような社会的状況になると、恐怖とともに身体に症状があらわれます。この身体の症状は、緊張が強すぎることによる症状です。自律神経症状には、以下のように様々なものがあります。
- 動悸
- 息ぐるしさ
- 手足のふるえ
- 声のふるえ
- めまいや吐き気
- 腹痛や下痢
- 口の渇き
- 大量の発汗
- 体感異常(異常に暑く感じる)
- 顔が真っ赤になる(赤面症)
抗不安薬を使うことで不安や緊張が軽減し、これらの症状が全体的に緩和されます。しかしながら、どうしても改善できない自律神経症状が残ることがあります。
これらの症状の中でも、外からも分かってしまう以下の3つの症状は特に重要です。
- 手足のふるえ
- 声のふるえ
- 大量の発汗
これらの症状を上手く抑えることが、あがり症の治療でもポイントになると私は思っています。抗不安薬を増量していくことで緩和されることもありますが、ピンポイントで抑えられる薬がある場合はそのお薬を使っていきます。具体的には以下のようなケースです。
- 動悸・手足のふるえ・声のふるえ→βブロッカー(インデラル・アルマール)
- 発汗→抗コリン薬(プロ-バンサイン)
- 吐き気→制吐剤(プリンペラン・ナウゼリン)
βブロッカーとは、交感神経の活動を抑えるお薬です。このため、心臓の活動が抑えられて動悸が軽減します。交感神経が抑えられることで、筋肉の緊張も抑えられます。本態性振戦とよばれる原因不明の振えの治療には、βブロッカーが使われます。
抗コリン薬のプロ・バンサインは、多汗症の治療薬として適応が認められています。副作用として口の渇きが強いので、本当に汗をかきそうな直前に頓服として使います。
吐き気が強い場合は、純粋な制吐剤を使うこともあります。プリンペランやナウゼリンを服用します。
4.あがり症で使われる漢方薬
お薬が使えない時に、治療の選択肢になります。漢方薬だけでなく、精神療法を組み合わせて治療していきます。
あがり症では、抗うつ剤や抗不安薬の効果がしっかり期待できます。できるならばお薬を使った治療を進めた方が効果が期待できるのですが、どうしても使えないケースもあります。そのような時は、漢方薬と精神療法を組み合わせて治療をすすめていきます。
漢方薬を使って治療していく時は、以下の4つのケースがあります。
- 副作用の影響で、SSRIや抗不安薬が使えない場合
- 妊娠中の場合
- 薬を使うことに対する不安が大きい場合
- 薬の量を減らしていく時に不安が強い場合
漢方には即効性を期待しにくく、じっくりと使いながら効果をみていきます。2週間~1ヶ月かけて効果をみていきます。頓服としては、漢方薬はあまり適していません。比較的早く筋弛緩作用が期待できる漢方薬を、頓服として使っていきます。
あがり症で使われることがある漢方薬をご紹介します。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯:比較的体力があって、不安やイライラが強い方
- 柴胡桂枝乾姜湯:体力が低下していて、不安やイライラが強い方
- 桂枝加竜骨牡蛎湯:緊張が強く、体力が低下している方
- 半夏厚朴湯:のどや胸に違和感があり、スッキリしない詰まった感じがある方
- 加味逍遥散:女性で血のめぐりが悪く、不安が強い方
- 加味帰脾湯:疲れや食欲不振などが目立つ、不安の強い方
- 抑肝散:神経が高ぶり、イライラの強い方
- 甘麦大棗湯:不安が強い方の頓服として
5.あがり症では、薬を頓服で使ってはダメ?
今を乗り切れば苦手な状況がなくなる場合、抗不安薬の頓服の治療でよいかと思います。これからも予測がつかないのでしたら、SSRIを使ってしっかりと治療していくことをお勧めします。
精神科のお薬は、できることなら飲みたくないと思うのは普通です。「毎日薬を飲まなければいけないのですか?」という質問されることはよくあります。あがり症では、薬はどのように考えればよいのかお伝えしていきます。
あがり症の方は、普段は特に普通に生活できている方が多いです。他人の注目を浴びる時だけ上手くいかないのです。ですから、「毎日薬を飲む必要はない」という気持ちをお持ちの方も多いでしょう。私も治療当初は、同じ気持ちでした。
私は、アルマール(βブロッカー)とセニラン(抗不安薬)の頓服を医師から処方され、苦手なイベントがある前に服用するようにしていました。徐々に慣れてきて緊張しなくなると、大きな機会では念のため薬を飲むこともありましたが、自分の中では完治したと思っていました。
しかしながら状況が変わると、再び症状がみられるようになりました。そこで再び受診し、デプロメールによって治療を行いました。現在は薬も中止していますが、おおむね不安をコントロールできるようになっています。
この経験があるため、私はできるだけSSRIでしっかりと治療をするべきと考えています。これからの人生を考えていただいて、どれくらい苦手な状況が起こりえるかを考えてみてください。
困っているのは今だけだというのなら、抗不安薬やβブロッカーなどの頓服でもよいと思います。これから様々な可能性がある方は、SSRIを使ってしっかりと治療をした方がよいと思います。SSRIは服用を続けることで効果が少しずつ認められるので、毎日服用していく必要があります。
抗うつ剤と抗不安薬の違いは、大きく2つの点があると思われます。
- 生物学的に偏桃体の過活動をセロトニンがおさえてくれるのは抗うつ剤だけ
- 抗うつ剤は即効性はないので、薬のおかげで大丈夫だったという感覚が薄い
お薬としての働きとして、抗不安薬にはセロトニンを増加さえる作用はありません。このお薬の作用の違いは、もちろん治療の違いを生み出しているでしょう。
もう一つ重要な点があります。抗不安薬は即効性があるので、うまくいっても薬のおかげという認識が強くなります。抗うつ剤では即効性は乏しいので、上手くいったときに病気がよくなったと認識しやすいのです。
6.あがり症を抗不安薬だけで治療する場合の注意点
苦手な状況を避けないようにすることと、抗不安薬の依存に注意する必要があります。
あがり症の治療を、抗不安薬を中心とした補助薬だけで治療を行っていく方もいらっしゃいます。
不安や緊張するような場面に対しては、割り切ってお薬を使ってしまう…それもひとつの方法ではあります。抗不安薬を中心とした方に対しての注意点をお伝えしていきたいと思います。
一番大切なことは、「苦手な状況を避けないこと」になります。無理に積極的になれといっているわけではありません。「出来ることならやりたいのに、苦手だからやめておこう」というのを無くしていただきたいのです。お薬を服用してでも、やりたいことはやってください。
抗不安薬の使い方に関しての注意点もあります。抗不安薬では、依存に気をつける必要があります。常に身体にある状態が続いてしまうとお薬が段々効かなくなり、量がどんどんと増えていってしまいます。
これを防ぐためには、以下のことに注意が必要です。
- 休薬日を作る
- アルコールを控える(少なくとも休薬日は飲まない)
- 薬の量が増えていく時は医師に相談する
依存のことを考えていくには、お酒を考えると分かりやすいです。アルコールはもっとも依存しやすい物質のひとつなのです。晩酌を毎日しているお父さんや飲み会で大量にお酒を飲んでいる方は多いと思いますが、アルコール依存症ではありませんね。
体に常にアルコールがあることが問題で、まったくアルコールが体にない状態を作っていれば依存はしにくいです。ですから休薬日を作ることが大切です。
また、抗不安薬とアルコールは作用の仕組みが似ています。このため、併用してしまうと依存しやすくなります。少なくとも休薬日にはアルコールは飲まないようにしましょう。
薬の効きが以前より悪くなってしまって量が増えている方は、ちゃんと医師に相談してください。量が増えているということは依存が進み始めている可能性もあります。
7.あがり症での薬物療法の流れ
それでは、具体的にはどのように薬物療法をすすめていくのでしょうか?ここでは、あがり症だけで悩んでいる方ではどのように薬物療法をすすめていくのかをお伝えしていきたいと思います。
あがり症を克服しようとするならば、2~3年以上に渡っての治療が必要にはなります。ですが治療を積み重ねていくことで、克服できる方も多い病気です。医療者としても当事者としても経験した私としては、「急がば回れ」という言葉に尽きると思います。
あがり症をしっかりと治療する場合の薬物療法の流れをみていきたいと思います。
①SSRIと抗不安薬を併用する
あがり症の治療では、抗うつ剤のSSRIを中心にして治療していきます。そのサポートとして抗不安薬を使っていきます。SSRIは効果が認められるまでに2週間以上かかることが多く、即効性がありません。これに対して抗不安薬は、服用した直後から効果がみられます。
あがり症の治療では、不安がよくなったという実感をもっていくことがとても大切です。ですから即効性のある抗不安薬を併用することで、効果の実感をもちながら治療をすすめていくことができます。私は併用して治療していきますが、SSRIだけで始めていく先生もいらっしゃいます。
SSRIを始めていく時は、できるだけ少量から始めていきます。少量から始めていくことで、副作用を軽減することができます。SSRIでは吐き気や下痢などの胃腸障害がよく認められます。慣れていく方が多いですが、胃薬などを併用することでしのいでいきます。
基本的には安全性の高いお薬ですが、何か副作用が出た場合は主治医と相談してください。
②SSRIを少しずつ増量する
SSRIを開始したら、効果をみながら少しずつ増量していきます。
SSRIの効果は2週間ほどして出てきます。少しずつ効果が強まっていくので、2週間~1か月ごとに評価していくことが多いです。効果が不十分と思われたら、量を少しずつ増やしていきます。
どこまで増やしていくのかというと、不安や恐怖がコントロールできるまで増量していきます。決して、不安や恐怖が全くなくなるのではありません。プレゼンや発表といった自分が苦手な社会的状況になると不安や緊張は感じます。ですが過度に発展せずに、自分がやろうと思っていることはできるようになるのです。
ここを見誤って「まだ不安や恐怖があるから増量しましょう!」となると、薬がどんどん増えていってしまいます。あくまで「過度な不安や緊張」が問題なのです。
ひとつの抗うつ剤をしっかりと使うと、1年後には70%の方がよくなります。しかしながら30%の方では効果が不十分となってしまいます。そのような時は、以下の2つのことを考えます。
- 抗うつ剤の効果が不十分
- 診断の見直し
診断の見直しをすると、薬が変わることがあります。抗うつ剤の効果が不十分である場合は、3つの選択肢があります。
- 他の薬を追加することで増強療法を行う
- 他の抗うつ剤を上乗せする
- 他の抗うつ剤に変更する
③抗不安薬を少しずつ減量する
SSRIの効果が十分にみられて安定してきたら、抗不安薬を少しずつ減量していきます。これは、抗不安薬への依存を防ぐためです。抗不安薬のところでご説明しましたが、抗不安薬には耐性と依存性があって、漫然と使っていると止められなくなってしまいます。
このため、抗不安薬は必要最小限で使っていった方がよいのです。抗不安薬を常用している場合は、少しずつ減量していきます。
抗不安薬をしばらく使っていると、薬があることに身体が慣れてしまいます。すると、減量するときに離脱症状が認められることもあります。どうしても減量ができない場合は、半減期の長い抗不安薬に切り替えていきます。
頓服として抗不安薬を使っている場合は、無理に減量しなくても大丈夫です。常に身体に薬があるわけではないので、依存にはなりにくいからです。不安の軽減と共に少しずつ減量していきましょう。
④SSRIをしばらく続ける
薬を服用していれば日常をかわりなく過ごせるようになってきたら、しばらくはその感覚での生活を続けた方がよいです。不安の病気は根が深いので、経験的には1~2年間はSSRIを続けた方がよいです。
上で説明しましたが、少なくとも1年間ほどはSSRIを続けた方が再発率が低いことがわかっています。
この間に少しずつ自分の行動を広げて、社会に出ていくようにしましょう。行動すること自信が芽生え、再発しにくくなっていきます。私の患者さんでは、自発的にスピーチ教室に通うようになり、NHKの朝活動を特集した番組でインタビューに答えるまでになった方もいます。
⑤SSRIを少しずつ減量する
しばらくの期間お薬を続けていて、「これからも何とかなる」と患者さんが思えていれば減量を検討していきます。
できるだけ生活の変化がない時期が良いでしょう。薬を減量していく時も、少しずつ行っていきます。これには2つの理由があります。
- SSRIでも離脱症状が起こること
- 少ない薬の量にゆっくりと慣れていくため
SSRIでも離脱症状が起こります。身体が薬に慣れてしまい、急になくなると身体に症状があらわれるのです。とくにパキシルでは離脱症状に注意が必要です。詳しく知りたい方は、「抗うつ剤の離脱症状と5つの対策」をお読みください。
また、治療の面でもゆっくりと減らしていく方がよいです。薬が減っていくことは、患者さんの心の中では不安に思っている部分があります。少しずつ減量して問題ないことを確認していきます。めんどうに思うかもしれませんが、急がばまわれです。
まとめ
あがり症の薬物療法についてみてきました。
あがり症の治療の主役は、SSRIを中心とした抗うつ剤になります。これに抗不安薬やその他の補助薬とあわせて、治療をすすめていきます。
抗不安薬だけで治療をすすめていく方は、苦手な状況を避けないようにすることと、抗不安薬の依存に注意する必要があります。
あがり症では、薬物療法と心理療法を組み合わせて治療していきます。この2つの治療法の関係性について詳しく知りたい方は、「あがり症を克服する治療法」をお読みください。
投稿者プロフィール
-
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
最新の投稿
- フリバス2020年7月30日フリバス錠・OD錠の副作用と安全性について
- フリバス2020年7月30日フリバス錠・OD錠の効果と特徴について
- 頭痛2017年4月9日痛み止めで逆に頭痛?薬物乱用頭痛について
- エビリファイ2017年4月8日アリピプラゾール錠の効果と副作用