パニック障害に効く薬とは?パニック障害の薬物療法の効果と副作用
-
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
パニック障害とは、急に強烈な不安や恐怖が襲ってくるパニック発作を特徴とする病気です。動悸やめまい、息苦しさなどの身体の症状が強まっていき、「このまま死んでしまうのではないか」というほどの恐怖に襲われることもあります。
このようなパニック障害を経験すると、「いつまたパニック発作に襲われるのだろう…」と不安となり、それにとらわれた生活となってしまいます。
このような不安を予期不安といいますが、バスや電車などの「逃げ出せない状況」に対して苦手意識(広場恐怖)が強まってしまう方が多いです。このようにして少しずつ当たり前の生活ができなくなり、生活範囲が狭められてしまう病気なのです。
パニック障害では、お薬がとても効果的です。適切にお薬を使うことでパニック障害を改善し、克服できる方も少なくありません。ですが薬に抵抗がある方も多く、結果として治療が長引いてしまうことも少なくありません。
ここでは、パニック障害で使われる薬についてお伝えし、効果ももちろんですが副作用についても詳しくお伝えしていきたいと思います。
1.パニック障害の薬物療法の考え方
パニック発作は、抗うつ剤を中心とした薬物療法が効果的です。広場恐怖を克服していくには、お薬によって症状を落ち着かせた上で精神療法を積み重ねていく必要があります。
パニック障害は、パニック発作・予期不安・広場恐怖の3つの症状を特徴とする病気です。このうちの広場恐怖があるかどうかは治療にも大きく関係していて、広場恐怖がない方の方がよくなりやすいです。
ですがパニック障害では広場恐怖がある方がほとんどですので、ここでは広場恐怖症を合併しているパニック障害についてのお薬について書いていきたいと思います。
パニック障害では、この3つの症状を中心にして悪循環が引き起こされています。パニック発作から予期不安が生じ、広場恐怖に発展していきます。すると苦手なことを避けてしまうようになり、予期不安がさらに強まってしまうのです。こうして苦手なことが広がってしまいます。
パニック障害の治療では、まずはこの悪循環を断ち切る必要があります。つらい状況下では、物事を悲観的にとらえてしまいますし、自分と向き合うエネルギーが不足しています。まずは、症状を落ち着けて、冷静に克服しようという気持ちを作っていくことが必要です。
このためには、薬によって症状を抑えることが一番近道です。パニック障害では、セロトニンを増加させるSSRIなどの抗うつ剤の効果が期待できます。抗うつ剤は効果に時間がかかるため、即効性のある抗不安薬を併用することが多いです。
このように抗うつ剤を中心とした薬物療法によって、パニック発作はおさまることが多いです。予期不安も軽減していきますが、広場恐怖に関しては時間がかかります。一度こびりついってしまった苦手意識をとるには、お薬だけでなく精神療法を積み重ねていく必要があります。
「余裕がある時は不安に立ち向かい、余裕がないときは無理をしない」を原則にして成功体験を積み重ねていくことで、少しずつ症状を改善させていきます。お薬はそのように恐怖に立ち向かっていく時に、鎧のような役割を果たします。
2.パニック障害の第一選択薬-抗うつ剤
SSRIを中心とした抗うつ剤がパニック障害治療の中心です。
パニック障害の薬物療法の中心になるのが「抗うつ剤」です。抗うつ剤ときくと、「うつの薬じゃないの?」と思われるかもしれませんが、不安の病気にもよく使われています。パニック障害で使われる抗うつ剤についてご説明していきます。
①パニック障害で使われる抗うつ剤とは?
パニック障害の患者さんの脳では、偏桃体とよばれる不安や恐怖と大きく関係する部分が過活動になっていることが分かっています。この偏桃体ではセロトニンの働きが弱まっていることが確認されているため、正常化するためにセロトニンの働きを強める必要があります。
このため抗うつ剤の中でも、セロトニンを増加させる効果が強いものがパニック障害に有効です。第一選択として使われる抗うつ剤は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)になります。
現在日本で発売されているSSRIとしては、以下の4種類があります。
パニック障害に適応が認められていたのは、パキシルとジェイゾロフトの2剤のみになります。その他のSSRIでも効果はしっかりと認められていて、海外では適応が認められています。患者さんの状態や状況をみながら、どのSSRIが向いているのかを選んでいきます。
SSRIが合わない場合は、その他の抗うつ剤を使うこともあります。しかしながらノルアドレナリンは不安を誘発することがあるので、セロトニンを増やす効果が強いものを選んでいきます。
②抗うつ剤の副作用とパニック障害での注意点
パニック障害で使われるSSRIは、セロトニンだけを増やすように作られたお薬です。このため、副作用の中心も「セロトニン」によるものです。
セロトニンによる副作用として最も多いのが、胃腸障害です。とくに吐き気が多いですが、これはお薬の使い初めに多いです。しばらくすると慣れていく患者さんが多いです。
また、セロトニンによって睡眠が浅くなりますので、不眠の副作用がみられることがあります。反対に眠気が強く出る患者さんもいるので注意が必要です。性機能障害がみられる患者さんもとても多いです。
副作用をあげていくと怖い薬に感じてしまうかもしれませんが、SSRIは安全性の高いお薬です。お薬が蓄積して脳にダメージをもたらしたりはしないので、過剰に心配しないでください。
パニック障害では、抗うつ剤の効果がしっかりと期待できます。多くの患者さんで、SSRI単剤で十分に効果がみられます。はじめは副作用を軽減するために少量からはじめ、問題がなければ少しずつ増量していきます。
SSRIは不安になりやすい体質に対して効果があるお薬で、時間をかけて少しずつ不安になりにくくしていくお薬です。ですから、症状がなくなってもしばらく服用し続けることが大切です。
3.パニック障害での補助薬―抗不安薬
抗不安薬は即効性が期待でき、不安や緊張を和らげてくれます。耐性と依存に気をつける必要がありますが、パニック障害ではメリハリをつけて使っていけば非常に有効です。
パニック障害の治療のサポートとして、「抗不安薬」はとても有効です。ここでは、パニック障害で抗不安薬をどのように使っていくのかご紹介していきます。
①パニック障害で使われる抗不安薬とは?
抗不安薬は、主にベンゾジアゼピン系抗不安薬を使います。抗不安薬はGABAの働きを強めることで、脳の活動を抑制します。このようにして、不安や緊張を和らげる作用があります。
抗不安薬の最大のメリットは、即効性があることです。このため、飲み始めてすぐに効果が実感でき、頓服としても有効なお薬なのです。それに対して抗うつ剤では、効果が発揮されるまでに時間がかかってしまいます。患者さんの苦痛を早く和らげて治療に対して希望を持ってもらうことはとても大切です。
それだけでなく、パニック障害の患者さんの脳ではGABAの活動が低下していることが分かっています。ですから、パニック障害の本質的な改善にもつながる可能性もあるのです。
パニック障害に使われる抗不安薬(精神安定剤)としては、以下のようなものがあげられます。
- リボトリール/ランドセン(一般名:クロナゼパム)
- レキソタン(一般名:ブロマゼパム)
- ワイパックス(一般名:ロラゼパム)
- ソラナックス/コンスタン(一般名:アルプラゾラム)
- デパス(一般名:エチゾラム)
- セルシン/ホリゾン(一般名:ジアゼパム)
- リーゼ(一般名:クロナゼパム)
- メイラックス(一般名:ロフラゼプ酸エチル)
パニック障害では、時や場所を選ばない予期不安が認められます。そして急激なパニック発作が襲ってくることもあります。それぞれのパニック障害の不安に合わせて、適切な抗不安薬を使っていく必要があります。
まず予期不安に対しては、メイラックスを使うことが多いです。メイラックスは作用の持続時間が非常に長いお薬です。効果が1日の中で安定しますし、後ほどお伝えしますが耐性や依存性の少ないお薬になります。ですから、メイラックスを不安を落ち着かせる土台として使います。
それに対して、パニック発作がみられたときには即効性のあるお薬が望ましいです。そのようなお薬としては、ワイパックス・ソラナックス/コンスタン・デパス・レキソタンなどが使われることが多いです。
その中でもワイパックスを使うことが多いです。ワイパックスは噛み砕いても甘みがあり、水なしでも飲めてしまいます。いつ起こるかわからないパニック発作に対して、水なしで飲めることが大きなメリットになります。
②パニック障害での抗不安薬の副作用と注意点
抗不安薬の一番の副作用は、眠気になります。脳の活動を抑えるお薬ですので、眠気は避けられません。抗不安薬をはじめたり増量するときには、眠気に関しては十分に注意してください。
抗不安薬は、症状が落ち着いてきたら減薬をしていきます。あくまで一時的なサポートに過ぎないお薬になります。
広場恐怖症を合併している患者さんでは、少しずつ広場恐怖を克服していく必要があります。抗不安薬を安易に頼ってしまうことは、そのこと自体が恐怖から逃げていることになってしまいます。
はじめは抗不安薬を使いながらでも、少しずつお薬をつかわなくても恐怖を克服できるようにしていく必要があります。このようなパニック障害の治療面からも、抗不安薬は減量していく意識が必要です。
さらに抗不安薬は、薬の特性として注意しなければいけない点があります。抗不安薬には以下の2つの特徴があります。
- 耐性
- 依存性
耐性とは、お薬を使い続けていくうちに身体が慣れてしまって、次第に薬が効かなくなってしまうことです。依存性とは、薬がなくなってしまうことで身体に不調がみられたり、精神的に落ち着かなくなってしまうことです。
抗不安薬は即効性があり効果の実感もあるのですが、そのかわりに耐性も依存性もつきやすいお薬になります。このため抗不安薬は、注意して使っていかないと依存して止められなくなってしまいます。
- できるだけ頓服で使う
- 抗うつ剤と併用する
- 漫然と使わずにできるだけ減量する
この3点を意識して使っていきます。
4.パニック障害で他に使われるお薬とは?
抗うつ剤でも効果が不十分な方や、落ち込みや怒りなどの感情による発作がみられる方では、抗精神病薬や気分安定薬が使われることがあります。
パニック障害では、抗うつ剤と抗不安薬の2つを組み合わせて治療していくのが一般的です。しかしながら患者さんによっては、抗精神病薬や気分安定薬が使われることがあります。
このようなお薬が使われるのは、大きくわけて2つの時になります。
- 抗うつ剤の効果が不十分なとき
- 落ち込みや怒りなどの情緒不安定性が目立つとき
抗うつ剤をしっかりと使っても効果が不十分なことがあります。そのような時は、抗精神病薬を追加することで効果が増強されます。
抗精神病薬としては、以下のようなお薬があります。
これらのお薬を少量で追加していきます。恐怖が作られていくのにドパミンが関係していると考えられているので、それを抑えることで効果が発揮されます。広場恐怖が根強い方に使われることが多いです。
また、パニック障害の患者さんでは、感情が押し寄せてくるような発作がみられることがあります。落ち込みやつらさであれば抑うつ・不安発作、怒りや興奮であれば怒り発作と呼んだりします。
このような症状に対して、ルーランやリスパダールなどの抗精神病薬が使われることがあります。情緒不安定が目立つ患者さんでは、デパケンが使われることが多いです。
5.パニック障害で漢方薬は有効か?
漢方薬は、不定愁訴や副作用の軽減に有効です。漢方薬だけで治療すると、効果が不十分となることが多いです。
パニック障害では、抗うつ剤をはじめとしたお薬の効果がしっかりと期待できます。治療期間が長くなって症状が悪化することもあるので、医師としては基本的に抗うつ剤での治療をおすすめします。
しかしながら、漢方薬を使って治療していくこともあります。パニック障害の治療での漢方の位置づけは、効果も副作用もマイルドと考えていただければわかりやすいかと思います。
症状が軽い患者さんは何とかなることもありますが、漢方薬だけでは効果が不十分なことが多いです。患者さんのお薬への抵抗が強い時は漢方薬も使いますが、効果が不十分であれば抗うつ剤を使っていくことも検討してください。
漢方が強みを発揮するのは、不定愁訴と副作用の軽減です。
抗うつ剤はしっかりと効いているけれども、自律神経症状が少しだけとれない…
抗うつ剤は続けたいけど、副作用がしんどい…
そんなときに、抗うつ剤と漢方薬を併用していくと効果的なこともあります。
パニック障害での漢方治療について詳しく知りたい方は、「パニック障害に漢方薬は有効なのか?病院でのパニック障害の漢方治療」をお読みください。
6.パニック障害では、お薬はどれくらいの期間使うの?
パニック障害では、少なくとも1年間は薬を使っていった方がよいです。広場恐怖症が合併している方は、より長くお薬を使った方がよいです。
パニック障害の症状が落ち着いてくると、「薬を飲み続けたくない」という気持ちが芽生えてくるのも当然です。はたしてどれくらにの期間、お薬を使っていく必要があるのでしょうか?
パニック障害の治療の進み方にも個人差があるので、決められた期間があるわけではありません。しかしながら、少なくとも1年ほどは治療を続けた方がよいと思います。そして少しずつ減量して経過を見ていくのが一般的です。
パニック障害の治療では、広場恐怖症を合併しているかどうかで治療の方針が少しかわります。広場恐怖症を合併している患者さんでは、症状が完全によくなるまでに時間がかかります。治療は数年単位になることが多く、抗うつ剤を継続していたほうが再発を防げます。
広場恐怖を伴わない患者さんでも、10年の経過のなかでは半数近くの患者さんが再発します。何らかの予兆で再発する方もいらっしゃいますが、突然に再発してしまう方が多いです。男性よりも女性の方が再発率が高いと報告されていて、不安になりやすい方では注意が必要です。
このようにパニック障害は、広場恐怖症が合併している患者さんではじっくりと治療が必要です。パニック障害のみの患者さんでは、少なくとも1年はお薬を続ける必要があります。そして少しでも不安症状が認められたら、すぐに受診することが大切です。
7.パニック障害の薬物療法の流れ
最後に、パニック障害の薬物療法の流れを具体的にお伝えして、治療のイメージが伝えられたらと思います。
パニック障害だけでなく他の病気を合併していれば治療の流れも変わってきますし、医師によっても治療のステップが変わってきます。
ここでは、パニック障害と広場恐怖症を合併している患者さんをイメージして、お伝えしていきたいと思います。
①SSRIと抗不安薬を併用する
パニック障害の治療では、抗うつ剤のSSRIを中心にして治療していきます。
SSRIは効果が認められるまでに2週間以上かかることが多く、即効性がありません。これに対して抗不安薬は、服用した直後から効果がみられます。
このためパニック障害では、抗うつ剤と抗不安薬を併用して治療していくことが多いです。不安をしっかりと落ち着けることで、症状がコントロールできているという安心感をもてるようになることが大切です。
SSRIを始めていく時は、できるだけ少量から始めていきます。少量から始めていくことで、副作用を軽減することができます。SSRIでは、吐き気や下痢などの胃腸障害がよく認められます。慣れていく方が多いので、一時的に胃薬などを併用することでしのいでいきます。
抗不安薬は、メイラックスなどの作用時間が長いお薬を併用していきます。その上で、パニック発作時に備えてワイパックスなどの頓服を持ち歩いていただきます。抗不安薬によって眠気が出てくることがあるので、飲み始めは特に注意してください。
②SSRIを少しずつ増量する
SSRIを開始したら、効果をみながら少しずつ増量していきます。
SSRIの効果は2週間ほどして出てきます。少しずつ効果が強まっていくので、2週間~1か月ごとに評価していくことが多いです。効果が不十分と思われたら、少しずつ増量していきます。
どこまで増やしていくのかというと、不安や恐怖がコントロールできるまで増量していきます。パニック障害での一つのゴールは、パニック発作や予期不安がなくなることです。広場恐怖症の患者さんでは、完全に不安や恐怖を完全に無くすことは難しいです。
広場恐怖症の患者さんは、実際に苦手な状況をチャレンジしてみながら薬の効果をみていきます。何とかなると思える程度ならば、薬をどんどん増やす必要はありません。
抗うつ剤を最大量まで使っても効果が認められない場合は、以下の2つが考えられます。
- 抗うつ剤の効果が不十分
- 診断の見直し
本当にパニック障害だけなのか、本質的な問題はどこにあるのか、診断の見直しをしていきます。それによっては薬が変わることがあります。抗うつ剤の効果が不十分である場合は、3つの選択肢があります。
- 他の薬を追加することで増強療法を行う
- 他の抗うつ剤を上乗せする
- 他の抗うつ剤に変更する
抗精神病薬を追加することで、抗うつ剤の効果が増強されます。抗うつ剤の量を増やすことでの反応性がある場合は、もう少し他の抗うつ剤を上乗せすることもあります。日本の用量は海外に比べて、低用量に設定されているためです。抗うつ剤の反応性が全くない時は、他の抗うつ剤に変更していきます。
③抗不安薬を少しずつ減量する
SSRIの効果が十分にみられて安定してきたら、抗不安薬を少しずつ減量していきます。これは、抗不安薬への依存を防ぐためです。抗不安薬のところでご説明しましたが、抗不安薬には耐性と依存性があって、漫然と使っていると止められなくなってしまいます。
このため、抗不安薬は必要最小限で使っていった方がよいのです。抗不安薬を常用している場合は、少しずつ減量していきます。
メイラックスなどの作用時間が長いお薬では、減量の負担が少なくてすみます。少しずつあせらず減量していきましょう。
頓服として抗不安薬を使っている場合は、無理に減量しなくても大丈夫です。常に身体に薬があるわけではないので、依存にはなりにくいからです。不安の軽減と共に少しずつ減量していきましょう。
④SSRIをしばらく続ける
薬を服用していれば日常をかわりなく過ごせるようになってきたら、しばらくはその感覚での生活を続けた方がよいです。不安の病気は根が深いので、1~2年間はSSRIを続けた方がよいです。
SSRIをできるだけ続けた方が再発率は下がります。上でご説明しましたが、広場恐怖症がある患者さんはとくに、あせらずにお薬をしばらく続けましょう。
この間に大切なことは、苦手なことを避けないことです。日々の生活を普通にすごしていくことが大切です。避けた生活を続けていると、薬をやめると不安が次第に広がってしまいます。
⑤SSRIを少しずつ減量する
しばらくの期間お薬を続けていて、「もう薬がなくても何とかなる」と患者さんが思えていれば減量を検討していきます。
できるだけ生活の変化がない時期が良いでしょう。薬を減量していく時も、少しずつ行っていきます。これには2つの理由があります。
- SSRIでも離脱症状が起こること
- 少ない薬の量にゆっくりと慣れていくため
SSRIでも離脱症状が起こります。身体が薬に慣れてしまい、急になくなると身体に症状があらわれるのです。とくにパキシルでは離脱症状に注意が必要です。詳しく知りたい方は、「抗うつ剤の離脱症状と5つの対策」をお読みください。
また治療の面でも、ゆっくりと減らしていく方がよいです。薬が減っていくことに不安を感じていなくても、無意識に不安を感じていることは多いです。少しずつ減量して問題ないことを確認していきます。めんどうに思うかもしれませんが、急がばまわれです。
まとめ
パニック障害の薬物療法についてみてきました。
パニック障害の治療としては、SSRIを中心とした抗うつ剤と抗不安薬を併用していくことが一般的です。
パニック障害では薬物療法だけでなく、精神療法と組み合わせて治療していきます。この2つの治療法の関係性について詳しく知りたい方は、「パニック障害を克服するには?パニック障害の治療法と対処法」をお読みください。
投稿者プロフィール
-
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
最新の投稿
- フリバス2020年7月30日フリバス錠・OD錠の副作用と安全性について
- フリバス2020年7月30日フリバス錠・OD錠の効果と特徴について
- 頭痛2017年4月9日痛み止めで逆に頭痛?薬物乱用頭痛について
- エビリファイ2017年4月8日アリピプラゾール錠の効果と副作用