リラックスする呼吸法とは?
日常生活の中でも、深呼吸をして落ちつかせることがあるかと思います。
呼吸と自律神経と大きく関係しています。私たちは意識をしなくても呼吸を勝手にしてくれています。これは自律神経の働きによるものなのですが、呼吸は意識をすることもできます。
呼吸は自律神経の中では唯一、自分で意識することもできます。ですから呼吸によって自律神経に働きかけ、身体をリラックスさせることもできます。
皆さんがされている深呼吸ですが、本当はもっとリラックスにつながる呼吸法があります。ここでご紹介していきたいと思います。
1.呼吸とリラックスのつながり
呼吸は、人が唯一コントロールできる自律神経系です。
当然のことですが、私たちは常に呼吸をして生きています。ほとんど意識せず、何気なく息を吸って吐いているだかと思いますが、実は呼吸は私たちの心身の状態と深い関係があるのです。
私たちは普段生活をしていて、意識しないで勝手に調整してくれている部分はたくさんあります。呼吸もそのひとつです。それ以外にも、体温、免疫、食べ物の消化や心臓の動きなど、これらは自律神経でバランスを保たれています。いちいち、いつ呼吸をするのか?などと考えて生活していたら生きていけませんよね。
これらの自律神経が調節している部分の中で、自分でのコントロールもできるのは呼吸だけです。普段は勝手に調整してくれていますが、意識すると自分で吸ったり吐いたりすることができます。言い換えるならば、自律神経を直接コントロールできるのは呼吸だけです。
ですから、呼吸を通してリラックスを図ることができます。世間でも、深呼吸をすると落ち着くといわれていますね。それでは、どのような深呼吸が一番リラックスさせるのでしょうか?考えていきましょう。
2.どのような呼吸法がリラックスするの?
リラックスする呼吸法は、腹式呼吸です。
みなさんはどのように深呼吸をしますか?森林の中できれいな空気を胸いっぱい吸いたいとき、手を広げてふか~く息を吸いこみたくなりますよね?ですが、これはリラックスする呼吸とはいえません。
このように息を吸いこむときは、胸の筋肉が大きく働いて肺を大きくすることで息を吸いこみます。このような胸式呼吸では、リラックス効果はあまりありません。リラックスする呼吸で重要なのは腹式呼吸なのです。腹式呼吸は、お腹の横隔膜を広げることで深く息を吸いこむ呼吸です。このようにすることで、お腹のスペースが小さくなります。このことが重要な意味を持ちます。
お腹のスペースが小さくなると、静脈が圧迫されて血液が心臓に戻ってこなくなります。すると交感神経が反応して血液を回そうとします。ここまでが息を吐き続けている状態です。
ここで息を吸うと、一気に血液が心臓に戻ってきて、身体があわてて副交感神経を活性化させます。これによって結果的に、副交感神経の働きが強まっていきます。
詳しくお伝えすると、以下のようなメカニズムになります。
- 息を止める
- 胸腹腔内圧が上昇する(お腹のスペースが小さくなる)
- 大静脈が圧迫されて血液が戻りにくくなる
- 心拍出量が減少し、血圧が低下
- 交感神経が活性化し、末梢血管が収縮し頻脈に
- 息を止めるのをやめると、静脈から一気に血液が心臓へ
- 心拍出量が増加し、血圧が上昇
- 副交感神経が活性化し、末梢血管が拡張し徐脈に
このようにみていただくと、リラックスする呼吸のために大事なのは十分に息を吐ききることだということが分かっていただけるかと思います。
3.具体的なリラックスする呼吸法
息をしっかりと吐くことを大事にして、おへその下で呼吸をします。
腹式呼吸法はひとことで言うと、下腹部を膨らませたりへこませたりして呼吸をする方法です。決して難しい方法ではなく、一度身につければいつでもどこでも行うことができます。
まず身体の力を抜いたまま、おへその下あたり(丹田)に手をあて、長くゆっくりと息を吐きます。口をすぼめるようにして息を吐くと、時間をかけて息を吐くことができます。お腹の中の空気を全て吐き切るイメージをしましょう。お腹のスペースが小さくなることが重要ですので、この息を吐いている時間に大きなリラックス効果があります。
吐ききって下腹部が限界まで凹んだら、次は下腹部に空気を入れて膨らませるイメージで息を吸っていきます。このとき、できるだけ自然に鼻から空気を吸うのがポイントです。
めいいっぱい息を吸いこんだら、3秒ほど少し息を止めて、再び息を吐いていきます。以上を5~10分ほど繰り返し行います。呼吸に合わせて身体の緊張がほぐれていくイメージを頭に浮かべながら行うことで、実際のリラックス効果も高まります。
東洋で古くから知られているヨガや気功、その他各種の武道において、腹式呼吸は重視されてきました。腹式呼吸が心身の集中力や活動を高めることが、経験的にわかっていたのだと思います。
4.過呼吸とは?
呼吸をしなければという切迫感が止まらなくなってしまい、悪循環を起こしている状態です。
ス トレスや不安を感じて緊張している状態のとき、呼吸は浅くなり、スピードも普段より速くなります。リラックスしているときには反対に、深く、落ち着いたリ ズムでの呼吸をしています。逆に言えば、浅く速い呼吸は不安を生み、深くゆっくりとした呼吸をすることでリラックスすることができるのです。
過呼吸は、浅く早い呼吸がエスカレートした状態です。不安が強くなってくると、息苦しさが出てきます。するともっと呼吸をしなければという切迫感から、早く 息を吸わなければとなってしまいます。息を吐くのは時間がかかるけれど、吸うのは一瞬ですね。このため、呼吸の回数がドンドン早くなり、悪循環がとまらな くなってしまいます。
詳しくは、「過呼吸・過換気症候群の正しい対処法とは?袋は使うべき?」をお読みください。
まとめ
呼吸は、人が唯一コントロールできる自律神経系です。
リラックスする呼吸法は、腹式呼吸です。
息をしっかりと吐くことを大事にして、おへその下で呼吸をします。
過呼吸とは、呼吸をしなければという切迫感が止まらなくなってしまい、悪循環を起こしている状態です。
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