ラミクタールの半減期と血中濃度

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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ラミクタールは気分安定薬や抗てんかん薬として使われていて、使い初めの薬疹に注意をすれば安全性の高いお薬です。ラミクタールは血中濃度を測ることで、おおよその効果を推測していくことができます。

作用時間については、ラミクタールの半減期から考えていきます。ラミクタールは最高血中濃度到達時間1.7~2.5時間時間・半減期30.5~37.9時間です。作用時間が長いため、1日1~2回の服用となります。

ここでは、ラミクタールの半減期と血中濃度について、詳しくみていきたいと思います。

 

1.薬の半減期とは?

薬を飲んでから血中濃度が半分になるまでの時間のことです。

薬を服用した時の、血中濃度の変化を図に表わして、Tmaxと半減期を説明します。

薬を飲み始めると、直後は血中濃度がどんどんと上がっていきます。薬の吸収がおわると、薬は代謝されて身体から出ていきますので、少しずつ血中濃度が減少していきます。身体が薬を代謝できるスピードは決まっていますので、どれくらいの量であっても一定のスピードで身体から抜けていきます。このため、薬の量が半分になるまでにかかる時間は、内服量にかかわらず一定になります。

この血中濃度が半分になるまでにかかる時間を半減期(T1/2)といいます。T1/2が短いほど、薬の切れ味がよく身体からすぐになくなるといえます。反対にT1/2が長いほど、薬が身体に蓄積しやすいといえます。

薬の効き方を考えるにあたって、もう1つのポイントがあります。最高血中濃度到達時間(Tmax)です。これは文字通りで、血中濃度がピークに達するまでの時間です。効果がでるまでのスピードに関係しています。Tmaxが短いほど、薬の効果がすぐに表れることを意味しています。

 

2.ラミクタールの半減期と効果時間

ラミクタール錠は最高血中濃度到達時間が1.7~2.5時間、半減期が30.5~37.9時間です。このため、1日1~2回で服用していきます。

ラミクタール錠を服用すると、1.7~2.5時間で血中濃度がピークになります。そこから少しずつ薬が身体から抜けていき、30.5~37.9時間ほどで血中濃度が半分になります。

この血中濃度がピークになるまでの時間を「最高血中濃度到達時間」、血中濃度が半分になるまでを「半減期」といいます。

ラミクタール錠は作用時間が長いので、1日1回でも効果が持続します。200mg以上の高用量で使っていく場合は1日2回に分けることが一般的です。

 

3.ラミクタールの血中濃度の測り方

血中濃度が安定した状態(定常状態)で、もっとも低くなる濃度を測定します。このため、薬の投与直前のタイミングで採血します。

ラミクタールは血中濃度を測りながら用量を決めていきます。ですが、採血する時間によっても血中濃度は変化してしまいます。それではいつ採血をすればよいのでしょうか?

血中濃度の測定方法について図にしました。

ラミクタールを毎日服用していると、少しずつ薬が身体にたまっていきます。きっちりと服用していれば、およそ1週間で血中濃度が安定します。

血中濃度が安定したら、その効果をみるには波の一番下の血中濃度を測定する必要があります。一番低い時でも有効血中濃度におさまっていることが大切なのです。

この一番低い値をトラフ値といいます。トラフ値となるのは、薬を服用する直前のタイミングです。朝食後に服用していることが多いので、朝食前に採血するのが一般的です。

入院患者さんではタイミングをきっちり合わせられますが、外来患者さんでは難しいですね。薬を服用して8時間以上たっていれば大きな誤差はでませんので、朝にラミクタールを服用している方では夕方になれば大丈夫です。

 

4.ラミクタールの血中濃度と用量

少量からゆっくりと増量していき、はじめの2週間は25mgから開始していくことが一般的です。併用薬によって用量が異なります。有効血中濃度(5~11μg/mL)は、ラミクタールの効果を考える時の参考になります。

ラミクタールは他の気分安定薬のように、血中濃度を測って効果をみていくことは少ないです。測定することは可能で、5~11μg/mLで有効とする報告もあります。

実際にうつ状態の方にラミクタールを使っていくと、100mg未満の低用量で効果がある方と200mg以上の高用量で効果のある方の2パターンあるような印象があります。200mg以上で効果を認めた方では、有効血中濃度と治療効果の関係が大きいと思われます。

 

ラミクタールの使い方は少し複雑になっています。これにはラミクタールの2つの特徴が関係しています。

  • 皮疹ができたら重症化しやすい
  • 抗てんかん薬との相互作用が多い

このようなリスクがあるので、2つの点で用法・用量に注意する必要があります。

  • ラミクタールは少量から開始し、はじめの1か月は2週間ずつ慎重に増量を行っていくこと
  • 併用薬によって、用量を調整すること

これらを踏まえると、ラミクタールの用法は以下の3パターンになります。

<他の薬の影響がない時>

  • 開始~2週間目:25mg
  • 3~4週間目:50mg
  • 5週間目:100mg
  • 6週間目以降:100mg/週ずつ調整可
  • 最大量:400mg

<デパケン併用時>

  • 開始~2週間目:25mgを隔日
  • 3~4週間目:25mg
  • 5週間目:50mg
  • 6週間目以降:50mg/週ずつ調整可
  • 最大量:200mg

<テグレトールやアレビアチン併用時>

  • 開始~2週間目:50mgを隔日
  • 3~4週間目:100mg
  • 5週間目:200mg
  • 6週間目:300mg
  • 7週間目以降:100mg/週ずつ調整可
  • 最大量:400mg

 

5.気分安定薬の半減期と作用時間の比較

ラミクタール錠は1日1~2回で使われます。

気分安定薬の半減期を比較してみましょう。

気分安定薬の半減期を比較してみました。

気分安定薬の半減期をみることで、それぞれの薬の作用時間や効き方がある程度わかります。

リーマスは比較的半減期は長いのですが、1回にまとめて服用して血中濃度が高くなってしまうと中毒症状が認められることがあります。このため、1日2~3回に服用を分けることが一般的です。少ない用量で問題ない時は、1日1回にまとめてしまうこともあります。

デパケンは作用時間の短さを克服するため、デパケンR錠という徐放製剤が発売されています。薬の吸収がゆっくりとなったことで、1日1回の服用でも効果が持続します。より効果を安定させたい場合は、1日2回に分ける方がよいでしょう。

ラミクタールは複雑な薬で、量が増えていくと自分の代謝を早める働きがあります。このため、服薬をしていくにつれて半減期が短くなっていきます。このこともあるので、1日2~3回に分けて服用するのが一般的です。

ラミクタールは半減期が長いため、1日1回の服用でも効果がしっかりと持続します。量が増えてくると1日2回に分けることもあります。

気分安定薬は、しっかりと飲み続けていくことが大切なお薬です。患者さんが実際に服用できなければ何の意味もありません。効果や副作用の特徴はもちろん大切ですが、服用のしやすさも意識しながらお薬を選んでいきます。

 

まとめ

半減期とは、薬を飲んでから血中濃度が半分になるまでの時間のことです。

ラミクタール錠は最高血中濃度到達時間が1.7~2.5時間、半減期が30.5~37.9時間です。このため、1日1~2回で服用していきます。

血中濃度が安定した状態(定常状態)で、もっとも低くなる濃度を測定します。このため、薬の投与直前のタイミングで採血します。

少量からゆっくりと増量していき、はじめの2週間は25mgから開始していくことが一般的です。併用薬によって用量が異なります。有効血中濃度(5~11μg/mL)は、ラミクタールの効果を考える時の参考になります。

ラミクタール錠は1日1~2回で使われます。

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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