ノーチラス会(双極性障害の患者会)とは?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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ノーチラス会とは、日本で唯一の双極性障害だけに特化した自助グループ(患者会)になります。自助グループとは、文字通り当事者が助けあう団体のことです。双極性障害の患者さんやその家族、関係者などが集まり、様々な形で助け合っています。

双極性障害は病気の経過が長く、再発することも多い病気です。その中で、社会生活や日常生活において様々な悩みを抱えて生きていきます。それは患者さんを見守る家族の方も同じです。そのような生活のヒントをみつけ、当事者同士で支えあうことができます。

そして双極性障害の治療では、自分自身の体調や生活を自己管理していくことが必要です。調子にあわせて生活リズムや対人関係をうまくコントロールしていかなければいけません。これには仲間(ピア)の支えあいの力が非常に大きな力となります。

現在の理事長は、私の恩師の鈴木先生が務められています。ここでは、双極性障害の自助グループであるノーチラス会について、ご紹介させていただきたいと思います。

 

1.ノーチラス会とは?

双極性障害だけに特化した患者会です。当事者とその家族を中心に、医療や福祉の関係者と双極性障害について支えあう場です。

ノーチラス会は、双極性障害だけに特化した患者会として発足しています。以下では、ノーチラス会ホームページの鈴木理事長のご挨拶を引用させていただきます。

ノーチラス会は、長い歴史を持つ精神障害一般の患者会を出発点としております。その活動を通して、双極性障害に特有の問題に取り組む必要性を感じた初代理事長によって、独立した会として発足いたしました。そのため、根幹にある精神は「当事者の当事者による当事者のための会」であると考えておりま す。

ノーチラス会はその後、平成22年9月16日に東京都からNPO法人の認証を受け、日本で唯一の双極性障害に特化したNPO法人となりました。正 式名を「特定非営利活動法人日本双極性障害団体連合会」と申します。これにより税制上の優遇も受けられるようになり、活動の幅を大幅に広げる事が出来るようになりました。

NPO法人になってからも、歴代の理事長は当事者の方々でしたので、まさに当事者がほとんどすべてをまかなって活動してきたといっても過言ではありません。しかし、NPO法人は原則として非営利に社会活動するのが使命でありますので、ノーチラス会の活動も、単なる当事者会の相互扶助活動に留まらず、講演会などの啓発活動や双極性障害に悩む方々を無償で支える相談事業などを行うようになってきております。そして、次第に非当事者の賛助会員様の活動参加も増え、着々と発展してきております。

ノーチラス(Nautilus)の元々の意味はオウムガイのことです。生きた化石とも言われるこの貝は通常は深い海に住んでいますが、時には波間に浮上してくることがあります。このように深海に潜ったり浮上したりすることが、まるで潜水艦のようです。海底二万マイルの潜水艦の名前でもありますね。

双極性障害も躁状態では気分が上がって、うつ状態では沈みます。このように気分が上がったり下がったりすることが、オウムガイや潜水艦によく似ていることからこの名前がつけられたのでしょう。

ノーチラス会の顧問には、日本の精神医学界でも名だたる先生方がたくさん名前を連ねています。

 

2.ノーチラス会の活動内容

各支部での定例会が活動の中心となっており、講演会やイベントがあります。双極性障害に関する会報や電話相談などのサービスを受けることもできます。

ノーチラス会は、患者さんの自助グループです。当事者である患者さん同士が中心となり、お互いが支えあっていくための場です。ほぼ毎週の定例会や隔週の家族会が活動の中心です。

現在、仙台・富山・福井・川越・浦和・相模原・熱海・沼津・名古屋・大阪・神戸・香川などで開催されています。当事者やその家族が集まって、病気に対するさまざまな情報交換、テーマを決めて話し合いをしていきます。とはいっても、無理に話さなくても大丈夫です。参加していろいろな人の話を聞いているだけでもよいのです。

そして年に1回、主に横浜で講演会を開催しています。講演会のあとは分科会といって、好きなテーマごとに当事者やいろいろな関係者が集まって話をしていきます。そして、希望者の方で懇親会も開催されています。

会員になると、毎月双極性障害に関する会報が送られてきます。また、電話相談などのサービスを無料で受けることもできます。電話相談の担当は、臨床心理士や産業カウンセラー、ピアカウンセラー(訓練を受けた当事者ボランティア)になります。

さまざまなイベントも企画されています。回復の喜びを分かち合いながら、社会に対して心の病からの回復を表現するリカバリーパレードも行われています。

 

3.双極性障害へのノーチラス会(自助グループ)の力とは?

双極性障害の長い経過の中で、ピア(仲間)の力は非常に大きく、家族の理解も大切です。ノーチラス会は、その支えになります。

双極性障害の特徴としては、2つの大きな特徴があります。

  • いろいろな病相が不安定にみられる
  • 再発率が高い

このように、双極性障害は移ろいやすく、それでいて病気と長年つきあっていかなければならないのです。長い経過の中で、患者さんはさまざまな社会生活や日常生活での悩みを抱えて生きていきます。つらい苦しみの中で、ピア(仲間)の力はとても大きいです。

仲間がいれば、本当の意味で病気を受け入れられることができます。そして多くの人と悩みを相談していく中で、生きた生活のヒントが得られます。ときにはモデルケースとなるような方が見つかるかもしれません。自分の役割が自助グループの中で見つかるかもしれません。それらが自分を肯定できる認知の変化につながって、社会参加につながっていくこともあります。

 

そして双極性障害の治療では、自分自身の体調や生活を自己管理していくことが必要です。調子にあわせて生活リズムや対人関係をうまくコントロールしていかなければいけません。自助グループを通して自分のことを客観的に見つめ、その変化に気が付くこともあります。

 

さらに自助グループでは、家族会なども開催されています。家族の方の患者さんへの理解は、病状の安定のためにも非常に重要です。家族が双極性障害という病気を理解して受容できることができれば、患者さんにも肯定的なまなざしを向けることができます。その結果としてストレスが軽減し、双極性障害の再発も減っていきます。

詳しく知りたい方は、「双極性障害(躁うつ病)の家族の接し方のポイント」をお読みください。

 

まとめ

ご興味をお持ちになられた方は、ノーチラス会ホームページをご覧ください。

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