アモキサンカプセルの効果と特徴

アイコン 2016.11.26 アモキサン

アモキサンは販売開始1981年と古くから発売されていて、非常に長い実績のある抗うつ薬です。三環系抗うつ薬に分類されています。

このタイプのお薬の中では比較的新しく、副作用である抗コリン作用を弱めたもので、第二世代と呼ばれたりもします。

最近では、さらに副作用の少ないSSRI・SNRI・NaSSAといった新しい抗うつ薬がメインに使われるようになっています。ですが三環系抗うつ薬は、副作用が多いですが効果も大きいです。新しい抗うつ剤と比較すると、ハイリスク・ハイリターンといえます。このため、うまく使うと非常に有用ですので、現在でもよく使われています。

ここでは、アモキサンの効果を中心に、わかりやすく紹介していきたいと思います。

 

1.アモキサンとは?

はじめに、アモキサンの特徴を簡単に紹介したいと思います。

  <メリット>

  <デメリット>

三環系抗うつ薬の特徴は、ハイリスク・ハイリターンなお薬であることです。その中でアモキサンは、副作用である抗コリン作用が少なくなるように改良されたものです。これにより副作用が軽減されましたが、かわりに効果も弱まっています。ですからアモキサンは、三環系抗うつ薬の中ではマイルドなお薬といえます。

アモキサンはセロトニンとノルアドレナリンの両方を増やしますが、このうちでもノルアドレナリンを優位に増やします。このため、セロトニンによる抗うつ効果がありますが、特にノルアドレナリンが増えることで意欲改善に有効です。また、アモキサンにはドパミンをブロックする作用があるので、妄想が強いうつ病の方に効果があるといわれています。

アモキサンの大きなメリットとしては、効果が出てくるのが早い点があげられます。3~7日ほどで効果が出てくることもあり、抗うつ剤の中では最も早いと思います。また、古くからある薬なので、薬の価格が安くなっているのもメリットです。

一方でアモキサンの効果は、三環系抗うつ薬の中ではマイルドとなってしまいます。さらに新しい抗うつ剤と比較してしまうと、どうしても副作用が目立ってしまいます。

 

2.アモキサンの作用機序(作用の仕組み)

セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで効果を発揮します。

不安や落ち込みといった症状には「セロトニン」が関係しているといわれていて、意欲や気力は「ノルアドレナリン」、興味や楽しみは「ドパミン」が関係しているといわれています。

アモキサンは、脳内のセロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質の増加することで、抗うつ効果がもたらされるといわれています。セロトニンとノルアドレナリンは、神経と神経の間の橋渡しを行う神経伝達物質です。

分泌された神経伝達物質は、役割を果たすと回収されます。これを再取り込みと呼びます。アモキサンは、この再取り込みを阻害することによって、セロトニンやノルアドレナリンの量を増やします。これによって、これらの物質の受け皿である受容体の刺激を増加させて作用します。

アモキサンは古くからある三環系抗うつ薬に分類されます。三環系抗うつ薬は、セロトニンやノルアドレナリンを中心に作用するお薬になります。ですが新しい抗うつ薬に比べると、これらの物質以外にも作用してしまうため、副作用が多くなってしまいます。

日本で発売されている三環系抗うつ薬は、現時点で5種類あります。

になります。続けてアモキサンの効果について、詳しく見ていきたいと思います。

 

3.アモキサンの効果の特徴

ノルアドレナリンを優位に増加させるマイルドな三環系抗うつ薬です。

アモキサンは、特にノルアドレナリン再取り込み阻害作用が強く、ノルアドレナリンを優位に増加させます。セロトニンが増加することによる抗うつ効果はもちろんあります。それよりも、ノルアドレナリンを増加させることによって、気分を意欲的にする効果が強いです。

また、アモキサンはドパミンにも作用する点が特徴的です。アモキサンとその代謝産物には、ドパミンを遮断する作用があるといわれています。ドパミンが増加していくと妄想が強くなっていくと考えられているので、妄想があるうつ病の方に効果があるのではといわれています。

アモキサンは、トリプタノールといった古くからある三環系抗うつ薬の副作用を軽減する目的で開発されました。このため、抗コリン作用をはじめとした副作用が軽減されています。その分、効果の厚みとしては失われてしまいます。このためアモキサンは、マイルドな三環系抗うつ薬といえます。

 

4.アモキサンの効果の強さ

三環系の中ではマイルドですが、新しい抗うつ剤とは同じくらいの強さはあります。

代表的な抗うつ剤の作用を表にまとめてみます。

代表的な抗うつ剤について、作用を比較してまとめました。

それぞれの受容体に対する薬の作用の強さ(Ki値)をもとに、ざっくりと5段階にして整理しました。

見ていただくと、三環系抗うつ薬はいろいろな受容体に働くことがわかると思います。このことは、副作用が多いことにつながりますが、効果が厚くでることにもなるのです。このため、数字以上に効果が出てきます。

アモキサンは、他の三環系抗うつ薬に比べると副作用がおさえられています。その分、効果もマイルドになっています。ですが、効果の厚さも加味すると、新しい抗うつ薬と同等くらいの強さはあります。

 

5.アモキサンの効き方

アモキサンは効果が早くでてきます。血中濃度は1.5時間でピークとなり、8時間で半減します。このため、1日2~3回で服用することが多いです。

抗うつ剤は、不安や不眠に関しては、効果がすぐに表れることもありますが、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。ですがアモキサンは、薬を飲み初めてから3~7日ほどで効果が出てくる場合があります。

抗うつ剤が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。およそ服用を始めて4~5日ぐらいで薬の体内での濃度が安定します。この状態のことを定常状態といいます。

抗うつ剤は通常、効果が認められるまでに時間がかかります。2週間くらいかけてゆっくりと効いてくるのが一般的です。アモキサンは抗うつ剤の中では効果が早めに出てきやすいです。

 

アモキサンを服用すると1.5時間ほどで血中濃度が最高値になります。そこから徐々に血中濃度が低下していき、8時間後には血中濃度が半減します。抗うつ剤としては薬が身体から抜けるのが早い薬です。このため、アモキサンは複数回服用することで効果が安定します。

1日1回からはじめて大きな副作用がないかを確認して、問題なければ服薬回数を増やしていきます。1日に2~3回服用することが多いです。

 

6.アモキサンの副作用

他の三環系抗うつ薬よりは少ないですが、体重増加・性機能障害・不眠が比較的多いです。

アモキサンは、他の三環系抗うつ薬と比較すると抗コリン作用が少ないです。このため軽減はされていますが、便秘や口渇などは認められます。抗ヒスタミン作用も軽減したとはいえ強いため、体重増加が認められます。性機能障害は、新しい抗うつ薬ほどではないですが、多く認められています。また、他の三環系抗うつ薬と比較すると落ち着かせる効果は少ないため、不眠の副作用が多少多くみられます。

ドパミン系に作用するため、錐体外路症状などが理論的には発生する可能性はありますが、ほとんど見たことがありません。

代表的な抗うつ薬の副作用を以下にまとめます。

代表的な抗うつ薬について、副作用を比較して表にまとめています。

アモキサンの副作用について詳しく知りたい方は、
アモキサンの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

7.アモキサンが向いている人は?

アモキサンはどのような人に向いているでしょうか?アモキサンの適応をふまえて、実際にどのような方に向いているお薬なのか、みていきましょう。

 

7-1.アモキサンの適応疾患

<適応>

アモキサンは、うつ病やうつ状態に対して適応が認められています。アモキサンは三環系抗うつ薬の中ではマイルドなため、新しい抗うつ剤で効果が不十分なときに使われることが多いです。

アモキサンはノルアドレナリンを増やす効果が強いため、意欲低下や気力低下が目立つ患者さんに向いています。

 

7-2.アモキサンが向いている人とは?

 

アモキサンはうつ状態に使われる抗うつ剤です。三環系抗うつ薬の中では副作用が少ないため、はじめに使われることは少なくなりました。まずは副作用の少ない、SSRI・SNRI・NaSSAといった新しい抗うつ薬が使っていき、それでも効果が乏しい場合、より効果のある三環系抗うつ薬が使われます。

ですから、新しい抗うつ剤で効果が不十分であった場合、「副作用は仕方ないからもう少し効果のあるものを試したい」という人に、アモキサンは向いているといえます。ノルアドレナリンを増加させる作用が強いため、意欲低下が目立つ場合に効果が期待できます。三環系抗うつ薬の中では副作用は少ないので、比較すると女性向きともいえます。

妄想性うつ病の患者さんに効果が期待できるともいわれています。うつ病やうつ状態では、罪業妄想(自分は罪深い人間だ)・心気妄想(重大な病気に違いない)・貧困妄想(破産してしまう)といった妄想が認められることがあります。こういったときに効果的といわれていますが、私自身は他の抗うつ剤と大きな違いを感じることはありません。

アモキサンのメリットは、効果が他の抗うつ薬よりも早く期待できることです。三環系抗うつ薬を使うような状況では、焦らずにじっくりと治療をしてほしいことがほとんどです。ですが、社会生活の中でスピードが求められることはあります。このような時は、アモキサンをあえて使うこともあります。

 

まとめ

アモキサンは、三環系抗うつ薬に分類されていて、セロトニン・ノルアドレナリンといった伝達物質の再取り込みをブロックすることで、これらの量を増やす薬です。

効果としては、ノルアドレナリンを高める効果が強く、意欲低下などに有効です。

新しいタイプの抗うつ剤であるSSRIに比べると、ハイリスク・ハイリターンな薬になります。副作用も多いですが、効果も大きいです。ただ、他の三環系抗うつ薬と比較すると、効果・副作用ともにマイルドな印象です。

効果が出てくるのは、他の抗うつ剤に比べて早いです。血中濃度は1.5時間でピークとなり、8時間で半減します。このため、1日2~3回で服用することが多いです。

副作用としては、他の三環系抗うつ薬よりは少ないですが、体重増加・性機能障害・不眠が比較的多いです。

この薬は、新しい抗うつ薬では効かずに意欲低下が目立つ人、妄想性うつ病の人、早い効果を期待したい人に使われます。

販売者名 ファイザー株式会社
分類 三環系抗うつ薬
剤形 カプセル(10mg・25mg・50mg)・細粒(10%)
薬価 カプセル(5.6円・11.4円・23.3円)・細粒(42円/g)
ジェネリック なし
成分(一般名) アモキサピン
半減期 8時間 (半減期が短い)
用法 1日1~3回 最大300mgまで