薬に頼らずに不安を解消する4つの方法

元住吉 こころみクリニック
元住吉 こころみクリニック
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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不安は人生につきものです。

もし不安という感情がいらないのであれば、進化の過程で消え去っています。不安を今でも人が感じるのは、生きるために不安が必要だからです。

不安を感じるから人は準備をする、警戒する、慎重に行動します。ですが過度に不安を感じてしまうと、それが生きていく上で足かせになってしまいます。

そのような不安に取りつかれてしまった場合、不安をコントロールできるようにしていかなければなりません。お薬としては抗うつ剤や抗不安薬などがありますが、できればお薬は使いたくないという方も多いと思います。

ここでは、過度な不安を解消していくにはどのようにすればよいか、薬を使わない方法を考えていきたいと思います。

 

1.不安解消法①-リラックスする呼吸法

リラックスする呼吸法は、しっかりと時間をかけて吐きながら腹式呼吸をすることです。

呼吸は、人が唯一コントロールできる自律神経系です。ですから、呼吸によって自律神経のバランスを整えることができます。

深呼吸をするとリラックスできるといわれていますが、みなさんがイメージされている深呼吸とは少し異なります。本当にリラックスする深呼吸は、腹式呼吸を意識することが大切です。

腹式呼吸とは、お腹の横隔膜を広げることで息を深く吸いこむ呼吸です。肺がお腹の方に膨らんで、胃腸がつまっている腹部のスペースが小さくなります。すると胃腸を動かしている迷走神経が、外から圧迫されて刺激されます。迷走神経はリラックスするときに働く神経であるので、気持ちもリラックスしていくのです。

このように、迷走神経の圧迫が大事ですので、呼吸のうちでも吐くことが大切です。息をしっかりと吐き切っていきましょう。

詳しく知りたい方は、
リラックスする呼吸法とは?
をお読みください。

 

2.不安解消法②-リラクゼーション(漸進的筋弛緩法)

筋肉の緊張を知り、リラックス状態を作りやすくしていきます。

漸進的筋弛緩法とは、リラクゼーション法の一種です。人の身体は自然と力が入ってしまうもので、リラックスしろといわれても難しいです。筋肉は、緊張させてから力を抜いた方が脱力しやすいです。これを利用してリラックス状態を身に着けていく方法がリラクゼーション(漸進的筋弛緩法)です。

継続することでリラックス状態を作りやすくなり、自分の緊張状態に気づけることで、不安や恐怖へのとらわれが薄れます。

一つずつの筋肉を意識して、緊張と弛緩を繰り返していきます。呼吸法を意識しながら、吸うときに力を入れて、吐くときに力を抜きましょう。

詳しくは
リラクゼーション法(漸進的筋弛緩法)とは?
をお読みください。

 

3.不安解消法③-自律訓練法

リラックス状態を自己暗示することでコントロールできるようにしていく方法です。

自律訓練法とは、リラックス状態を自己暗示することによって作り上げていく方法です。自律訓練法を患者さんにお伝えしていくと、4割くらいの方に何らかの効果がありました。自律訓練法には大きな副作用はありませんので、どなたでも行えます。

まずは、呼吸を整えていきます。時間をかけて吐くことを意識しながら、腹式呼吸をして呼吸を整えましょう。

呼吸が落ち着いてきたら、人がリラックスしている時に感じる感覚を自己暗示していきます。「手足が重たい」や「手足が温かい」といった感覚を心の中で唱えながら、自己暗示をかけていきます。

それと同時に身体の声に耳を傾けて、その感覚を味わいます。このようにして身体にリラックス状態をしみこませていきます。十分とリラックス状態を体感できたら、最後に忘れずに消去動作を行いましょう。

このようにしてリラックス状態を作れるようにしていくのが自律訓練法です。不眠の方は、そのまま寝落ちしてもかまいません。最初は難しい方も多いですが、続けていくことで自己暗示が少しずつ上手くなります。

詳しく知りたい方は、
自分でできる!自律訓練法の効果
をお読みください。

 

4.不安解消法④-生活習慣から不安を解消   

カフェインを抑えましょう。また、規則正しい生活リズムと運動が重要です。

普段何気なく行っている生活習慣に少し気をつけることで、不安を解消することができます。

まず、カフェインの摂取をできるだけ避けるか、量を抑えるようにしてください。カフェインを含むものとしてよく知られているものといえば、コーヒーです。一日の中でコーヒーを飲むことが習慣化している人も少なくないと思います。

眠気覚ましに飲まれることからも分かるように、カフェインは興奮物質の一種です。交感神経が刺激され、脳内を緊張状態に保つことができるのです。カフェインを摂取するとおよそ30分で覚醒効果が現れ、2~4時間後にその効果はピークを迎え、その後個人差はありますが7時間程度持続するといわれます。

コーヒーをやめればカフェインも摂取せずに済むと思われる方もおられますが、実は私たちが普段食べたり飲んだりしているものなかには、コーヒーの他にもカフェインを含むものが意外と多いです。

緑茶や紅茶や、おやつとしてのチョコレートやココア、またコーヒーと同様、眠気覚ましとして飲むことも多い栄養ドリンクなど、知らず知らずのうちにカフェインを摂取してしまっていることも少なくありません。これらのものを完全に断つことはなかなか難しいですが、飲食物を買うときにはカフェインの有無を確認し、できるだけ量を抑えるようにしましょう。

食事や睡眠などの一日の生活リズムも、不安に大きく影響します。規則正しい生活サイクルを守ることで、身体や心へのストレスを軽減することができます。

私たちの身体には体内時計とよばれるものがあり、睡眠と覚醒のリズムに限らず、自律神経およびさまざまな身体の機能を調整してくれています。毎日決まった時間に食事を取る、早寝早起きを心がける、などの規則正しい生活を送ることで、この体内時計のリズム自体を整えることができます。

また、適度な運動は脳内のセロトニン神経の働きを促進します。毎日少しずつ、ウォーキングなどの軽い運動でもいいので継続して行っていると、セロトニンの代謝が向上することも確認されています。セロトニンは脳をリラックスさせる作用のある物質なので、不安の解消に効果があります。

 

まとめ

  • リラックスする呼吸法は、しっかりと時間をかけて吐きながら腹式呼吸をすることです。
  • リラクゼーション(漸進的筋弛緩法)とは、筋肉の緊張を知り、リラックス状態を作りやすくしていく方法です。
  • 自律訓練法とは、リラックス状態を自己暗示することでコントロールできるようにしていく方法です。
  • 生活習慣としては、カフェインを抑えましょう。また、規則正しい生活リズムと運動が重要です。

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