自分でできる!自律訓練法の効果

元住吉 こころみクリニック
元住吉 こころみクリニック
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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自律訓練法は、簡単に言えば自己暗示によって不安を解消する方法です。リラックス状態を身体に言い聞かせながらイメージをしていきます。

不安や不眠で悩まれている方だけでなく、日頃のストレスを和らげる方法としてみなさんにお勧めの方法です。ここでは、自律訓練法をご紹介していきたいと思います。

 

1.自律訓練法とは?

リラックス状態を自己暗示することによって作り上げていく方法です。

ドイツの精神科医シュルツの手によって1930年頃に生み出された、心と体を自己調整する方法です。リラックス状態をイメージしていくことで、身体にその感覚をしみこませていきます。1952年には日本でも導入され、今日では、医療に限らず教育やスポーツなどさまざまな分野でも取り入れられたりしています。

副作用も特にないのでぜひ取り組んでみてください。不安や不眠で悩まれている方だけでなく、日頃のストレスを和らげるためにもとても有効です。病気で苦しまれている方の中には、自分をコントロールする力を取り戻すきっかけとなることもあります。

 

2.自律訓練法の効果と副作用

私は4割くらいの方に効果があると感じています。自律訓練法には大きな副作用はありません。

自律訓練法は、リラックス状態を自分自身で作り上げていく方法です。ですから、自律訓練法によって得られる効果としては、以下のようなものがあります。

  • 心身に蓄積された疲労の回復
  • イライラを抑える、気持ちが穏やかになる
  • 自己を統制する力が身に付き、衝動的な行動が少なくなる
  • 集中力が増し、勉強や仕事の能率が上がる
  • 身体的、精神的な苦痛を和らげる
  • 寝つきがよくなる

副作用を心配される方もいらっしゃいますが、特に副作用などはみられません。自己暗示をかけていくだけですので、うまく自己暗示をかけられない方もいらっしゃいますが、副作用は出てきません。

私はクリニックの患者さんで実験をしてみたことがあります。分け隔てなく、すべての患者さんに自律訓練法をすすめてみました。すると面白い結果になりました。10人のうち、1人は効果テキメンでした。1人は有効な印象をもっていただけました。3人はまったく効果を感じませんでした。残りの5人はどのようだったでしょうか?・・・答えは「やらなかった」です。

この結果をみると、5人に2人は何らかの効果を感じていただけています。40%の方に効果があるといえます。私は、とても有効な方法と感じています。自律訓練法は、体系的にしっかり学ぶとより効果が出てきます。

 

3.自律訓練法のやり方

自立訓練法は自宅でもできます。ぜひ、試してください。私も寝つきが悪いときなどに、自律訓練法をおこなっています。

 

3-1.まずは呼吸をととのえましょう

リラックスする呼吸法は、しっかりと時間をかけて吐きながら腹式呼吸をすることです。

まずは、自分が楽だと感じられる姿勢をとります。ベッドに仰向けになったり、椅子の背もたれにゆったりと身を任せた状態が良いでしょう。それから精神を落ち着けてゆっくりと深い呼吸をします。この時の呼吸は、リラックスする呼吸法を意識しましょう。

詳しく知りたい方は、
リラックスする呼吸法とは?
をお読みください。

 

3-2.6つの公式とイメージ

リラックス状態を心の中で言語として唱えながら、身体の感覚をイメージしていきます。

人間の自律神経系は、本来自分ではコントロールできません。自律訓練法は、言葉(言語公式)とイメージ(受動的集中)を重ね合わせることで、自律神経系のバランスを自己コントロールしていく方法です。「言語公式」とは、暗示効果を得るために同じ言葉を繰り返すことです。また「受動的集中」とは、暗示を意識しすぎず、身体の声に耳を傾け、ありのままを感じることです。具体的なやり方を見ていった方がわかりやすいですね。

呼吸のリズムにあわせるようにして、6つの「言語公式」を唱えます。

  •  第一公式:手足が重たい
  •  第二公式:手足が温かい
  •  第三公式:心臓が静かに脈打っている
  •  第四公式:楽に呼吸ができる
  •  第五公式:お腹のあたりが温かい
  •  第六公式:額が涼しい

この6つの公式の状態は、いずれもリラックス状態の時に感じられる身体の感覚です。この公式を繰り返し心の中で唱え、自己催眠をかけていきます。その中で、身体の声に耳を傾けて、ありのままの感覚をイメージしていきます。

 

3-3.取り組みやすい方法

「手足が重たい」「手足が温かい」を繰り返して行っていくことからはじめましょう。

状況や症状に応じて、公式の一部を省略したり、少し変えたりすることもあります。6つの公式をすべてやりきるのは大変なので、第一公式と第二公式を重点的に行う場合が多いです。まず「右手の力が抜ける」イメージを頭に浮かべ、右手から左手、手の次は足へ、意識を移していきます。しばらくこれを続けたら、足からも力が抜けるイメージを思い描いていきます。次は両手から両足にかけて「あったかくなる」と自己暗示をかけます。最後に、「重くて温かい」という第一公式+第二公式を行っていきましょう。

以上の過程を、2~3回に分けて一日10分間ほど行ってください。慣れてくると、「力が抜ける」「あったかくなる」といった感覚をすぐに起こせるようになります。このとき全身の筋肉も緩むと同時に、心の落ち着きを得ることもできます。なかなか眠れない夜や、感情を少し落ち着けて物事を考えたいときなどにも有効だといえます。

 

3-4.最後にスイッチを入れなおしましょう

忘れずに消去動作を行いましょう。不眠の方は、そのまま寝落ちしてください。

自律訓練法はこれで終わりではありません。最後に消去動作(または終了動作)を行わなければいけません。心身がリラックスしたからといって、消去動作を怠ると、かえって脱力感や不快感に襲われることがあるのです。言語公式を唱える際にとっていた姿勢から身を起こし、手足の屈伸・背伸び・深呼吸を数回ずつ行います。自律訓練法の効果を最大限に得るためにも、この過程を欠かさないようにしてください。不眠の方は、そのまま寝落ちしてしまって問題はありません。

 

3-5.継続は力なり

続けていくことで自己暗示が少しずつ上手くなります。

自律訓練法について述べてきましたが、自分で練習を続けることが何よりも大切です。すぐに効果を得られない方もいらっしゃるかと思います。ですが、続けていくうちに少しずつ自己暗示が上手になっていきます。一度身につければ、生活のさまざまな場面で応用できますので、正しい方法を自分に覚えこませるよう、努力を継続していただきたいと思います。

 

まとめ

自律訓練法とは、リラックス状態を自己暗示することによって作り上げていく方法です。

私は4割くらいの方に効果があると感じています。自律訓練法には大きな副作用はありません。

まずは、しっかりと時間をかけて吐きながら腹式呼吸をして、呼吸を整えましょう。
リラックス状態を心の中で言語として唱えながら、身体の感覚をイメージしていきます。
「手足が重たい」「手足が温かい」を繰り返して行っていくことからはじめてみましょう。
最後に忘れずに消去動作を行いましょう。不眠の方は、そのまま寝落ちしてください。
続けていくことで自己暗示が少しずつ上手くなります。

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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