インフルエンザA型の症状と特徴とは?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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インフルエンザと一口に言っても、原因となるインフルエンザウイルスには実に多くの種類があります。

それらは特徴によってさっくり大きくわけるとA型・B型・C型の3つに分類されているので、病院などで検査をすると「あなたのインフルエンザはA型ですね。」などと言われるわけです。

この3つの中でとくに強力で流行しやすいのがA型のウイルスです。ここでは、インフルエンザA型の症状や特徴について詳しくお伝えしたいと思います。

 

1.流行しやすいインフルエンザA型

インフルエンザA型は、非常に流行しやすいです。一時期騒がれた新型インフルエンザも、インフルエンザA型です。

インフルエンザは、時に世界的な流行を巻き起こし話題になります。

かつて猛威をふるったソ連型、スペインかぜ、香港かぜ、アジアかぜ、そして2009年の新型インフルエンザと、世界規模で騒がれるのは、だいたいがインフルエンザA型です。

また、トリインフルエンザやブタインフルエンザなど、野鳥や家畜でもインフルエンザA型は流行します。現在のところ、動物から人間への感染力は非常に弱いですが、将来的にインフルエンザが変異して感染力が強くなると、大流行の恐れがあります。

たとえばトリインフルエンザの感染力が高まると、渡り鳥によって世界中に拡散することにもなりかねません。ですから、動物のインフルエンアが流行するとニュースになるのです。

 

インフルエンザA型がどうして流行しやすいのかというと、2つの理由があります。

  • ウイルス表面にある抗原の種類の多さ
  • 同じ種類でも変異すること

ちょっと難しい話になりますが、ウイルス表面には抗原があります。この抗原は、ウイルスがヒトの細胞に感染するのに重要な部分なのですが、ヒトの免疫細胞がウイルスを認識している部分でもあります。インフルエンザA型では、実にたくさんの種類の抗原があります。その中でヒトに感染するタイプは大きく4つの種類しかありませんが、いつ他の種類が変異して感染するとも限りません。

また、インフルエンザウイルスは同じ種類の抗原であっても微妙に変化をするので、免疫をかいくぐって感染してしまいます。ときに免疫から逃れやすい変異株ができて、爆発的な流行を引き起こしてしまうのです。

 

2.インフルエンザA型の特徴

18種類のヘマグルチニン(H)と11種類のノイラミニターゼ(N)の組み合わせで、非常にたくさんのタイプがあります。実際に人に感染するものは、H1N1・H3N2・H1N2・H2N2の4種類です。

インフルエンザA型が流行しやすい理由として、

  • ウイルス表面にある抗原の種類の多さ
  • 同じ種類でも変異すること

ということをお伝えしました。もう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

インフルエンザの表記でたまに、「H1N1」とか「H3N2」というものを見かけませんか?これが、インフルエンザの抗原の種類になります。

Hというのはヘマグルチニンという表面抗原で、ターゲットの細胞にくっついて侵入するのに重要な働きをしています。今の段階で、18種類が確認されています。

Nというのはノイラミニターゼという表面抗原で、感染細胞内で増殖したウイルスが細胞外に出ていくのに重要な働きをしています。こちらも11種類が確認されています。

このように、インフルエンザには2つの表面抗原があって、その組み合わせでウイルスの特徴が決まってきます。非常にたくさんの組み合わせがあるのですが、ヒトで流行するものは「H1N1・H3N2・H1N2・H2N2」の4つの種類になっています。

  • H1N1(Aソ連型):スペインかぜ・新型インフルエンザ
  • H3N2(香港型):香港かぜ
  • H2N2:アジアかぜ

H1N2は、特によく流行するAソ連型と香港型が掛け合わされてできたものと考えられています。まだ名前がつくほどの大流行にはつながっていません。

この他に高病原性トリインフルエンザとして騒がれてH5N1、H9N1、H7N9などの感染報告がありますが、感染力は低かったので大流行までには至っていません。

同じ種類の中でも、毎年少しずつウイルスは変異しています。ウイルスは増殖スピードが非常に早く、そのため進化も早いのです。ヒトの免疫をかいくぐるために、毎年少しずつ変異しています。

 

3.インフルエンザA型の症状

インフルエンザA型では全身症状が強く出やすく、重症化しやすい傾向にあります。

インフルエンザの中でもC型はあまり大きな症状が出ないことが多いですから、一般的に問題となっているのはA型かB型です。

これら2つの症状は、特別に大きく症状が異なるわけではありません。ただ、A型の方が重篤化しやすい傾向にあります。変異を繰り返す中で、ときに1918~1919年に大流行して5000万~1億人の死者を出したスペインかぜのように、致死率の高いインフルエンザウイルスも出現します。

 

症状は風邪とほぼ同様の症状がみられます。ただ、症状はインフルエンザの方が激しく、まずは悪寒や全身の痛みなどの全身症状がみられることが多いです。そして、38℃を超える高熱がみられます。これに続き、のどの痛み、咳、鼻水などの症状が伴います。

インフルエンザB型はそこまで熱があがらないケースもみられますが、A型では全身症状が出やすく、38℃~40℃に近い高熱となることが多いです。

 

4.インフルエンザA型の流行時期

インフルエンザA型は11月~1月の初めの方に流行ることが多いです。

インフルエンザの流行期間は11月~3月と言われていますが、A型は比較的早い11月~1月頃に流行るケースが多いです。
そのため、インフルエンザの予防接種は10月中旬ごろから11月中旬ごろに受けることがすすめられているわけですね。

インフルエンザは、複数のタイプのウイルスが同時に流行しています。インフルエンザに一回かかったとしても、同じシーズンで他のインフルエンザにかかってしまうこともあります。B型は春先に流行することもありますから、下手をすると時期をずらして2回インフルエンザになった・・・という悲惨なこともおこりえます。

インフルエンザ対策を怠らないようにしましょう。

 

まとめ

A型インフルエンザの特徴は、

  • 広い範囲で流行しやすい
  • 種類が豊富で変異しやすい
  • 症状が重症化しやすい
  • 比較的早い時期に流行る

ですから、世界規模で予防がすすめられているのも納得ですね。

ワクチン接種ももちろんですが、予防には手洗い・うがい・乾燥を避けるなどの日常対策が一番重要です。そして、急な寒気や高熱があったときは、病院で検査と適切な治療を受け、しっかりとした休養をとりましょう。インフルエンザと判明したら仕事や学校は休み、看病する家族もできるだけうつらないように注意しましょう。

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