インフルエンザB型の症状と特徴とは?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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インフルエンザにはA型やB型がありますが、一般的に「インフルエンザ」というと、みなさんはA型をイメージしていることが多いかと思います。インフルエンザA型は世界規模での流行をおこしやすく、熱もかなりの高熱が出るので、いかにもインフルエンザ!という感じになります。

インフルエンザB型は局地的な流行で終わることが多く、熱もあまり上がらないケースがあるので、A型に比べると目立たない存在とも言えます。だからといって、症状が軽いというわけではなく、数年おきに流行が認められます。

ここでは、B型インフルエンザの症状と特徴をお伝えし、インフルエンザA型とB型の違いをみていきましょう。

 

1.インフルエンザB型の特徴とは?

インフルエンザB型は、A型よりも流行しにくいです。ビクトリア系と山形系が混在して流行することが多いです。

インフルエンザB型は、A型に次いで流行することのあるインフルエンザウイルスです。A型のように毎年流行するわけではありませんが、数年おきに流行がみられます。A型しか流行っていない年でも、局所的にB型は流行ったりします。

インフルエンザB型がA型よりも流行しない理由は2つあると考えられています。

  • ウイルス表面の抗原の変異が少ない
  • ヒト以外に感染しない

ちょっと難しい話になりますが、ウイルス表面には抗原があります。この抗原は、ウイルスがヒトの細胞に感染するのに重要な部分なのですが、ヒトの免疫細胞がウイルスを認識している部分でもあります。

インフルエンザA型では、実に多くの種類の抗原が存在しています。また、同じ種類の中でも毎年少しずつ変異をするので、インフルエンザA型は流行しやすいのです。

一方でインフルエンザB型では、同じようにウイルス抗原はあるものの、そこまで種類は多くありません。このため細かな分類はされませんが、大きく分けてビクトリア系と山形系の2タイプがあります。変異のスピードはA型よりも遅いので、免疫がついてしまえばしばらく持続します。

また、インフルエンザB型は人以外にはほとんど感染が報告されていません。このため、いろいろな動物でのウイルスが変異して、種を超えた流行を引き起こす可能性が低いです。このことは、ウイルスの変異するスピードが遅いことにもつながっていると思われます。

 

これらの理由から、インフルエンザB型はA型よりも流行しにくいのです。インフルエンザA型では、全世界でほとんど同じ種類が流行します。これに対してインフルエンザB型では、2つのタイプが世界中で混在するようにして流行します。ですから、場所によって流行しているタイプが異なります。ときに大きなウイルス変異をみせて、数年に一度、流行することがあります。

 

2.インフルエンザB型の症状とは?

発熱のパターンがA型と異なり、高熱とならないこともあれば、二峰性発熱となり、熱が下がりにくい傾向にあります。全体的にみて、インフルエンザB型は治りにくい傾向にあります。

A型と比較して、B型の症状にもっとも特徴的なのは熱の出方です。

  • 高熱が出ないことがある
  • 解熱後にもう一回発熱することがある
  • 熱が下がりにくい

この3つが特徴的でしょう。

インフルエンザB型では、免疫が持続しやすいという特徴があります。このため、すでに流行しているインフルエンザB型に対して免疫がついている場合、症状が軽度ですむこともあります。

インフルエンザと言えば、強烈な悪寒と急激におこる38℃以上の高熱が絶対条件と思っている人も多いようですが、それはA型に限ってのこと。B型インフルエンザの場合は、熱が大して上がらず、微熱や平熱のレベルで終わってしまうケースもあるのです。

 

また、一度解熱して治ったと思ったら、1~2日してまた熱があがってくることがあります。このことを二峰性発熱といいますが、特に1~4歳のお子さんでよく認められます。大人でも認められることがありますので、注意が必要です。

この二峰性発熱は、インフルエンザB型で圧倒的に多いです。インフルエンザA型で3.7%に対し、インフルエンザB型では19.0%にもなります。

さらに、インフルエンザB型の方が熱が下がりにくい傾向にあります。インフルエンザA型で2.5%に対し、インフルエンザB型で11.1%と報告されています。

このことは、インフルエンザB型の方がウイルスが残りやすいといわれているためです。高熱が出ないので、身体の免疫が活発化しにくいという面もあるでしょう。タミフルなどのインフルエンザ治療薬の効きも、A型よりも遅いです。

 

その他の症状としては、おおまかな特徴はインフルエンザA型と同じです。倦怠感や関節の痛みなどの全身症状が目立ち、咳や鼻水や喉の痛みなどを伴います。

A型と比べると、肺炎などの呼吸器系の合併症や、腹痛や嘔吐などの消化器症状が認められやすいです。

 

3.インフルエンザB型の感染力

通常の感染力は、インフルエンザB型もA型と変わりません。

インフルエンザB型はA型に比べて局地的な流行で終わるとお伝えしましたが、それは感染力が弱いということとは違います。

A型は人間からだけではなく、鳥や家畜からも感染する可能性があります。また、種類もたくさんあり、変異のスピードも速いです。一方でB型は、ほとんど人間同士でしか感染をしないために、局地的な流行で終わりやすいです。

しかしながら注意をしなければいけないのは、感染力自体はA型と同じように非常に強いです。さらには熱が低いこともあるので、本人や周囲がインフルエンザの自覚を持ちづらいために、何となく調子が悪くても学校や職場にいき、そこで感染を一気に広めてしまう恐れがあるので注意が必要です。

 

4.インフルエンザB型の流行時期

インフルンザB型の流行はやや遅めで、2月以降~春先まで流行することもあります。

インフルエンザの流行期間は11月~3月とされていますが、B型は2月以降の比較的遅い時期に流行し、春先にまで引きずることもあります。

その頃になると、インフルエンザへの予防意識も薄れがち。特に早い段階でA型インフルエンザにかかった人などは、「これでもう大丈夫」と気が抜けてしまうかもしれませんが、型が違えば再び感染する可能性があります。

春先になっても、基本的なインフルエンザ対策はお忘れなく。

 

5.インフルエンザB型系統と4価ワクチン

2015年から、インフルエンザB型のビクトリア系と山形系の2タイプを網羅した4価ワクチンが導入されました。

インフルエンザワクチンは、A型B型それぞれ、どの系統のウイルスが流行するかを予測して作られています。

A型はAソ連型とよばれたH1N1、香港型とよばれるH3N2という2つのタイプがほとんどです。微妙に性質が異なるものが突然変異によって流行ることがありますが、タイプとしてはこの2つ以外の可能性は低いです。ただ、バッチリと当たらなければ、当然ワクチンの効果は薄くなってしまいます。

B型は、ビクトリア系統と山形系統の2タイプで亜型もありませんが、最近この2つが混合流行して予測が困難になっていました。

そこで2015年から、インフルエンザはA型2タイプ、B型2タイプのすべてをカバーした4価ワクチンが開発されました。これまでは、B型のうち、山形系かビクトリア系のどちらかを予想してワクチンを製造していたので、4価ワクチンではB型において高い予防効果が期待されています。

インフルエンザB型のウイルス変異のスピードはA型よりも遅いため、ワクチンによる免疫効果はB型の方が長く続きます。

 

まとめ

インフルエンザB型の主な特徴は、

  • 高熱が出ないことがある
  • 解熱後に熱があがってくることがある
  • 症状が長引きやすい
  • インフルエンザの自覚がしにくいので、感染しやすい
  • 遅い時期に流行する傾向

A型に比べると、「普通の風邪…」と油断してしまいがちなB型インフルエンザ。

冬から春先近くの風邪の場合、熱は低くても、病院でインフルエンザの検査をしてもらうことをおすすめします。

症状として高熱が出にくいだけであって、そのウイルスは強力です。

感染した場合、症状が落ち着いても、1週間はしっかり休養・周囲感染への配慮をしてくださいね。

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