はやり目(流行性角結膜炎)になったら会社はいけるの?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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夏に多い目の病気である流行性角結膜炎、非常に感染力が強いので「はやり目」とも呼ばれています。簡単に人にうつってしまうので要注意です。同じアデノウイルスが原因の咽頭結膜熱(プール熱)とあわせて、夏には目の充血に気を付けましょう。

ここでは、流行性角結膜炎(はやり目)とはどういう病気なのかをお伝えして、仕事をしている方はどうすればよいのかお伝えしていきたいと思います。

 

1.流行性角結膜炎(はやり目)とは?

重度の結膜炎から始まり、角膜炎につながることもあります。充血・目やに・かゆみ・異物感がみられ、耳前リンパ節が腫れることが多いです。

流行性角結膜炎は非常に感染力が強い病気です。このために「はやり目」と呼ばれて1年中感染する方がいる病気ですが、特に8月を中心とした夏に流行します。夏場に流行してしまうのは、プールでうつることが多いためです。昔よりプールも衛生的になっていますので、夏の流行ピークはだいぶ減ってきました。

原因はアデノウイルスといわれるウイルスで、潜伏期間は8~14日間です。

この病気は目の症状が中心です。ある日、急に白目が真っ赤になってめやにが大量にでます。朝起きた時に目が開けられないほどのこともあります。これは、瞼の裏から白目の部分までを覆っている結膜が炎症を起こしてしまうためです。かゆみ、ゴロゴロ感、しょぼしょぼ感がして、涙がでてきます。症状が強い場合には、まぶたの裏と眼球の結膜がくっついてしまって目が開かなくなります。角膜(黒目の部分)にも炎症が及んでしまうと、まぶしさや目のかすみを感じます。耳の前のリンパ節が腫れてしまうことも多いです。

片目からはじまることが多いのですが、かゆくて目をこすってしまってすぐに反対の目にうつってしまいます。ですから両目が真っ赤になることがほとんどです。

 

2.流行性角結膜炎(はやり目)の原因とは?

アデノウイルス8型が原因であることが多いです。

原因はアデノウイルスと呼ばれるウイルスです。プール熱(咽頭結膜熱)と同じ仲間のウイルスなのですが、タイプが異なります。はやり目では、アデノウイルス8型が原因として多いです。それ以外にも、19型や37型が原因となることがあります。いくつか種類がありますので、型が違えば繰り返すこともあります。

感染力が非常に強いウイルスで、接触感染によってどんどんと広がってしまいます。1年中みられる病気で、家庭や職場などで集団感染してしまって学級閉鎖や部署が壊滅してしまうこともあります。総合病院でも流行してしまうことがあります。眼科の患者さんで流行性角結膜炎の方がいると、患者さんが使用したものや触ったものを通して流行してしまうこともあります。

夏にピークがきているのは、プールがあるからです。患者さんがプールに入ることで、プールの水にウイルスがばらまかれてしまいます。プール熱(咽頭結膜熱)とあわせて、プールを通して広まってしまう目の病気です。夏に目が充血している時は注意しましょう。

症状が治まっても、2週間ほどはウイルスを出し続けてしまうことがありますのでやっかいな病気なのです。

 

3.流行性角結膜炎(はやり目)になったら会社はいける?

医師の許可がでるまでは出勤を自粛してください。

流行性角結膜炎(はやり目)は子供に多い病気ですが、大人でも感染はよく見られます。特に夏場は感染に気を付けるようにしましょう。

はやり目の難しいところは、熱が出ることがあまりないことです。非常につらい目の症状は出てくるものの、熱がないならば大丈夫と思って出勤してしまうこともあります。そうすると、職場にウイルスをばらまいてしまうので出勤は自粛しましょう。夏場にひどい目の症状が出てきたら必ず眼科にかかるようにしましょう。会社としても周知した方がよいと思います。

 

出勤に関しては明確な基準があるわけではありません。感染症法では5類感染症に分類されています。全国600か所の眼科から患者さんの数を、毎週保健所に届け出るようになっています。国としては個別に感染予防はしないけれど、流行をみるために数だけは把握しておきたいという病気なのです。

子供の登校に関しては学校保健法で定められていて、「病状により医師が感染の恐れがないと認めるまで」出席停止とされています。また、医師の許可があるまではプールに入ってはいけないとされています。これを元に考えるならば、眼科の先生の許可がでるまでは出勤は自粛した方が望ましいです。症状が落ち着くまでは2~3週間かかるので、長期に休みがわたってしまうことを覚悟しておいた方がよいです。

医師からの許可がでたとしても、症状が治まって2週間くらいはウイルスを排出し続けることもありますので、手洗いはしっかりと意識しましょう。

 

4.流行性角結膜炎(はやり目)の予防

手洗いうがいが基本です。

はやり目にかからないためには、やはり基本的には「手洗い・うがい」になります。できるだけ身体に入らないように、しっかりと習慣づけましょう。ただ、なかなか感染自体を完全に予防するのは難しいものです。過度に恐れたり、プールを避けるようなことはしなくても大丈夫です。プールに入る場合は、入る前後にしっかりとシャワーをあびるようにしましょう。

最近のプールでは しっかりと水質管理もされています。プールの前後はよくシャワーを浴びるように心がけて、タオルなどの共用はしないようにしましょう。また、ゴーグルを着 用するようにしましょう。プールに入った後に目を洗うのは、今はあまり行われません。これは塩素入りの水に長く目をつけておくのがよくないことがわかったためです。5秒~10秒なら問題ないので、目を洗った方がよいと思います。

 

感染してしまったら、二次感染に気を付けるようにしましょう。できるだけ目を触らないようにしましょう。目を触ってしまったら必ず手洗いです。目やにをふくときには、使いすてのティッシュがよいです。タオルやハンカチなどを他の人と一緒につかったりしないようにしましょう。コンタクトもしてはいけません。入浴も家族の中で最後にした方がよいでしょう。

手洗いうがいについては、
正しい知識で手洗い・うがいを効果的に
をお読みください。

 

5.流行性角結膜炎(はやり目)の治療

対症療法を行うしかありません。2~3週間かかります。

アデノウイルスでは、ワクチンなどはありません。死に至るほどの重症化することはまずないので、ワクチンをつくるほどの病気ではないからです。もしかかってしまったら、その間を乗り切って自分で免疫を作っていく病気です。

ウイルスですから抗生物質は効きません。アデノウイルスに効果のある抗ウイルス剤も開発されていません。基本的には、自分自身の免疫でやっつけるしかないのです。このため、治療は対処療法が基本になります。

流行性角結膜炎(はやり目)は眼の症状が中心です。ですから眼科での治療になります。炎症を抑えるための点眼を行って、角膜まで炎症が広がってしまったら弱いステロイド点眼などをつかっていきます。また、弱っているところで細菌感染もかぶってきたら抗菌剤の点眼も行います。

その上でひたすら治るのを待つしかありません。1週間前後でピークを迎えて、2~3週間で治ることが多いです。かなり長い治療になってしまうので、つらい病気です。

 

まとめ

重度の結膜炎から始まり、角膜炎につながることもあります。充血・目やに・かゆみ・異物感がみられ、耳前リンパ節が腫れることが多いです。

アデノウイルス8型が原因であることが多いです。

医師の許可がでるまでは出勤を自粛してください。

予防は「手洗いうがい」が基本です。

対症療法を行うしかありません。2~3週間かかります。

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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