ノロウイルスの出勤・出席停止はいつまで?診断書は必要?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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ノロウイルスは、11月頃から3月にかけて流行していきます。特に忘年会のシーズンではノロウイルスが一気に増えるので、注意が必要です。

ノロウイルスは非常に感染力が強いです。このため、無理をして会社や学校に出てきてしまうと、周りの人にウイルスをまき散らしてしまいます。私が昔いた病院でも、ノロウイルスによって病棟が壊滅したことがありました。

それでは、ノロウイルスに感染してしまったら、いつまで出勤・出席停止になるのでしょうか?また、診断書はどうすればよいのでしょうか?ここでは、ノロウイルスにかかってしまった時の会社や学校に対する疑問についてお答えしていきたいと思います。

 

1.ノロウイルスの感染力はいつまであるの?

便からのウイルスの排泄は、1~2週間続きます。長い方では1か月ほど続きます。

ノロウイルスの症状がひどいときは、会社や学校に行く余裕などありません。トイレから丸一日離れられなくなることも多いです。しかしながら、治ってくると「もうじきいってもよいかな?」と思えるようになってきます。

治って来たら大事なのが、周りの人を思いやる心です。感染症は、人から人へ移っていく病気です。ノロウイルスに関しては、非常に感染力の強い感染症です。死に至ることはまずないとはいえ、悪夢のような下痢や嘔吐に苦しむこともあります。

それでは、ノロウイルスの感染力はいつまで続くのでしょうか?嘔吐や下痢がなくなってきたとしても、ノロウイルスの便からの排泄は1~2週間続きます。長い方では、1か月ほど続くこともあります。この間は感染力があるといえます。

 

2.ノロウイルスはいつまで出勤・出席停止なの?

全体的に症状がよくなって、少なくとも嘔吐がなくなるまでは自粛しましょう。できれば下痢も収まるまで自粛しましょう。さらに休むべきかは、業種・業態によって異なります。

それではノロウイルスにかかってしまったら、いつまで学校や会社を休まなければいけないのでしょうか?

感染症の出勤自粛を考える時に、よく参考にされるのが学校保健安全法です。この法律の中では、感染症に関する出席停止に関して決まりが定められています。もちろんこの法律は学校に関することだけを規定したものですが、会社での感染症に関する出勤自粛の法律上での規定がありませんので、この学校保健安全法を参考にします。

ノロウイルスについては、学校保健安全法の中でも学校感染症に指定していません。このため、法律では特に出席停止期間はないのです。社会人も同じで、法律ではノロウイルスによる出勤停止期間は無いです。

だからといって無理して登校・出勤されると、ノロウイルスが一気に周りに広まってしまいます。ですから、「出勤自粛」「登校自粛」という形をとってもらうのです。

 

社会人にとっては、貴重な有給がなくなり、仕事はたまってしまうので、できるだけ早く出社したいと思う方も多いかと思います。私が思う最低限のラインは、「全体的に症状がよくなって、少なくとも嘔吐が消失するまでは出勤自粛」です。下痢の扱いは難しいところなのですが、できれば収まってから出勤が良いです。下痢がおさまってもノロウイルスは便から出ていますので、手洗い・うがいはしっかりする必要があります。

飲食やブライダルや病院などの業種では、より厳重な感染予防が求められることがあります。従業員から二次感染してしまうと、ニュースになってしまって企業評判が大きなダメージを受けます。

私の知人でウエディングプランナーをされている方では、検便で陰性がしっかりと出るまでは出勤自粛となり、1か月以上休むことになりました。

会社によって求められるレベルが異なりますので、人事・総務部に確認してください。

 

3.ノロウイルスに診断書は必要?

必ずしも必要ではありませんが、会社の意向に従いましょう。診断書が必要な場合は、診断書をかけるかどうか、事前に確認しましょう。

ノロウイルスで会社を休んでしまうと、会社によっては出勤可能を証明した診断書を提出するように求められます。ですが必ずしも診断書が必要なわけではありません。とくに有給で休んでいる場合は、休むには理由は必要ないわけです。

しかし現実的には、社会人として会社の意向に従わざるをえません。人事・総務部に診断書が必要か確認しましょう。私が産業医としてたずさわっている会社では、診断書の提出までは求めていません。診断書を医療機関にお願いすると、1通で3000~5000円ししてまいます。

 

そもそもノロウイルスでは、診断書をかけない医療機関もあります。ノロウイルスの診断は、状況や症状から推測で診断をすることがほとんどです。検査キットなどもありますが、普通の方は保険適応になりません。

仮に検査キットを使ったとしても、感度がやや低いという難点があります。感度は、病気の人をどれだけ検査が陽性と見分けられるかです。感度が低いともれが出てしまって、疑陰性が増えてしまいます。このため検査で陰性となっても、「ノロウイルスは完治した」と診断書を書きにくいのです。特異度は高いので、検査キットで陽性ならば、「ノロウイルスに感染している」と診断書を書くことはできます。

事前に医療機関に相談して、診断書を書けるか確認した方がよいです。

 

まとめ

便からのウイルスの排泄は、1~2週間続きます。長い方では1か月ほど続きます。

全体的に症状がよくなって、少なくとも嘔吐がなくなるまでは自粛しましょう。できれば下痢も収まるまで自粛しましょう。さらに休むべきかは、業種・業態によって異なります。

必ずしも必要ではありませんが、会社の意向に従いましょう。診断書が必要な場合は、診断書をかけるかどうか、事前に確認しましょう。

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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