インフルエンザの検査方法と検査タイミングとは?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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冬に風邪をひいたと思ったら、インフルエンザの可能性は考えなければいけません。症状としては普通の風邪と似ていますが、ウイルスの感染力が強く重篤化しやすいので、対処法もかわってきます。

インフルエンザの治療薬は、早ければ早いほど効果がしっかりしています。自分自身の症状悪化を防ぐためにも、周囲への感染を食い止める意味でも、早期発見がとても大切とされています。ですので、インフルエンザが疑われるような症状が出たら、検査を受けた方が望ましいでしょう。

ここではインフルエンザの検査法、検査タイミングなど、参考になる情報をまとめてご紹介します。

 

1.インフルエンザの症状の特徴は?

普通の風邪よりも、発熱・関節痛などの全身症状が強いです。

どのような症状が見られたら、インフルエンザを疑った方がいいのでしょうか。

一番わかりやすいのは、

  • 急激におこる寒気
  • 筋肉や関節の強い痛み
  • 38.5℃以上の高熱

この3点ですね。これらの症状が伴えば、インフルエンザである可能性は非常に高くなります。

しかし、インフルエンザにはA型とB型があり、B型の場合はここまでわかりやすい症状が出ないことがあります。また痛み止めなどに使われるロキソニンは下熱作用があるため普段から内服している人は熱や関節痛の出現がないことがあります。またインフルエンザB型は胃腸症状のみのこともあります。

そのため、上記3点がそろっていなくても、インフルエンザが流行る時期(11月~3月)の風邪症状については、一応インフルエンザを疑っておいた方がいいと言えるでしょう。熱はないけどだるいから受診した患者さんからインフルエンザが発見されたということもありますので、用心することが一番です。

 

詳しく知りたい方は、「インフルエンザと風邪の違いと注意すべき合併症」をお読みください。

 

2.インフルエンザの検査方法は?

鼻の奥を細長い綿棒でつついて検体をとり、簡易検査キットをつかって検査をします。

現在もっとも広く使われている検査方法は「簡易検査キット」です。

簡単に行えるキットが医療用に多数作られており、小さなクリニックでもたいていは採用しています。さらに感度の高い検査方法もありますが、設備が必要で結果が出るまでに時間がかかることから、一般病院では行われていません。

インフルエンザの検査費用は、検査自体で150点+検査判断料144点=294点=2940円になります。自己負担が3割の方では、882円となります。

 

【迅速診断法のやり方】

1. 患者さんから検体を採る

まず、患者さんの鼻やのどから粘液を採取します。一番良く使われるのは、細長い綿棒を鼻に差し込み、鼻腔粘液をぬぐう方法です。
それを嫌がる子供さんの場合には、鼻汁を吸い出したり、テッシュにかんだ鼻汁から検体を採取する方法もあります。しかし、専用のキットが必要で感度も落ちてしまうため、行っていない病院も多いです。事前に確認するとよいでしょう。

2. 検体を判定のためのキットに落とし、結果を待つ

採取した抗体を判定キットの判定部に滴下すると、インフルエンザウイルス抗原特有のタンパク質に反応がおき、陽性なら色のついた線が浮き出る仕組みになっています。
これにより、10~15分程度で結果がわかるので、その日のうちに処置を受けて帰ることができます。

 

3.インフルエンザ迅速診断キットの問題点

発熱後は正確に診断ができません。ですので陰性だからインフルエンザが否定されたわけではないことに注意しましょう。

この方法が行われるようになり、インフルエンザの検査は、誰もが気軽に受けられるようになりました。簡単なわりに精度も高く、A型B型も判別できます。保険適応がされるので、患者さんの負担も少なくて済みます。

しかし、発症直後は検体中のインフルエンザウイルス抗原の数が少なく、判別ができないことがあります。その場合は、医師が患者さんの様子や症状を見て判断することになります。

どれくらい待たなければ正確に判断できないのかというと、病院にある検査キットによっても異なります。12時間~1日程度たてば信頼できるとなってますが、100%ではないので注意が必要です。

 

4.インフルエンザ検査を受けるタイミングは?

発熱を認めた場合なるべく早期に、最低でも2日以内に病院に受診しましょう。

発症直後は結果が出にくいのであれば、すぐに検査を受けない方がいいの?となってしまいそうですが、インフルエザは早期発見が重要です。

インフルエンザウイルスは、体内に入ると急激に増殖することがわかっており、48~72時間がインフルエンザウイルスのピークになります。タミフルなどの抗ウイルス薬は、インフルエンザウイルスの増殖を防ぐお薬です。ピークになる前の48時間以内に使わないと、しっかりとした効果が期待できません。ですから、熱が出てから少なくとも2日以内には病院へ行き、検査を受けましょう。

また、熱を測る前から実は発熱していたけど気がつかなった、言われてみたら1~2日前から調子が悪かった、ということはよくあります。熱が高かった時はいつから発熱したか正確に分かる人はいないので、すぐに受診するようにしましょう。

特に小さなお子さんでは、まれにインフルエンザ脳症などの合併症がおこることもあるので、ウイルスが増殖してしまう前の対処がすすめられています。

たまに、症状の治まりかけになって検査を受けようとする人がいますが、それにはあまり意味がありません。

インフルエンザの迅速検査は、48時間以内の治療薬投与を目的に行われています。症状の無い人や治まりかけの人が受けても、何かできるわけではありません。医師が検査の必要なしと判断した場合、インフルエンザ検査は保険の適応外になります。

 

まとめ

インフルエンザの検査方法と受けるタイミングについてご紹介しました。ポイントとしては、以下の3点です。

  • インフルエンザの検査は一般的に、迅速検査キットを使って行われる
  • 結果は10~15分程度でわかり、その日の診察中に処置を受けることができる
  • インフルエンザ検査は、48時間以内に受けるのが望ましい

インフルエンザは早期に発見すれば、治療薬を使って重篤化を防ぐことができます。疑いがある場合には、急いで近くの病院を受診しましょう。

  • 発熱直後はインフルエンザの迅速検査の結果は正確ではない。
  • 早期にインフルエンザの治療をしないと重症化する。

の2点は重要ですので、基本インフルエンザの検査が陰性でも、症状や状況からインフルエンザの可能性が高く、他に疑う疾患がなければインフルエンザの加療をしていくことになります。逆に発熱直後にインフルエンザの検査をしてもらえなかったり、様子だけみようとされた場合は、インフルエンザの加療に慣れてない医師が診てる可能性がありますので注意が必要です。

また、インフルエンザの検査結果が正確ではないならといって1日様子見ようとしたご高齢者が、肺炎で夜間救急車で運ばれたといった例は多々あります。インフルエンザが流行ってる時期に発熱した時、インフルエンザを疑うことも大切ですが、他の疾患にかかることも念頭に入れて早めに病院を受診するようにしましょう。

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