高血圧は睡眠にどのような影響をするのか

元住吉 こころみクリニック
元住吉 こころみクリニック
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック

忙しくて睡眠をないがしろにしていませんか?

睡眠はとても重要で、睡眠不足が続くと悪循環が始まります。血圧は上がって健康が悪くなってしまい、メンタルもやられていきます。集中力がなくなり日々の仕事の効率も落ちてしまい、ますますストレスが心身の健康を悪化させていきます。

睡眠不足が続くと高血圧になることは、疫学的な調査でもわかってきています。

ここでは、高血圧への睡眠の影響を中心に、睡眠不足がもたらす悪循環を見ていきたいと思います。

 

1.睡眠不足の3つの悪循環

睡眠不足になると、健康・メンタル・仕事効率の3つが悪循環に陥ります。

睡眠不足が続くと、3つの悪循環がおこります。睡眠不足が続いていくと、3つの悪循環が生じてきます。

1つ目は、健康の悪化です。睡眠不足が続いてしまうと、血圧が上がりやすくなり、肥満や糖尿病にもなりやすくなります。体調が悪くなれば、ストレスも強くなります。

2つ目はメンタルの悪化です。睡眠不足になるとストレスも増加しますので、メンタル不調に陥ってしまうことがあります。ストレスによって不眠になってしまうこともあります。すると、ますます健康の悪化につながります。このように健康悪化とメンタル不調は悪循環となります。

3つ目は、現実的な仕事の面です。睡眠がとれないと、集中力や注意力が落ちてしまいます。すると仕事効率が落ちてしまい、ますます労働時間が増加してしまいます。これが睡眠障害やストレス増加につながります。

このように仕事効率の低下も加わって、3つの悪循環に陥ってしまいます。

 

2.睡眠不足は高血圧のリスク

睡眠不足が続くと、高血圧のリスクが上がります。

睡眠と血圧は大きく関係しています。睡眠不足の状態では、身体にムチをうつために交感神経の働きが活発になります。このため血圧が上昇しやすくなり、脈も速くなります。

仕事を忙しくしていると、どうしても睡眠時間がとれない方も多いと思います。睡眠時間と高血圧の関係を調べた研究があるので、ご紹介したいと思います。

睡眠時間と高血圧の関係をみた研究の結果です。

オッズ比というのは、高血圧へのなりやすさです。競馬でいうオッズと同じといえば、お分かりいただけるでしょうか?

このグラフを見ていただくと、睡眠時間が6時間を超えていれば、たとえ睡眠不足や不眠症と感じていても、高血圧にはなりにくいことがわかるかと思います。6時間をきってくると、高血圧のリスクがあがります。その他にも、睡眠が不足すると様々な病気にかかりやすくなります。

 

3.睡眠不足は肥満のリスク

睡眠が不足すると、太りやすくなるといわれています。

睡眠が不足していくと、満腹や空腹に関係するホルモンの分泌に影響が及びます。

脂肪細胞から作られるレプチンという満腹中枢を刺激するホルモンが低下します。同時に、胃から作られるグレリンという摂食中枢を刺激するホルモンが増加します。

ですから、食欲はあがってしまいます。また、夜更かししていると小腹がすくものです。どうしても食べる時間が増えてしまうので、肥満につながってしまいます。

さらには、睡眠不足が続いていると、本来は夜間に少なくなるはずのコルチゾールというホルモンが上昇してしまいます。このホルモンは血糖をあげるホルモンなので、インスリンが効きにくくなります。肥満になりやすいこととあわせて、糖尿病になりやすくなってしまいます。

このように、睡眠不足になると太りやすくなり、高血圧のリスクもあがります。ですから、さまざまな病気にかかりやすくなってしまいます。

睡眠と病気の関係をみた統計データです。

まとめ

睡眠不足になると、健康・メンタル・仕事効率の3つが悪循環に陥ります。

睡眠不足が続くと、高血圧のリスクが上がります。また、太りやすくなるといわれています。

投稿者プロフィール

元住吉 こころみクリニック
元住吉 こころみクリニック
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック