気づいていますか?早朝高血圧と夜間高血圧

元住吉 こころみクリニック
元住吉 こころみクリニック
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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血圧は1日の中で絶えず変動しているものです。同じ高血圧でも、いつ高くなるのかでリスクも異なります。

正常な血圧の方でも、ある時間帯だけ高血圧が隠れていることもあります。早朝?夜間?それとも昼間でしょうか?

ここでは、血圧の1日の中での上がり方の違いについて、その意味を考えていきましょう。早朝高血圧と夜間高血圧について、詳しくお伝えしていきます。

 

1.血圧の日内変動

夜間は昼間に比べて10~20%血圧が低下します。

血圧は体内時計に従って、リズムを刻んでいます。正常であれば、夜間血圧は昼間の覚醒時に比較して、10~20%ほど低下します。そして、朝の起床時になると血圧が上がっていきます。

この血圧の変化には自律神経の働きが関わっています。朝や昼などで身体を活動的にする必要がある時間は交感神経が働き、血圧が上がります。夕から夜にかけて、活動を抑えていく時間帯になると副交感神経が働き、血圧が下がっていきます。

この血圧の日内変動の崩れてくると、心血管病のリスクが増すことがわかってきています。

 

2.早朝高血圧

血圧の平均とは別に、治療を進めていく必要があります。

早朝に高血圧の診断基準をみたしていると、早朝高血圧となります。早朝に血圧が高くなってしまう方には2パターンあります。

一般的に血圧は夜間から早朝にかけて上昇していきますが、

  • 夜間高血圧が引き続いているパターン
  • 早朝に急激に血圧が上昇するパターン

の2つがあるのです。この両者はともに、心血管病のリスクとなることがわかっています。平均の血圧の数値とは別にして、リスクと考えて治療を進めていく必要があります。

早朝に血圧が上がることを、モーニングサージと呼びます。これが過度におこってしまうには、アルコールや喫煙、寒さ、加齢などに伴う動脈硬化、起立性高血圧、睡眠時無呼吸症候群の影響、降圧薬の効果の短さ、などが原因です。

反対にモーニングサージがみられないケースでは、夜間高血圧が引き続いている場合や起立性低血圧などの自律神経障害が関係しています。

早朝の高血圧は、脳・心臓・腎臓などすべての心血管病のリスクと関係しているので注意して治療していかなければいけません。

 

3.夜間高血圧

自律神経が原因のことが多く、日中の血圧が正常でも注意をする必要があります。

夜間血圧の平均値が120/70以上になると、夜間高血圧となります。夜間高血圧にもタイプがあります。

夜間はもともと血圧が低下していきますが、

  • 夜間の血圧低下が少ないタイプ(non-dipper)
  • 夜間に血圧上昇を示すタイプ(riser)

の2つがあります。これらは、脳・心臓・腎臓などすべての臓器障害や心血管病のリスクが高くなります。血圧上昇タイプに睡眠不足が加わると、心血管病リスクは一気にあがります。

夜間の血圧は昼間の血圧よりも変動が小さいので、その値が上昇すること自体でリスクが大きいことを意味します。通常の血圧測定では正常域であっても、夜間血圧が高いと心血管病のリスクがあります。

このように夜間に血圧が上がってしまう原因としては、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害、心不全や腎不全などでの循環血液量の増加、糖尿病などでの自律神経障害、起立性低血圧、抑うつ状態、認知機能低下などが関係してきます。自律神経が原因のことが多く、ストレスによって認められることが多いです。

交代性勤務の方は、昼間に睡眠をとることが多いかと思います。昼間の睡眠は夜間の睡眠と比較して、交感神経の活動が十分に収まらないので夜間血圧が低下しにくく、夜間高血圧に注意が必要です。

一方で、夜間血圧が過度に低下するタイプ(extreme-dipper)もあります。高齢の方でこのタイプの方は、症状は何もないのに脳卒中を発症していることもあり注意が必要です。

 

4.昼間高血圧(職場高血圧)

ストレスと関係の大きい高血圧で、職場での血圧測定が必要です。

診察室や家庭での血圧測定では全く問題がないのに、職場や家庭のストレスにさらされている昼間の時間帯で、決まって135/85以上の場合は昼間高血圧となります。

精神的・身体的なストレスの影響が大きく、動悸などといった形で自覚される方もいらっしゃいます。ストレスによって交感神経が活発となって、血圧があがってしまいます。職場高血圧の方は、肥満や高血圧の家族歴がある方に多いという特徴があると示されています。

昼間高血圧の方は、通常の朝・夜の血圧測定だけでは見逃されてしまいます。このため、24時間自由行動下血圧測定や職場での血圧測定が必要となります。

 

まとめ

夜間は昼間に比べて10~20%血圧が低下します。

早朝高血圧は、血圧の平均とは別に、治療を進めていく必要があります。

夜間高血圧は、自律神経が原因のことが多く、日中の血圧が正常でも注意をする必要があります。

昼間高血圧(職場高血圧)は、ストレスと関係の大きい高血圧で、職場での血圧測定が必要です。

投稿者プロフィール

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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