薬を使わずに血圧を下げる方法とは?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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高血圧は、非常に多い病気です。他の病気と比べると、高血圧を気にする方は多い印象を受けます。血圧計で測りやすいということもあるでしょう。

そして、高血圧でお薬を飲まれている方も少なくありません。ですが高血圧は、薬だけでなく生活習慣での取り組みも大切です。

薬を使わずに、どのようにすれば血圧を下げられるでしょうか?「塩分を控える」というのは、よく世間でも認識されていることだと思います。それ以外にも、生活習慣で血圧を下げる方法はまだまだあります。

ここでは、最新の高血圧ガイドラインに基づいて、血圧を下げる方法について考えていきたいと思います。

 

1.正しい生活習慣の重要性

薬を飲んでいる方でも、生活習慣を見直すことは重要です。

どのような高血圧の方でも、生活習慣を変えていくことはとても重要です。生活習慣を意識していくと、少しずつ血圧が下がっていきます。薬を使った治療をしていても、生活習慣が薬の作用を増強してくれるので、結果として薬の量が少なくて済みます。ですから、薬を飲んでいる方でも少しずつ生活習慣を見直していきましょう。

血圧を意識した生活習慣をすることで、糖尿病や脂質異常症など他の生活習慣病にも効果があります。このため、心血管系の病気をはじめ、さまざまな病気になるリスクも下がっていきます。お金もかからず安全性も高いので、まずは生活習慣を見直すことから始めましょう。

 

2.どのように生活習慣をかえていくの?

やりやすいことから重点をおいて、とりくんでいきましょう。

高血圧によい生活習慣を、ガイドラインに基づいてまとめました。

血圧に良い生活習慣というと、いろいろなものがあります。上の表を見ていただくと、減塩・食事内容・減量・運動・節酒・禁煙と、どれを改善するにも大きなエネルギーがいると思います。いきなり全部気を付けるのはとても無理です。今の生活習慣の状況を考えてみて、やりやすいことにポイントをしぼって、ひとつずつ取り組んでいただけるとよいかと思います。

ひとつのことに慣れてきたら、次の目標にすすんでいきましょう。いろいろな生活習慣の改善を組み合わせると、相乗効果が期待できることがわかっています。

 

3.生活習慣で血圧はどれくらい下げられるの?

減塩と同じくらい、総合的な栄養バランス・減量・運動・節酒も効果的だとお分かりいただけるかと思います。降圧効果には限界もありますが、継続は力なりです。

生活習慣でどのくらい血圧が下がるかどうか、整理したグラフになります。

このグラフは、血圧と生活習慣に関するいろいろな研究をまとめたものです。およそ2か月の生活習慣の努力で、どのくらい血圧が変化したかをみています。

一般的に、塩分を控えると血圧が下がるといわれています。このグラフをみていただくと、塩分はもちろんですが、総合的な栄誉バランスを整えたり、減量や運動や節酒なども効果が大きいことがお分かりいただけると思います。

お気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが、生活習慣でできる降圧効果はそこまで大きくありません。どうしても効果に限界があり、さらには即効性もあまり期待できないのです。継続していると徐々に効果が出てきて、心血管病のリスクも減少していきます。

高血圧を防ぐ一番の目的は、生活習慣病の予防です。全体的なリスクを下げるためにも、辛抱強く生活習慣を改善していきましょう。

 

3.高血圧と食事

血圧を下げるには、減塩・野菜果物・魚・減量が効果的です。

食事で気を付けることはどのようなことでしょうか?塩分をたくさんとり過ぎると血圧が上がることは、よく知られているかと思います。

日本人の塩分摂取量の平均は1日10gといわれています。塩分は、1日3.8gまでは減らしても安全といわれています。ガイドラインとしては、1日6g未満を目標としています。

野菜や果物に関しては、K(カリウム)や食物繊維などが豊富に含まれています。それぞれの栄養成分だけでは、降圧効果はとても弱いです。ですが、いろいろな栄養素を組み合わせると、血圧がしっかりと下がることが報告されています。

このため、野菜や果物を種類豊富にとることが大事です。ただし、高K血症のリスクがある腎不全や、カロリーが問題になる糖尿病・肥満は控えましょう。

不飽和脂肪酸のうち、オメガ3脂肪酸であるDHAやEAPを多く含む魚をとるようにしましょう。サプリメントレベルの高用量では降圧効果も示されています。中性脂肪を低下させる効果もしめされています。

減量も大切です。BMI25未満を目指しましょう。メタボリックシンドロームの診断基準である腹囲は、心血管リスクとの関係が強いといわれています。このため腹囲に関しても、男性<85cm・女性<90cmを目指しましょう。

 詳しくは、「血圧を下げる食事とは?高血圧を改善する食事高血圧を改善する食事」をお読みください。

 

4.高血圧と運動

「ちょっとしんどい」程度の有酸素運動を、30分以上定期的に行いましょう。

高血圧の改善には、「ちょっとしんどい」程度の有酸素運動を、30分以上定期的に行うことが効果的です。目安でいうと心拍数120程度でしょうか?この程度の運動を、最低10分以上、1日に合計30分以上ですと有効といわれています。できれば毎日運動した方が効果的です。

また、レジスタンス運動と組み合わせると、より効果的といわれています。レジスタンス運動自体の降圧効果も報告されていますし、基礎代謝があがることで減量につながります。骨粗鬆症や腰痛予防にも有効といわれています。

ただし、重度の高血圧や心血管病がある方は、運動療法は制限・禁止した方がよいです。

運動をすると、メタボが全体的によくなりますので、心血管病のリスクが大きく減ります。また、リラックスする脳内物質であるセロトニンが分泌されるため、自律神経が安定します。

詳しくは、「血圧を下げる運動とは?高血圧改善のための運動」をお読みください。

 

5.高血圧と禁煙・節酒

節酒目標は、男性1合/日・女性0.5合/日としましょう。禁煙に取り組みましょう。

習慣的にお酒を飲むと血圧は上がっていきます。お酒は落ち着かせるような作用があります。常にお酒が身体にある状態ですと、身体はバランスをとって興奮させる方向にいきます。これに伴って、血圧も上がるのです。

酒飲みの方は、お酒の量を8割減らすと、3か月のうちに降圧が認められています。男性では、エタノール量にして20~30ml(1合程度)が適切といわれています。女性は、その半分の10~15ml(0.5合程度)が適切といわれています。

タバコを吸うと血圧があがっていきます。そしてタバコは、虚血性心疾患や脳卒中の大きなリスクになります。高血圧を治療する目的は心血管病の予防ですので、タバコ対策はとても重要です。

禁煙にはまず、心構えを作ることからはじまります。禁煙する理由をリストアップし、自分の喫煙パターンを知り、協力者を探しましょう。そして、禁煙に対して自信を持って臨んでください。

禁煙の方法はいろいろありますが、禁煙外来による禁煙が最も確実です。医師と協力して、身体依存を薬で抑えながら、精神依存に対して取り組んでいきます。

詳しくは、「高血圧へのお酒・タバコの影響」をお読みください。

 

6.高血圧と睡眠

睡眠不足は高血圧につながります。太りやすくもなり、さまざまな病気にかかりやすくなります。

睡眠と血圧は大きく関係しています。睡眠時間が6時間をきってしまうと、不眠症ではなく単なる睡眠不足であっても、高血圧のなりやすさは上がっていきます。ですから、しっかりと睡眠をとることが必要です。

また、睡眠不足は肥満に繋がります。また、インスリンの効きも悪くなり、肥満とあわせて糖尿病になりやすくなります。すると、一気に心血管病のリスクが高くなってしまいます。このため、睡眠時間の確保は大切です。

詳しくは、「高血圧への睡眠の影響」をお読みください。

 

まとめ

高血圧の薬を飲んでいる方でも、生活習慣を見直すことは重要です。

必要性の高い項目に重点をおいて、とりくんでいきましょう。

食事としては、減塩・野菜果物・魚・減量が効果的です。

「ちょっとしんどい」程度の有酸素運動を、30分以上定期的に行いましょう。

節酒目標は、男性1合/日・女性0.5合/日としましょう。禁煙に取り組みましょう。

睡眠不足は高血圧につながります。太りやすくもなり、さまざまな病気にかかりやすくなります。

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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