血圧150で病院!血圧200はヤバイ!

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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最近では、病院だけでなく様々なところで血圧が測定できるようになっています。血圧を測定する機会は健康診断だけでなく、色々なところであると思います。

最近では、血圧は医療機関で測るよりも日常生活の中で測った方が本当の数値を反映すると言われています。それでは、どれくらいの数値を目安に医療機関にじゅしんすればよいでしょうか?

そのひとつのラインとして、血圧150と血圧200があります。

血圧150を超えたら、病院にいって診てもらった方がよいです。血圧200を超えたら、万が一のことがあってもおかしくないです。

ここでは、血圧150と200という数値がもつ意味について考えていきましょう。

 

1.血圧150の意味することは?

生活習慣の改善だけでは難しいことも多い数値です。薬を使う可能性もあるので、病院で相談しながら生活習慣を改善していきましょう。

血圧は生活習慣の努力によって、自力でも血圧を下げることができます。では、生活習慣で血圧はどれくらい下げられるでしょうか?

生活習慣でどのくらい血圧が下がるかどうか、整理したグラフになります。

このグラフは、血圧を下げるといわれている生活習慣を調べた研究をまとめたものです。およそ2か月の生活習慣の努力で、どのくらい血圧が変化したかをみています。

「塩分を控えると血圧が下がる」とよく言われているかと思います。このグラフをみても、塩分はもちろん効果がでていますね。他にも、総合的な栄誉バランスを整えたり、減量や運動や節酒なども効果が大きいことがお分かりいただけると思います。

ですが、一つずつの降圧効果には、5~6程度と限界があります。複数の生活習慣を組み合わせても、すぐに10以上血圧を下げることは大変です。

ですから、血圧150を超える方は、薬がいずれ必要になることが多いです。血圧150となった方は、病院で相談しながら生活習慣の改善をしていく方がよいです。

 

2.血圧200の意味するところは?

血圧があまりに高いと、身体の臓器が障害されていくことがあります。血圧が200を超えるほどまでに上昇する場合は、まずは正しく血圧を測れているかを確認しましょう。

血圧の測り方については、「血圧を正しく測れていますか?正しい血圧の測り方」をお読みください。

原因をしっかり見つける必要があるので、病院にいくようにしましょう。

 

2-1.一時的に血圧が高い場合

緊急で血圧を下げる必要がない場合が多いですが、病院で原因を見つけて対処が必要です。

血圧は1日の中でも変動しています。一時的に血圧が急激に高くなってしまうこともあります。あまりにも高い高血圧がみられた時は、何らかの原因が隠れていますので病院で相談した方がよいです。

高齢者や自律神経障害がある方では、血圧の調整を行う反射がうまく働かなくなることがあります。このような方では、急激な血圧上昇がみられることがあります。ここで即効性のある降圧薬(短時間型のカルシウム拮抗薬)を安易に使ってはいけません。血圧が急激に落ちてしまって、身体の重要臓器に血が行かなくなってしまうこともありますので注意が必要です。

痛みやおしっこが出ないために、血圧が急激に上がることもあります。そのような場合は原因を取り除き、改善がない場合は薬を検討します。

精神疾患でも、一時的な高血圧がみられることがあります。パニック障害などで不安が強いために過換気症候群になることがあります。この時は身体が極端に緊張状態になるので、血圧も急上昇します。このような場合は、心療内科でしっかりと治療を進めていく必要があります。

他には、ホルモンの病気として褐色細胞腫があります。この病気は、交感神経を刺激するホルモンを過剰に分泌してしまうもので、内科でしっかりと治療をしていく必要があります。

 

2-2.血圧がしばらく高い場合

万が一のことが起きてもおかしくないので、すぐに病院を受診してください。

血圧がしばらく高い時は要注意です。180/120を超えるような高血圧の場合、脳・心臓・腎臓・大血管などの重要な臓器に急激に障害がおこることがあります。

このような状態を高血圧緊急症といい、すぐにでも降圧治療を始めていかなければいけません。臓器障害がない場合は、高血圧切迫症といってすぐに降圧する必要はありませんが、少しでも臓器障害がみられた場合は降圧をします。

高血圧緊急症の場合は、入院による治療が原則になります。あまり一気に血圧を下げてしまうと血液が行かなくなってしまう臓器がでてくるので、ある程度のペースで降圧していきます。はじめの1時間は25%未満、ついでの2~6時間で160/100を目指します。まずは注射からはじめて、落ち着いてきたら飲み薬にしていきます。

高血圧切迫症の場合はすぐに降圧する必要はありませんが、飲み薬をつかってゆっくりと降圧をしていきます。1~2日かけて、160/100を目指します。外来でも治療はできますが、リスクが高い方は入院していただくこともあります。

 

まとめ

血圧150以上では、生活習慣の改善だけでは難しいことも多い数値です。薬を使う可能性もあるので、病院で相談しながら生活習慣を改善していきましょう。

血圧200以上で一時的に血圧が高い場合は、緊急で血圧を下げる必要がない場合が多いですが、病院で原因を見つけて対処が必要です。血圧がしばらく高い場合は、万が一のことが起きてもおかしくないのですぐに病院を受診してください。

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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