イフェクサーSRカプセル37.5mg・75mgの薬価と使い分け
イフェクサーは、2015年12月に発売された新しい抗うつ剤です。SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)に分類されます。発売されて時間がたっていないので、ジェネリックの発売はまだまだ先になります。
イフェクサーのカプセルとしては、37.5mg・75mgの2つの規格が発売されています。まずは37.5mgからはじめて、効果をみながら増減させていきます。ここでは、イフェクサーカプセル37.5mg・75mgの実際の使い方や薬価についてご紹介していきます。
イフェクサーの効果について詳しく知りたい方は、
イフェクサーSRカプセルの効果と特徴
をお読みください。
1.イフェクサーカプセルの用法
イフェクサーは37.5mgから始めます。1日1回の服用をしていきます。効果をみて225mgまで使用することができます。
抗うつ剤は、不安や不眠に関しては効果がすぐに表れることもありますが、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。
イフェクサー(一般名:ベンラファキシン)は最高血中濃度到達時間が6時間、半減期が9.3時間のお薬です。その活性代謝産物のデスベンラファキシンは、最高血中濃度到達時間が8~10時間、半減期が11~12時間となっています。デスベンラファキシンは、海外ではプリシティークとして抗うつ剤として使われています。
このように活性代謝産物も含めて考えれば、イフェクサーは薬の効果は丸一日持続します。ですから、1日1回の服用で問題ありません。より効果を安定させて副作用を少なくするためには、1日2回に分けた方がよいでしょう。意欲や気力を高める効果があるお薬なので、朝に服用することが多いです。
イフェクサーは37.mgカプセル1日1回から開始していきます。増量のペースは37.5mg~75mgずつに増量していきます。75mgまで増量したら、2週間ごとに効果判定していくのが一般的でしょう。サインバルタと比較すると、効果の発現がやや遅いことが多いので、じっくりと使っていく必要があります。添付文章上は1週間ごとに増量できるので、すぐに量を増やした方がよい時は1週間ごとに増量していきます。
イフェクサーは、アメリカの用量と同じ225mgまで使うことができます。
イ フェクサーは、75~150mgではセロトニンの増加作用が中心となります。ノルアドレナリンの効果は、量が増えると少しずつ強くなります。 150~225mgではノルアドレナリンの効果が確実にでてきます。このため、気力や意欲が低下している方や痛みが強い方では、高用量までしっかりと使う と効果が期待できます。
イフェクサーを225mgまで使っても効果がハッキリしない時は、
①他の薬を追加
②他の抗うつ剤への変更
を考えていきます。イフェクサーの効果はあったけれどももう一歩・・・という時は①の方法をとることが多いです。イフェクサーとは、NaSSAのリフレックス/レメロンが相性がよいといわれています。さっぱり効果がないときは、他の抗うつ剤へ変更していきます。
2.イフェクサーカプセルの薬価
イフェクサーでは、自己負担3割の方が最高用量の225mgを使うと、1か月7309円のお薬代になります。ジェネリックはしばらく発売されません。
ジェネリックになると安くなると言われていますね。しかしながらイフェクサーは、2015年12月に発売されたお薬です。このため特許がしばらく残っています。あと数年はジェネリックが発売されないでしょう。
イフェクサーの薬価を見ていきましょう。
<先発品>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
イフェクサーカプセル | 37.5mg | 160.8円 |
イフェクサーカプセル | 75mg | 270.7円 |
薬には37.5mgSRカプセルと75mgSRカプセルがあります。SRカプセルとは、Sustained Release(徐放)の略です。少しずつお薬が放出されるカプセルということです。
最大容量である225mg処方されている方で、3割自己負担の方が1か月にかかるお薬の価格を考えてみま層。イフェクサーカプセルでは、7309円になります。
※2016年1月16日現在の薬価です。
3.イフェクサーカプセル37.5mg・75mgの使い分け
イフェクサーはカプセルなので、細かな用量調整ができません。
イフェクサーは37.5mgカプセルを1つから始めていきます。効果をみながら少しずつ増量してきます。作用時間が1日持続する抗うつ剤ですので、1日1回の服用で問題ありません。37.5~75mgずつ増量していきます。
基本的には75mgずつの増量をしていきます。最大量の225mgまでは、最短で1か月で増量できます。実際には増量して2週間ほどは効果を見ていくので、6週間~2か月で最大量まで使っていきます。副作用が出てしまった場合は、増量のペースを37.5mgずつに落とします。
原則的に1日1回の処方になりますが、あえて薬を細かく分けて服用する時もあります。
①副作用が目立つとき
②薬を服用することで気持ちが落ち着くとき
副作用は血中濃度が高い時に認められやすいです。2回に分ければ、血中濃度のピークが減りますので副作用も軽減します。
また、薬を服用することで気持ちが落ち着くときもあります。イフェクサーは即効性がある薬ではないのですが、服用することで落ち着くこともあります。「薬を飲んだ」という事実が大きいのだと思います。このような場合は、あえて薬を細かく分けて処方します。
イフェクサーを減量していく時に離脱症状が多いかは、発売から間もない現時点では定かではありません。しかしながら海外データをみていると、離脱症状がやや多いと考えられます。このため、イフェクサーを減量していく際には37.5mgずつ減量していくことになるでしょう。
4.抗うつ剤の薬価の比較
新しい抗うつ剤は全体的に高いですが、最近は安価なジェネリックも発売されてきています。
現在よく使われている抗うつ剤は、2000年ころから発売されました。まだ新しい薬なので、ジェネリックが発売されていないものが多いです。このため、どうしても薬価が高くなってしまいます。
まずは先発品の薬価を比較してみましょう。
うつ病での最大容量まで使ったときの、1か月の薬価を表にしてみました。基本的には3割の自己負担となりますが、継続的な通院治療が必要な方では、自己負担が1割となる制度があります。
詳しく知りたい方は、「自立支援医療の精神通院のポイント」をお読みください。
新しい抗うつ剤をしっかりと使うと、3割負担では3000円くらいが多いです。イフェクサーは、7309円にもなってしまいますね。昔からある三環系抗うつ薬では安くなりますが、副作用が多くなってしまいます。三環系抗うつ薬の例としてトリプタノールをあげてみました。最大容量が300mgとなっていますが、ここまで使うことは少ないです。それでも1000円ほどで収まっています。
新しい抗うつ剤にも、ジェネリックが発売されてきているお薬もあります。新しい抗うつ剤で発売されているジェネリックの薬価をみてみましょう。
ジェネリックにすると薬価がかなり落ちますので、経済的な負担はだいぶ軽くなります。イフェクサーでも早く、ジェネリックが発売されてほしいですね。
まとめ
イフェクサーは37.5mgから始めます。1日1回の服用をしていきます。効果をみて225mgまで使用することができます。
イフェクサーでは、自己負担3割の方が最高用量の225mgを使うと、1か月7309円のお薬代になります。ジェネリックの発売は当分先になります。
イフェクサーはカプセルなので、細かな用量調整ができません。
新しい抗うつ剤は全体的に高いですが、最近は安価なジェネリックも発売されてきています。
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