レスリン錠25mg・50mgの薬価と使い分け
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
レスリンは、1991年に発売された抗うつ剤です。発売からしばらく経っており、ジェネリックも発売されています。
レスリンの錠剤としては、25mg・50mgの2つの規格が発売されています。レスリンは抗うつ剤というよりも、睡眠薬として使われることが多いです。まずは25mgからはじめて、効果をみながら増減させていきます。ここでは、レスリン錠25mg・50mgの実際の使い方や薬価についてご紹介していきます。
レスリンの効果について詳しく知りたい方は、
レスリン錠の効果と特徴
をお読みください。
1.レスリン錠の使い方
レスリンは25mgから始めます。1日1回の服用をしていきます。効果をみて200mgまで使用することができます。現在は、睡眠薬代わりに使われることが多いです。
抗うつ剤は、不安や不眠に関しては効果がすぐに表れることもありますが、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。
抗うつ剤が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。およそ服用を始めて4~5日ぐらいで薬の体内での濃度が安定します。
レスリンを服用すると、3~4時間で血中濃度が最高値になります。そこから徐々に血中濃度が低下していき、9~11時間で血中濃度が半減します。抗うつ剤の中では早く身体から抜けていくお薬です。このため、1日中効果を期待するには1日に2~3回服用する必要があります。
このため、抗うつ剤として使う時は、1日2~3回に分けて25~50mgから使っていきます。薬の効果をみながら、25mgずつ増量していきます。最大で200mgまで増量することができます。
レスリンは抗うつ剤として使うと、眠気が強く出てしまって続けられないことが多いです。これを逆手にとって、レスリンは睡眠薬代わりに使われることが多いです。睡眠薬としてレスリンを使う時は、25mgから使っていきます。25mgずつ増量していきながら、効果をみていきます。睡眠薬として使う場合は、25~100mgで使っていきます。
2.レスリン錠とトラゾドン錠の違い(薬価)
ジェネリックのトラゾドン錠は、レスリン錠45%程度の薬価になっています。
ジェネリックになると安くなると言われていますね。レスリンでは45%程度に設定されています。それでは具体的に薬価を見ていきましょう。
<先発品>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
レスリン錠 | 25mg | 18.1円 |
レスリン錠 | 50mg | 31.7円 |
デジレル錠 | 25mg | 18.1円 |
デジレル錠 | 50mg | 31.7円 |
<ジェネリック(後発品)>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
トラゾドン錠 | 25mg | 8.1円 |
トラゾドン錠 | 50mg | 14.1円 |
最大容量である200mg処方されている方で、3割自己負担の方が1か月にかかるお薬の価格を比べてみましょう。先発品のレスリン錠では、1141円ほどになります。トラゾドン錠ですと、508円になります。金銭的な負担は軽くなりますね。
※2015年9月30日現在の薬価です。
3.レスリン錠とトラゾドン錠での違い(効果や副作用)
レスリン錠とトラゾドン錠では多少の違いがありますが、ほとんど変わりないと考えられます。
成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。とはいってもレスリンの後発品と認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。ジェネリックのトラゾドンを服用してからの血中濃度の変化が、レスリンと比べて誤差80~125%の間にあることが条件なのです。
抗うつ剤は、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。抗うつ剤が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。そして服用を始めて4~5日ぐらいで、薬の体内での濃度が安定します。
このように身体にたまっていくことで少しずつ効果が発揮される薬では、多少の違いは影響しません。有効成分が同じですから、副作用としてもおおまかな特徴はかわりません。とくに眠気が強く認められます。
4.抗うつ剤の薬価の比較
新しい抗うつ剤は全体的に高いですが、最近は安価なジェネリックも発売されてきています。
現在よく使われている抗うつ剤は、2000年ころから発売されました。まだ新しい薬なので、ジェネリックが発売されていないものが多いです。このため、どうしても薬価が高くなってしまいます。
まずは先発品の薬価を比較してみましょう。
うつ病での最大容量まで使ったときの、1か月の薬価を表にしてみました。基本的には3割の自己負担となりますが、継続的な通院治療が必要な方では、自己負担が1割となる制度があります。
詳しく知りたい方は、「自立支援医療の精神通院のポイント」をお読みください。
新しい抗うつ剤をしっかりと使うと、3割負担では3000円くらいにはなってしまいます。レスリンはこれらの抗うつ剤と比べると、比較的に安いお薬になります。
新しい抗うつ剤にも、ジェネリックが発売されてきているお薬もあります。新しい抗うつ剤で発売されているジェネリックの薬価をみてみましょう。
ジェネリックにすると薬価がかなり落ちますので、経済的な負担はだいぶ軽くなります。
まとめ
レスリンは25mgから始めます。1日1回の服用をしていきます。効果をみて200mgまで使用することができます。現在では、睡眠薬として使われることが多いです。
ジェネリックのトラゾドン錠は、レスリン錠45%程度の薬価になっています。
レスリン錠とトラゾドン錠では多少の違いがありますが、ほとんど変わりないと考えられます。
新しい抗うつ剤は全体的に高いですが、最近は安価なジェネリックも発売されてきています。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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