ソラナックス錠0.4mg・0.8mgの薬価と使い分け

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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ソラナックスは効果のわりに副作用の少ない抗不安薬で、使い勝手のよさからよく使われています。不安感や緊張感をしっかりと抑えてくれるお薬です。

ソラナックスの錠剤としては、0.4mgと0.8mgの規格が発売されています。ソラナックスは、頓服として使われるときと常用薬として使われるときがあります。ここでは、ソラナックス錠0.4mgと0.8mgの実際の使い方や薬価についてご紹介していきます。

ソラナックスの効果について詳しく知りたい方は、
ソラナックス錠の効果と強さ
をお読みください。

 

1.ソラナックス錠0.4mg・0.8mgの使い分け

ソラナックスは頓服で使う場合と常用する場合があります。頓服としては0.4~0.8mg、常用薬としては0.8~2.4mgで使っていきます。

ソラナックスを使っていく時は、できるだけ少なく使っていくように意識していきます。

ソラナックスを使う時のステップとしては3段階あります。

①ソラナックス頓服
②メイラックスなどの長時間型抗不安薬+ソラナックス頓服
③ソラナックス常用

 

できれば①のように、休肝日ならぬ「休薬日」が作れると理想的です。例えば、

  • 普段は何ともないけれども、何かきっかけがあるとつらい方
  • 仕事のある月~金はつらいけど、土日は大丈夫という方
  • 週末だけがつらい方

こんな場合は、つらい時だけに服用する「頓服」で何とかなるかもしれません。頓服ですと、薬に依存することもありません。

 

不安やつらい時が多く、1日中カバーする必要がある時は常用していきます。このような時には、まずは②のように長時間作用型の抗不安薬(メイラックスなど)を常用しながら、ソラナックスを頓服として使っていきます。長時間型の抗不安薬は即効性には欠けるものの、身体にお薬がたまっていって1日中効果を発揮します。長時間型のお薬は身体からゆっくりと抜けていくので、依存もしにくいです。

それでもコントロールできない時は、③のようにしっかりとソラナックスを常用します。ソラナックスは抗不安作用が強いわりには眠気やふらつきの副作用が少なく、常用されることも多いです。

 

頓服として使う時は、ソラナックスは0.4mgから使っていきます。0.4mgで効果が不十分でしたら、0.8mgに増量します。2.4mgまで使えるお薬ですが、頓服として使う量は1回0.8mgまでです。

0.8mg使う時は、0.4mg錠剤2つとすることも0.8mg錠剤1つとすることもあります。0.4mg錠剤にしておいた方が、不安の程度によって量をかえることができます。ジェネリックでは薬価に差が出てしまいますが、そこまで大きな違いではありません。

ソラナックスを常用する場合は、0.8mg~2.4mgで使っていきます。1日2回~3回で使っていくことが多く、一番しっかりと使う方では0.8mg錠を3回(2.4mgまで)服用できます。

 

2.ソラナックス錠とアルプラゾラム錠での違い(薬価)

ソラナックス錠からジェネリックのアルプラゾラム錠にすると、5~6割の薬価になります。

ジェネリックになると安くなると言われていますね。ソラナックスは発売が古く、もともと安いお薬です。ですから、先発品とジェネリックではほとんど薬価がかわりません。実際に薬価を比較してみましょう。

<先発品>

商品名 剤形 薬価
ソラナックス錠 0.4mg 9.2円
ソラナックス錠 0.8mg 15.5円
コンスタン錠 0.4mg  9.4円
コンスタン錠 0.8mg  15.5円

<ジェネリック(後発品)>

商品名 剤形 薬価
アルプラゾラム錠 0.4mg 5.6円
アルプラゾラム錠 0.8mg 8.2円

 

ソラナックス0.4mgでは、ジェネリックにすると6割ほどの薬価になります。ソラナックス0.8mgでは、ジェネリックにすると5割ほどの薬価になります。

0.4mg錠2つよりも、0.8mg錠1つの方が経済的です。

 

※2015年9月16日現在の薬価です。

 

3.ソラナックス錠とアルプラゾラム錠での違い(効果や副作用)

ソラナックスとアルプラゾラムには多少の血中濃度の変化に違いがあります。アルプラゾラム錠を作っている製薬会社によっても異なります。このため、同じ薬局でお薬をもらうようにしましょう。

成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。とはいってもソラナックスの後発品と認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。ジェネリックのアルプラゾラムを服用してからの血中濃度の変化が、ソラナックスと比べて誤差80~125%の間にあることが条件なのです。

だいたいは同じような効き方をするのですが、血中濃度がピークになるまでの時間(最高血中濃度到達時間)や血中濃度が半分になるまでの時間(半減期)に違いが出てきます。即効性のある抗不安薬の場合は、作用時間のスピードが重要です。作用時間がかわることで、効果や副作用に違いがでることがあります。

 

ソラナックスは最高血中濃度到達時間が2時間、半減期が14時間のお薬です。

有効成分はまったく同じなので、効果や副作用の特徴に大きな違いがあるわけではありません。ですが、まったく同じ薬かというとそういうわけではありません。血中濃度の変化に違いがあるので、それに応じて効果の発現・作用時間・副作用の強さなどが多少異なってきます。ソラナックスは実感のあるお薬なので、この違いを大きく感じる方もいらっしゃいます。

ジェネリックにもいろいろな商品があるので、製薬会社によって効き方は少しずつ異なります。薬局はすべてのジェネリックをおいてはいません。ですから、ジェネリックを使う場合は同じ薬局でお薬をもらうようにしましょう。

 

4.ソラナックスは漫然と使わないこと!

ソラナックスは段階的に量を増やしていき、落ち着いたら段階的に減量していく意識を持ちましょう。

ソラナックスは強力な効果がある反面、依存性が強い抗不安薬です。長期間にわたって使っていると、依存が形成されてしまうことが多いです。ですから、漫然とした使用は避けなければいけません。

ソラナックスを使う時は、できるだけ頓服で使うようにします。連用しなければ依存は形成されにくくなります。アルコールをイメージしていただくと分かりやすいと思いますが、休肝日をちゃんと作っていればアル中になったりしないですよね。これと同じです。

ソラナックスを使っていくステップは、

①ソラナックス頓服
②メイラックスなどの長時間型抗不安薬+ソラナックス頓服
③ソラナックス常用

でしたね。必要な量を使うようにしましょう。そして、状態が落ち着いてきたら少しずつ減らしていくことが必要です。最終的には、「ソラナックスはお守り」となってくれれば理想的ですね。

 

ソラナックスの依存について詳しく知りたい方は、
ソラナックスの依存性と8つの対策
をお読みください。

 

まとめ

ソラナックスは頓服で使う場合と常用する場合があります。頓服としては0.4~0.8mg、常用薬としては0.8~2.4mgで使っていきます。

ソラナックス錠からジェネリックのアルプラゾラム錠にすると、5~6割の薬価になります。

ソラナックスとアルプラゾラムには多少の血中濃度の変化に違いがあります。アルプラゾラム錠を作っている製薬会社によっても異なります。このため、同じ薬局でお薬をもらうようにしましょう。

ソラナックスは段階的に量を増やしていき、落ち着いたら段階的に減量していく意識を持ちましょう。

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