ロヒプノールの作用時間とは?
-
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
ロヒプノールは強力な睡眠薬なので、不眠症の切り札として使われています。ロヒプノールの半減期をみると、薬の作用時間や効き方を予想することができます。
ロヒプノールは最高血中濃度到達時間が1.5時間、実質的な半減期が7時間です。ロヒプノールの作用時間は6~8時間と、ちょうど睡眠時間をカバーしています。
ここでは、ロヒプノールの作用時間について詳しく見ていきたいと思います。
1.ロヒプノールの作用時間と効き方
ロヒプノールは実質的な半減期が7時間の睡眠薬です。作用時間は6~8時間で、入眠障害だけでなく中途覚醒にも効果が期待できます。
ロヒプノールを服用するとどのように血中濃度が変化するでしょうか?薬を発売するにあたって、製薬会社がテストを繰り返しています。それによると、ロヒプノールの最高血中濃度到達時間は1.5時間、半減期は24時間となっています。わかりやすく言うと、ロヒプノールを服用すると1.5時間で血中濃度がピークになります。そこからは少しずつ身体から抜けていき、24時間すると半分の量になります。
ですが、ロヒプノールは少し複雑な睡眠薬です。ロヒプノールの血中濃度の変化は2段階になっているので、実質的な半減期は7時間ほどとなっています。ロヒプノールを服用した時の血中濃度の変化をみてみましょう。
ロヒプノールは脂に溶けやすい薬です。ロヒプノールを服用すると、身体の脂肪に取り込まれて いきます。溶けきらなかった薬の成分は血中濃度のピークを作った後、半減期7時間で血中濃度が減少していきます。ロヒプノールの血中濃度が低下してくる と、じわじわと脂肪から薬が血中に戻っていきます。それが長く続くので、トータルでの半減期は24時間となるのです。
寝る前にロヒプノールを服用すると、15~20分くらいで効果がでてきて寝つきをスムーズにしてくれます。その後もロヒプノールの血中濃度は下がらず、睡眠時間をカバーするような形で効果が続きます。多くの方で、作用時間は6~8時間といったところでしょうか。作用時間がどれくらいになるかは人によって異なります。
睡眠薬が有効な濃度は人によって差があります。その濃度を満たしている時間が作用時間になります。ですからロヒプノールでも、4~5時間しか効かない人もいれば、8~9時間と効きすぎてしまう方もいるのです。
このように、半減期とは薬の濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、作用時間を考える目安になります。ロヒプノールは半減期が比較的長い「中間型」に分類されます。ですが、実質的には短時間型のように作用する睡眠薬です。作用も強力で、エバミールやリスミーやレンドルミンなど、他の睡眠薬で効果がない時の切り札として使われています。
ロヒプノールの効果について詳しく知りたい方は、
ロヒプノール錠の効果と強さ
をお読みください。
2.ロヒプノールの作用時間からわかる特徴
入眠障害だけでなく中途覚醒にも有効です。持ち越し効果や依存性に注意が必要です。
睡眠障害にもいろいろなタイプがあります。寝つきが悪い「入眠障害」、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、明け方に目が覚めてしまう「早朝覚醒」。睡眠障害のタイプに合わせて、睡眠薬の作用時間を変えていきます。超短時間型や短時間型は、薬の効果はすぐに出てきます。中間型や長時間型は、身体に薬が少しずつたまって効果が出てきます。中間型は4~5日かけて、長時間型は1週間以上かけて効果が安定します。どちらも寝つきやすい土台を作っていくようなお薬です。
ロヒプノールは実質的には短時間型です。もちろん寝付けなくて困っている方に効果があります。睡眠時間をカバーするように作用するので、中途覚醒にも有効です。薬の効果の立ち上がりも早く、ロヒプノールを服薬すると15~20分もすると眠気に襲われます。
副作用としては、翌日に眠気やだるさなどが出てしまうことがあります。人によっては、ロヒプノールが朝まで残って効きすぎてしまいます。翌朝にも睡眠薬の効果を持ち越してしまう「持ち越し効果」がみられるのです。また、ロヒプノールが少しずつ身体にたまって日中に作用してしまうこともあります。睡眠時間をちゃんと確保しても改善がない場合は、減薬や作用時間の短い睡眠薬への変更を検討します。
ロヒプノールの依存性も注意しなくてはいけません。作用時間はそこまで短くありませんが、ロヒプノールは強力な睡眠薬です。しっかりと眠れるようになる睡眠薬なので、「効いた」という実感も得やすいです。漫然と使用を続けていると、ロヒプノールが身体に慣れてしまいます。すると、中止しようとするときに離脱症状や反跳性不眠といったひどい不眠がみられることがあります。そのせいで薬をなかなかやめられなくなってしまいます。
3.睡眠薬での作用時間の比較
ロヒプノールは、中間型に分類されます。ただ、実質的には短時間型の睡眠薬で、作用時間は6~8時間です。
睡眠薬の作用時間の違いを比較してみましょう。
薬の効果を見る時は、最高血中濃度到達時間(ピーク時間)と半減期をみていきます。半減期とは、薬の濃度が半分になるまでにかかる時間のことです。
最高血中濃度到達時間が短いほど、効きが早いということですね。ほとんどの睡眠薬が1~3時間になっているかと思います。中間型や長時間作用型では長いものがありますね。これらのお薬では即効性はあまり期待できません。
半減期をみると作用時間が予想できます。超短時間型や短時間型では、即効性を期待して使われます。入眠障害だけで困っているならば超短時間型、中途覚醒で困っているならば短時間型がよいでしょう。ロヒプノールは実質的には短時間型です。
中間型や長時間型は、身体に薬が少しずつたまっていくことで寝付きやすい土台を作るようなお薬です。中間型は4~5日かけて、長時間型は1週間以上かけて効果が安定します。
まとめ
ロヒプノールは実質的な半減期が7時間の睡眠薬です。作用時間は6~8時間で、入眠障害だけでなく中途覚醒にも効果が期待できます。
入眠障害だけでなく中途覚醒にも有効です。持ち越し効果や依存性に注意が必要です。
ロヒプノールは、中間型に分類されます。ただ、実質的には短時間型の睡眠薬で、作用時間は6~8時間です。
投稿者プロフィール
-
2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
最新の投稿
- フリバス2020年7月30日フリバス錠・OD錠の副作用と安全性について
- フリバス2020年7月30日フリバス錠・OD錠の効果と特徴について
- 頭痛2017年4月9日痛み止めで逆に頭痛?薬物乱用頭痛について
- エビリファイ2017年4月8日アリピプラゾール錠の効果と副作用