マイスリーの作用時間とは?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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マイスリーは、寝つきを改善する睡眠薬としてよくつかわれています。マイスリーの半減期をみると、薬の作用時間や効き方を予想することができます。

マイスリーは半減期が2時間と非常に短い睡眠薬です。作用時間が短く、とても切れ味のよい睡眠薬です。

ここでは、マイスリーの作用時間について詳しく見ていきたいと思います。

 

1.マイスリーの作用時間と効き方

マイスリーは半減期が2時間の超短時間型睡眠薬です。寝つきに特化したお薬で、作用時間は2~3時間です。

マイスリーを服用するとどのように血中濃度が変化するでしょうか?薬を発売するにあたって、製薬会社がテストを繰り返しています。それによると、マイスリーの最高血中濃度到達時間は0.8時間、半減期は2時間となっています。マイスリーの量を増減させると多少の違いはありますが、大きくはかわりません。

分かりやすく言うと、マイスリーを服用すると0.8時間で血中濃度がピークになります。そこからは少しずつ身体から抜けていき、2時間すると半分の量になります。

寝る前にマイスリーを服用すると、10~15分くらいですぐに効果がでてきて寝つきをスムーズにしてくれます。ですが寝ている間に薬の効果がきれてしまって、睡眠の後半になると薬の効果はなくなってしまいます。人によって効果の時間は異なりますが、2~3時間といったところでしょうか。

半減期とは薬の濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、このように作用時間を考える目安になります。マイスリーは半減期が非常に短い「超短時間型」に分類されます。

 

マイスリーの効果について知りたい方は、
マイスリー錠の効果と強さ
をお読みください。

 

2.マイスリーの作用時間からわかる特徴

寝つきが悪い方に効果的で、切れ味のよい睡眠薬です。健忘に注意が必要です。

睡眠薬のタイプ(作用時間)と特徴をまとめました。

睡眠障害にもいろいろなタイプがあります。寝つきが悪い「入眠障害」、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、明け方に目が覚めてしまう「早朝覚醒」。睡眠障害のタイプに合わせて、睡眠薬の作用時間を変えていきます。超短時間型や短時間型は、薬の効果はすぐに出てきます。中間型や長時間型は、身体に薬が少しずつたまって効果が出てきます。中間型は4~5日かけて、長時間型は1週間以上かけて効果が安定します。どちらも寝つきやすい土台を作っていくようなお薬です。

マイスリーは、超短時間型ですから寝つけなくて困っている方に効果があるお薬です。中途覚醒や早朝覚醒の方には効果が出にくいです。薬の効果の立ち上がりも早くて効きも早いお薬です。このため、10~15分もすると眠気に襲われてスッと寝つけるような切れ味のよい睡眠薬です。

 

副作用としては、健忘に注意が必要です。健忘は、睡眠薬が急激に作用する時に中途半端な覚醒状態になって起こります。マイスリーはスッと効いてスッと抜けていくお薬ですので、健忘の副作用は多いです。すぐにベッドに入れる状態になってから、マイスリーを服用するようにしましょう。

薬の作用時間は短いので、翌朝に眠気やだるさを持ち越すことはありません。何らかの副作用が出たとしても、数時間で薬が身体から抜けるので、すぐに落ち着きます。

 

3.睡眠薬での作用時間の比較

マイスリーは、すべての睡眠薬の中で半減期が一番短く、作用時間も短いです。

代表的ンな睡眠薬の作用時間(半減期)を比較しました。

睡眠薬の作用時間の違いを比較してみましょう。

薬の効果を見る時は、最高血中濃度到達時間(ピーク時間)と半減期をみていきます。半減期とは、薬の濃度が半分になるまでにかかる時間のことです。

最高血中濃度到達時間が短いほど、効きが早いということですね。ほとんどの睡眠薬が1~3時間になっているかと思います。中間型や長時間作用型では長いものがありますね。これらのお薬では即効性はあまり期待できません。

半減期をみると作用時間が予想できます。マイスリーをはじめとした超短時間型や短時間型では、即効性を期待して使われます。入眠障害だけで困っているならばマイスリーなどの超短時間型、中途覚醒で困っているならば半減期の長い短時間型がよいでしょう。

中間型や長時間型は、身体に薬が少しずつたまっていくことで寝付きやすい土台を作るようなお薬です。中間型は4~5日かけて、長時間型は1週間以上かけて効果が安定します。

 

4.非ベンゾジアゼピン系睡眠薬での比較

最高用量で比較した時の効果の強さは、アモバン>マイスリー≧ルネスタという印象です。作用時間の長い順にみると、ルネスタ>アモバン>マイスリーになります。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の半減期と最高血中濃度到達時間について表にまとめました。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、日本では3種類が発売されています。海外ではもう1種類、ソナタ(ザレプロン)というお薬が発売されています。ここでは、日本で発売されている3種類の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬について比較してみましょう。睡眠薬の強さと作用時間の点で比較してみましょう。

 

まず、睡眠薬の強さに関してみてみましょう。この3剤の中で、アモバンとルネスタは親戚です。アモバンは2つの左右対称な成分(光学異性体)でできています。その成分のうち、睡眠効果の強い半分だけを取り出したのがルネスタなのです。最高用量のアモバン10mgとルネスタ3mgとで比較すると、アモバンの方が効果がある印象をうけます。マイスリーは最高用量の10mgでは、この間にくるでしょうか?作用の特徴としては、マイスリーではω1に対する選択性は高いです。ですから、マイスリーの方がより純粋に睡眠効果だけを期待するお薬といえます。

 

次に、作用時間に関してみてみましょう。半減期とは、薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことです。半減期が短いお薬は、身体からすぐに薬が抜けていってしまうということを意味します。この半減期をみると、睡眠薬の作用時間を予想することができます。この3剤で比較すると、ルネスタ>アモバン>マイスリーの順になります。

非ベンゾジアゼピン系の3剤は、基本的には入眠障害に使うお薬です。ルネスタやアモバンでは、中途覚醒などにも多少の効果が期待できます。

 

まとめ

マイスリーは半減期が2時間の超短時間型睡眠薬です。作用時間は2~3時間です。

寝つきが悪い方に効果的で、切れ味のよい睡眠薬です。健忘に注意が必要です。

マイスリーは、すべての睡眠薬の中で半減期が一番短く、作用時間も短いです。

同じ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬で比較すると、作用時間の長い順にみると、ルネスタ>アモバン>マイスリーになります。 

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