ルネスタ錠3mgの薬価と実際の使い方

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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ルネスタは安全性が高いので、よく処方されている睡眠薬のひとつです。入眠障害で悩んでいる方には、しっかりとした効果も期待できます。中途覚醒にも効果が期待できます。

ルネスタの錠剤としては1mgと2mgと3mgの3種類が発売されています。まずは1mg~2mgからはじめて、効果をみながら増減させていきます。ここでは、ルネスタ錠3mgの実際の使い方や薬価についてご紹介していきます。

ルネスタの効果について詳しく知りたい方は、
ルネスタ錠の効果と強さ
をお読みください。

 

1.ルネスタ錠3mgはどうやって使うのか?

ルネスタは1~2mgから始めます。効果をみて3mg(高齢者は2mg)まで使用することができます。

ルネスタの特徴は安全性の高さです。スッと効いて眠りにつかせてくれて、作用時間が短いので薬が身体に残りにくいです。従来の睡眠薬を改良して睡眠だけに働くようにしていますので、ふらつきなども少ないお薬です。ルネスタにはこのような特徴があるので、寝つきが悪くて悩んでいる方にはとても良いお薬です。途中で目が覚めてしまう方にも一定の効果は期待できます。

添付文章では、ルネスタ2mgから使うことが勧められています。高齢者では1mgから使うことに決められています。実際の現場では、若い方でも治療を急がなくてもよいならば1mgから開始します。いきなり3mgから使うことはめったにありません。すでに同じタイプの睡眠薬であるアモバンやマイスリーを使っていて、最高用量でも効果が不十分な時くらいでしょうか。

ルネスタは即効性があるお薬なので、使ってみて効くかどうかの判断はすぐにできます。もしも不眠が十分に改善できなければ、3mgまで増量できます。それ以上は増量しても効果は少ないので使うことができません。睡眠薬が効かないからといってたくさん飲んでも、効果には限界があります。ちなみに高齢者では、安全性を優先させて2mgまでとされています。

ルネスタ3mgでも効果がないときは、薬の変更や作用の異なる睡眠薬の併用を考えていきます。

 

2.ルネスタ錠3mgの薬価

ルネスタ錠は先発品のみとなります。自己負担3割の方がルネスタ錠3mgを毎日使うと、924円となります。

ルネスタではジェネリックが発売されていないので、すべて先発品の価格になります。先発品はどうしても薬価が高くなってしまいます。自己負担3割の方が2mg錠を毎日使っていると、924円の負担となります。けっこうな金額になります。

<先発品>

商品名 剤形 薬価
ルネスタ錠 1mg 51.0円
ルネスタ錠 2mg 80.9円
ルネスタ錠 3mg 102.7円

 

ルネスタ3mgを使うのでしたら、1mg錠1つと2mg錠1つを組み合わせるよりも、3mg錠1つの方が経済的ですね。

※2015年8月9日現在の薬価です。

 

3.ルネスタ錠1mg・2mg・3mgの使い分け

ルネスタは先発品しかないので、剤形によって金額の差が大きいです。大きな剤形を使うと調節しづらくなるというデメリットがあります。

ルネスタ錠2mgで効果がないときは、3mgに増量します。もちろん、2mg錠1つ+1mg錠1つと3mg錠1つは同じ効果が期待できます。3mg錠1つにした方が経済的ですね。ルネスタは先発品しか発売されていないので、その差額はジェネリックよりは大きくなります。

自己負担が3割の方が1か月服薬した場合で考えてみましょう。ルネスタ錠3mg1つとルネスタ錠1mg3つの金額の差は453円になります。ルネスタ錠3mg1つとルネスタ錠2mg1つ+ルネスタ錠1mg1つの金額の差は263円です。

さすがに1mg錠3つにはしませんが、2mg錠1つと1mg錠1つという形にあえてすることもあります。1mg単位で薬の調整ができるようにすると便利だからです。しばらく薬の調整ができない方や、2錠飲むのがめんどくさいという方、薬の数が増えることが不安という方では、大きな規格の錠剤を使うようにしています。

 

4.ルネスタは漫然と使わないこと!

ルネスタは段階的に量を増やしていき、落ち着いたら段階的に減量していく意識を持ちましょう。そのためにも生活習慣の意識が大切です。

ルネスタは安全性が高く、依存性も少ない睡眠薬です。そうはいっても長期間にわたって使っていると、依存が形成されてしまうこともあります。ですから、漫然とした使用は避けなければいけません。

ルネスタを使う時は、睡眠に良い生活習慣も必ず意識して取り入れるようにしましょう。その上で、できるだけ頓服でルネスタを使うようにします。連用しなければ依存は形成されにくくなります。アルコールをイメージしていただくと分かりやすいと思いますが、休肝日をちゃんと作っていればアル中になったりしないですよね。これと同じです。

ルネスタを使っていくステップは、

①ベッドに入って眠れない時だけ頓服で使う
②ルネスタ1mgは常用して、眠れない時だけ1mg錠を追加
③ルネスタ2mgを常用して、眠れない時だけ1mg錠を追加
④ルネスタ3mgを常用

です。心身の状態によって、早く睡眠の改善をした方がよいときは②~③から始めていきます。

 

また、心身の状態が落ち着いてきたら、少しずつ睡眠薬を減薬していく意識を持つことが大切です。そのためにも、生活習慣の意識などをしておくことも大切なのです。

 

睡眠に良い生活習慣について詳しく知りたい方は、
不眠を解消する9つの方法
をお読みください。

 

まとめ

ルネスタは1~2mgから始めます。効果をみて3mg(高齢者は2mg)まで使用することができます。

ルネスタ錠は先発品のみとなります。自己負担3割の方がルネスタ錠3mgを毎日使うと、924円となります。

ルネスタは先発品しかないので、剤形によって金額の差が大きいです。大きな剤形を使うと調節しづらくなるというデメリットがあります。

段階的に量を増やしていき、落ち着いたら段階的に減量していく意識を持ちましょう。そのためにも生活習慣の意識が大切です。

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