ジェイゾロフト錠25mg・50mg・100mgの薬価と使い分け
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
ジェイゾロフトは、効果と副作用のバランスがよい抗うつ剤として定評があります。2006年に発売されて10年近くが経っており、ジェネリックの発売も控えています。OD錠(口腔内崩壊錠)も発売されて治療の選択肢が広がって、今後もながく使われていく抗うつ剤でしょう。
ジェイゾロフトの錠剤としては、25mg・50mg・100mgの3つの規格が発売されています。まずは25mgからはじめて、効果をみながら増減させていきます。ここでは、ジェイゾロフト錠25mg・50mg・100mgの実際の使い方や薬価についてご紹介していきます。
ジェイゾロフトの効果について詳しく知りたい方は、
ジェイゾロフト錠の効果と特徴
をお読みください。
1.ジェイゾロフト錠の使い方
ジェイゾロフトは25mgから始めます。1日1回の服用が可能です。効果をみて100mgまで使用することができます。
抗うつ剤は、不安や不眠に関しては効果がすぐに表れることもありますが、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。
抗うつ剤が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。およそ服用を始めて4~5日ぐらいで薬の体内での濃度が安定します。
ジェイゾロフトを服用すると、6.7時間で血中濃度が最高値になります。そこから徐々に血中濃度が低下していき、22~24時間で血中濃度が半減します。ジェイゾロフトは身体から抜けるのがゆっくりなお薬なので、1日1回の服用で効果が1日持続します。
夕方に1回服用とすることが多いですが、1日のどこで服用してもかまいません。薬の添付文章では、25mg錠を1日1錠から始めていくことになっています。副作用が心配な方は半錠(12.5mg)から始めていきます。薬の効果をみながら、25mgずつ増量していきます。ジェイゾロフト錠は100mgまで使う事ができます。
ジェイゾロフトは1日1回の服用で問題がない薬ですが、副作用が目立つ場合は1日2回に分けると軽減します。薬を飲むことで落ちつく方では、あえて3回や4回と処方を細かく分けて服用回数を増やすこともあります。このような理由で、ジェイゾロフトは1日複数回処方されることもあります。
ジェイゾロフト100mgまで使っても効果がハッキリしない時は、
- さらに他の薬を追加
- 他の抗うつ剤への変更
を考えていきます。ジェイゾロフトの効果はあったけれどももう一歩・・・という時は他の薬を追加することが多いです。さっぱり効果がないときは、他の抗うつ剤へ変更していきます。
2.ジェイゾロフト錠とセルトラリン錠の違い(薬価)
ジェネリックのセルトラリン錠は、ジェイゾロフト錠のおよそ5割の薬価となっています。
ジェイゾロフトを最高用量の100mg使ったとすると、自己負担3割の方で月に2749円になります。けっこう大きな負担になりますね。ジェネリックになると安くなるといわれていますが、どれくらいになるかご存知でしょうか?
ジェネリックは、発売当初は6割の価格で設定されます。セルトラリン錠は10社以上から発売されたので、5割の薬価で発売されました。
セルトラリンは多くの製薬会社で発売されますので、今後も各製薬会社が競争して薬局への卸値が下がっていくと思われます。下がっていくにつれて、薬価はどんどんと下がっていきます。ジェイゾロフトも少しずつ安くなっていくことは間違いないかと思います。
<先発品>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
ジェイゾロフト錠 | 25mg | 101.3円 |
ジェイゾロフト錠 | 50mg | 175.9円 |
ジェイゾロフト錠 | 100mg | 305.4円 |
ジェイゾロフトOD錠 | 25mg | 101.3円 |
ジェイゾロフトOD錠 | 50mg | 175.9円 |
ジェイゾロフトOD錠 | 100mg | 305.4円 |
<ジェネリック(後発品)>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
セルトラリン錠 | 25mg | 50.7円 |
セルトラリン錠 | 50mg | 88.0円 |
ジェイゾロフトのジェネリックは25mgと50mgの2種類が発売となっています。
ジェイゾロフトには、OD錠も発売されています。口腔内崩壊錠といって水なしでも溶けてしまいます。OD錠ではジェネリックが発売されませんので、ご注意ください。
※2015年12月11日現在の薬価です。
3.ジェイゾロフト錠とセルトラリン錠での違い(効果や副作用)
ジェイゾロフト錠とセルトラリン錠では多少の違いがありますが、ほとんど変わりないと考えられます。
成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。とはいってもジェイゾロフトの後発品と認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。ジェネリックのセルトラリンを服用してからの血中濃度の変化が、ジェイゾロフトと比べて誤差80~125%の間にあることが条件なのです。
抗うつ剤は、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。抗うつ剤が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。そして服用を始めて4~5日ぐらいで、薬の体内での濃度が安定します。
このように身体にたまっていくことで少しずつ効果が発揮される薬では、多少の違いは影響しません。有効成分が同じですから、副作用としてもおおまかな特徴はかわりません。新しい抗うつ剤なので副作用は少ないですが、眠気・体重増加・嘔吐・下痢・不眠・性機能障害が認められます。特に性機能障害は、抗うつ剤の中でも多いです。
そうはいっても違いがありますので、ジェネリックにする時は同じ薬局でお薬をもらうようにしてください。初めから同じ後発品のセルトラリンを使えば、そのセルトラリンの効果をもとに薬を調整することができます。
4.ジェイゾロフト錠25mg・50mg・100mgの使い分け
剤形を大きくすると、調整しにくくなってしまうデメリットがあります。
ジェイゾロフトは25mg錠1つから始めていくことが多いです。効果をみながら少しずつ増量してきます。ジェイゾロフトは作用時間が長い抗うつ剤ですので、1日1回の服用で問題ありません。25mgずつ増量していきます。
私はデメリットがあったら減らせるように、25mg錠剤を使って増やしていくことが多いです。純粋に金額のことだけを考えたら大きな剤形の方がよいのですが、もしも増量した時に副作用が出てしまったら困ってしまいます。
ジェイゾロフト50mgにする時に、ジェイゾロフト50mg錠1つと25mg錠2つでの薬価を比較してみましょう。自己負担が3割の方が1か月服用したとすると240円の違いです。これくらいの金額の違いでしたら、少しずつ増量した方がメリットが大きいと考えています。
薬を増やしていきながら問題がない量が定まったら、50mg錠や100mg錠などの大きな剤形に変更します。大きな剤形の方が、当然割安です。心身の状態が落ち着いて薬の調整が済めば、少しでも自己負担が少なくなるように配慮します。
あえて薬を細かく分けて服用する時もあります。
- 副作用が目立つとき
- 薬を服用することで気持ちが落ち着くとき
副作用は血中濃度が高い時に認められやすいです。2~3ければ、血中濃度のピークが減りますので副作用も軽減します。
また、薬を服用することで気持ちが落ち着くときもあります。ジェイゾロフトは即効性がある薬ではないのですが、服用することで落ち着くこともあります。「薬を飲んだ」という事実が大きいのだと思います。このような場合は、あえて薬を細かく分けて処方します。
5.抗うつ剤の薬価の比較
新しい抗うつ剤は全体的に高いですが、最近は安価なジェネリックも発売されてきています。ジェイゾロフトでは、2015年12月11日にセルトラリン錠が発売となりました。
現在よく使われている抗うつ剤は、2000年ころから発売されました。まだ新しい薬なので、ジェネリックが発売されていないものが多いです。このため、どうしても薬価が高くなってしまいます。
まずは先発品の薬価を比較してみましょう。
うつ病での最大容量まで使ったときの、1か月の薬価を表にしてみました。基本的には3割の自己負担となりますが、継続的な通院治療が必要な方では、自己負担が1割となる制度があります。
詳しく知りたい方は、「自立支援医療の精神通院のポイント」をお読みください。
新しい抗うつ剤をしっかりと使うと、3割負担では3000円くらいはかかってしまいます。ジェイゾロフトでは3000円近くになってしまいますね。昔からある三環系抗うつ薬では安くなりますが、副作用が多くなってしまいます。三環系抗うつ薬の例としてトリプタノールをあげてみました。最大容量が300mgとなっていますが、ここまで使うことは少ないです。それでも1000円ほどで収まっています。
新しい抗うつ剤で発売されているジェネリックの薬価をみてみましょう。
ジェネリックにすると薬価がかなり落ちますので、経済的な負担はだいぶ軽くなります。セルトラリン錠は、5割の薬価での発売となりました。
まとめ
ジェイゾロフトは25mgから始めます。1日1回の服用でが可能です。効果をみて100mgまで使用することができます。
ジェネリックのセルトラリン錠は、ジェイゾロフト錠のおよそ5割の薬価となっています。
ジェイゾロフト錠とセルトラリン錠では多少の違いがありますが、ほとんど変わりないと考えられます。
剤形を大きくすると、調整しにくくなってしまうデメリットがあります。
新しい抗うつ剤は全体的に高いですが、最近は安価なジェネリックも発売されてきています。ジェイゾロフトでは、2015年12月11日にセルトラリン錠が発売となりました。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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