レルベアエリプタの正しい使い方とは?
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
レルベアは、ステロイドとβ2刺激薬の合剤になります。2014年グラクソスミスクライン社から発売されたお薬で、主に喘息に使われている吸入薬です。
2003年に発売されたアドエアが進化した合剤となり、一番の特徴としては1日2回吸入が必要だったアドエアが、レルベアによって1日1回の吸入で治療が可能になったことです。
その次の特徴として、レルベアはアドエアに比べると非常に吸入しやすいエリプタという吸入器になっています。
レルベアは、
- 蓋を開く
- お薬を吸う
- 蓋を閉める
この3ステップで治療ができるお薬になります。「アドエアの吸入方法がよくわからない」「めんどくさい」と断念してしまった人も、レルベアでは治療が継続できた人もいらっしゃいます。
ただしレルベアも吸入薬ですので、やはり注意するポイントがあります。ここではレルベアの使い方をはじめ、どんなところに注意すればよいか確認しましょう。
1.レルベアの効果と特徴は?
レルベアは、β刺激薬とステロイドの合剤です。主に中等症から重症の喘息に適応があります。
レルベアは、気管支を拡張する作用があるβ刺激薬の「ピランテロールトリフェニル酢酸塩」と、気道の炎症を抑えるステロイド薬である「フルチカゾンフランカルボン酸エステル」の合剤として、2014年グラクソスミスクライン社から発売された喘息に主に使う吸入薬です。
レルベアは、2003年に発売されたアドエアの改良版といわれています。アドエアとどこが変化したかというと1日2回の吸入が、レルベアによって1日1回の吸入で済むようになりました。
朝・夕2回吸うのは意外と忘れてしまうことがあります。レルベアはそんな人のために、1日1回の吸入で済ませることができる合剤では初のお薬です。
レルベアには、100・200の2種類があります。そしてレルベアのもう一つの特徴が、エリプタという吸入器になります。
レルベアの特徴について詳しく知りたい方は、「レルベアの効果と特徴」をお読みください。
2.レルベアの吸入器「エリプタ」とは?
レルベアの吸入器「エリプタ」は、アドエアの吸入器「ディスカス」をさらに改良したものになります。
レルベアの吸入器であるエリプタは、今までの吸入薬からさらに改良されたものになります。画像をまずみてみましょう。
次にアドエアディスカスの画像です。
一番の違いは、カウンターの大きさです。レルベアでは、真ん中に大きく吸入回数が表示されています。一方でアドエアは、端に小さく数字が示されているのが分かりますか?
「それだけ??」と思う人もいるかもしれませんが、これはかなり画期的なことです。というのも、0になってもアドエアは吸入し続ける人が多数いたためです。
一方でレルベアは、カウンターも大きい上に0になったら真っ赤に表示されます。そのため、間違える人がアドエアに比べると非常に少なくなりました。
吸入薬というのは、残数を確認するのが何よりも大切なことです。0の物をいくら頑張って吸っても全く効果ありません。ただしレルベアも、0になっても蓋はあけられます。油断しないように、吸う前にカウンターをチェックする癖は必ずつけましょう。
さらにレルベアの特徴は、マウスピースを開けたらお薬が勝手に充填されます。一方でアドエアは、マウスピースを押した後レバーを押して充填させる必要があります。
たったひと手間なのですが、そのひと手間を忘れてしまって吸い続ける方も、アドエアを吸入している人の中にはいらっしゃいました。
こうしたことを踏まえて開発されたのが、こちらのレルベアになります。
3.レルベアの吸入方法は?
レルベアの吸入方法は、レバーを開けて、吸って、閉めるという非常にシンプルなものになります。
レルベアの吸入方法をみていきましょう。
- レルベアのレバーを開けます。
- 無理をしない程度に十分に息を吐き出します。
- 吸入口をくわえ、深く息を吸い込みます
- 吸入口から口を離し、5秒間息を止めます
- 息をゆっくり吐き出します
- レバーを閉めます
- うがいをして残ったものを洗い流します。
この作業を1日1回すれば、レルベアの吸入は完了です。1日に朝・夕と複数回、場合によっては1度に2~3回と吸入しなければいけないお薬が多い中、レルベアでは1日1回しかも1度のみの吸入でコントロールできるため、使い方の簡単さによって患者さんの飲み忘れが劇的に減ったお薬です。
動画で確認したい方は、グラクソスミスクライン社が提携している動画を確認してみましょう。
4.レルベアの使い方で気を付けることは?
最も気を付けなければならないことは、しっかりした吸入速度でレルベアを吸うことです。
それぞれの手順で気を付けることをお伝えしていきます。
1.レルベアのレバーを開きます。
この時にカチッとなるまで開くことが大切です。中途半端な状態だと薬がセットされません。また、開いたときに残数があるかしっかり確認しましょう。レルベアは、残数がなくても開くことができるお薬です。
2.無理をしない程度に息を吐きだします。
喘息や肺気腫は、閉塞性肺障害と言われる病気です。これは気管支が狭くなり、息を思いっきり吐いたり吸ったりできない病気です。ですから息をしっかり吐いて、十分量の息が吸える状態にしておきましょう。吸う力が足りないと、レルベアが十分に気管支に入らない可能性があります。
せっかちな人は、マウスピースをくわえる前から息を吸い始めたりしています。焦って吸っても良いことは何もないので、必ず一息入れましょう。
3.吸入口をくわえ、深く息を吸い込みます。
ゆっくり深く吸って、肺の奥まで行き届かせたいと思う患者さんもいらっしゃるかもしれません。しかしレルベアは、気管支の端まで届かせなければいけないお薬です。ゆっくりだと吸入力が弱くて、中枢の気道までしかレルベアが届かない可能性があります。そのため早く吸うことを意識して、力強く肺の奥までレルベアをいきわたらせてください。
ただし、なんでも限度があります。思いっきり吸入しすぎて喘息発作が出たり、失神した例が副作用として報告されています。そうならないくらいの力加減で、レルベアを吸うようにしましょう。
またお年寄りの方は、マウスピースをくわえてから息を吐いてしまっている方が目につきます。必ず息を吐いてから、レルベアをくわえましょう。そしてくわえたら、息を吸う以外の動作はしないようにしましょう。
また通気孔を指や唇で塞いでしまうと、うまく吸入ができません。この部位を塞がないようにすることも大切になります。
4.吸入口から口を離し、5秒間息を止めます。
レルベアは、気管支の奥まで行き届かせることが大切です。吸った瞬間にすぐに息を吐いてしまうと、気道の末梢に届く前に息を吐きだしてしまってレルベアが吹き飛ばされてしまう可能性があります。必ず吸った後数秒間は、息を止めていましょう。
6.レルベアのカバーを閉じます。
衛生面を考慮し、必ずカバーを閉めるようにしてください。
7.レルベアを吸った後にうがいをします。
これは副作用対策です。レルベアが口の中に残ったままだと、声が枯れる嗄声や喉がイガイガすることがあります。さらに口の中にステロイドが残ったままだと、白苔などのカビがまれに生えてくることがあります。これらの副作用は、1回吸っただけだと起こらないことが多いです。日々の積み重ねでだんだんと出ていきます。
「レルベアを吸ってうがいしなくても大丈夫だったからいいや」なんていわずに、必ず毎回うがいするようにしましょう。「副作用が出てもう薬が吸いたくない」となってしまうと、喘息のコントロールに苦労することになります。
5.レルベアエリプタを吸入できるか心配な方は?
薬剤師さんに吸入指導をお願いしましょう。
レルベアを初めて処方された方は、内服と違って戸惑うことも多いでしょう。このサイトも一つの参考になればよいのですが、どうしても実際にみてみないと伝わらない部分もあるかと思います。
レルベアエリプタに限らず新しい吸入薬を処方された方は、遠慮せずに必ず薬剤師さんに吸入指導をしてもらいましょう。その場で自分の吸い方のどこが悪いかを指導してもらった方が、間違えないで済みます。
このページを読んでも原因がわからない人は、もう一度薬剤師さんに相談しに行きましょう。一番まずいのは、使い方が良くわからないといってレルベアの吸入を自己中断することです。
また、お年寄りの方ですと吸入力が弱すぎて、十分にレルベアが吸えていないことがあります。しっかりとレルベアを吸入できていると、わずかな甘みや粉っぽさを感じることができます。
それが感じられなくてうまくレルベアが吸えているか不安な人は、吸入操作練習用具(笛付)でホイッスル音の確認をします。ホイッスルというと息を吐いたときに音がなるイメージかもしれませんが、こちらは吸った時に音がなります。
音がしっかりならないとしたら、レルベアを吸入する力が弱い証拠です。その場合は、フルティホームやアドエアのエアゾールなどのスプレータイプのお薬に変更を検討します。
まとめ
レルベアエリプタの使い方をもう一度示します。毎日吸っていたが実はうまく吸えていなかったなんてことがないように今一度確認してみましょう。
- レルベアのレバーを開けます。
- 無理をしない程度に十分に息を吐き出します。
- 吸入口をくわえ、深く息を吸い込みます
- 吸入口から口を離し、5秒間息を止めます
- 息をゆっくり吐き出します
- レバーを閉めます
- うがいをして残ったものを洗い流します。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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