アレグラの先発品・ジェネリック・市販薬の比較
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
アレグラは、花粉症治療薬としてよく使われているお薬です。第二世代抗ヒスタミン薬に分類されていて、アレルギー症状を抑えてくれる働きがあります。
アレグラは、錠剤としては30mgと60mgの2つ剤形が発売されています。それ以外にも、小児用にドライシロップやアレグラOD錠も発売されています。
アレグラは発売から年月もたっているので、フェキソフェナジン錠というジェネリック医薬品が2013年より発売となっています。さらにアレグラは、市販薬としてアレグラFXも発売されています。
ここでは、アレグラの先発品・ジェネリック・市販薬との違いについて、薬価や効果・副作用を比較していきたいと思います。
アレグラの効果について詳しく知りたい方は、「アレグラ錠(フェキソフェナジン塩酸塩)の効果と特徴」をお読みください。
1.アレグラの用量・用法
成人の場合は、アレグラ60mgを1日2回内服します。
アレグラが最もよく使われるのは、花粉症の治療薬としてでしょう。正確にいうと、花粉に対するアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎です。
その他は蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎に伴うかゆみなどで使われることがあります。これらの皮膚の病気は、ヒスタミンが発生することでかゆみが認められます。これを抑える目的でアレグラが使われることがあります。
内服方法としては、
- 成人:アレグラ60mgを1日2回内服
- 7歳以上12歳未満の小児:アレグラ30mgを1日2回内服
- 2 歳以上7 歳未満の小児:アレグラ30mgを1日1回(ドライシロップ0.6 g)
- 6 ヵ月以上2 歳未満の小児:アレグラ15 mg を1日2 回(ドライシロップ0.3g)
2.アレグラの薬価比較(先発品・ジェネリック・市販薬)
薬価としては、ジェネリックでは先発品の4割ほどになっています。3か月治療したとして診察料も含めた費用を比較すると、先発品と市販薬では同じ、ジェネリックでは2000円ほど安価になります。
まずはアレグラの薬価をみていきましょう。
<先発品>
商品名 | 剤形 | 薬価 | 3割負担 |
アレグラ錠 | 30mg | 51.1円 | 15.3円 |
アレグラ錠 | 60mg | 64.9円 | 19.5円 |
アレグラOD錠 | 60mg | 64.9円 | 19.5円 |
アレグラドライシロップ | 5% | 122.1円/g | 36.6円/g |
<ジェネリック(後発品)>
商品名 | 剤形 | 薬価 | 3割負担 |
フェキソフェナジン錠 | 30mg | 14.1~26.7円 | 4.2~8.0円 |
フェキソフェナジン錠 | 60mg | 29.4~34.4円 | 8.8~10.3円 |
<OTC医薬品(市販薬)>
商品名 | 剤形 | 価格 | 1錠あたり |
アレグラFX | 60mg14錠 | 1314円 | 93.9円 |
アレグラFX | 60mg28錠 | 1886円 | 67.4円 |
成人の場合、アレグラは60mgを1日2錠服用します。これをもとに、28日間の自己負担額で比較してみましょう。
- 先発品:1090円
- ジェネリック:494円
- 市販薬:1886円
このように計算してみると、圧倒的にジェネリック医薬品の負担が少ないですね。しかしながら病院でお薬をもらうとなると、初診料や処方箋料などが必要になります。自己負担額は初診では1010円、再診では570円になります。花粉症の治療を3か月行ったとすると、診察料で2150円となります。これを踏まえて比較してみましょう。
- 先発品:1090×3+2150=5420円
- ジェネリック:494×3+2150=3632円
- 市販薬:1886×3=5658円
このようにして比較してみると、市販薬は先発品と同等になると思います。ジェネリックだと薬価が4~5割ほどになるので、全体的にみても2000円ほど安価になります。
※2016年4月時点での薬価です。
3.アレグラの効果と副作用の比較(先発品・ジェネリック・市販薬)
先発品・ジェネリック・市販薬の効果と副作用は、大きな違いはないと考えられます。
アレグラをジェネリックや市販薬にするか悩んでいる方は、効果や副作用が同じかどうかが気がかりだと思います。この点について考えていきたいと思います。
まずジェネリック医薬品ですが、有効成分は先発品とまったく同じものを使っています。ですから、効果や副作用の大まかな特徴は同じになります。先発品とジェネリック医薬品の違いは、薬を作るときの製造技術です。ジェネリック医薬品を作る時に求められるのは、薬の吸収・排泄と安定性の2つが先発品と同等であることです。
もちろん多少の誤差はありますが、実際に930のジェネリックと先発品を比較すると、最大血中濃度では4.61±3.41%の差しかなかったと報告されています。ほとんど同等といってよいかと思います。
アレグラは眠気などの副作用がとても少なく、そのかわりに効果もマイルドな抗ヒスタミン薬です。ジェネリックにすることでの差は、あまりないと思われます。
アレグラの市販薬は、正式に発売されているのはアレグラFXのみです。このお薬は、販売元は久光製薬です。嵐の大野さんのCMが盛んに流れていますので、アレグラFXは久光製薬の商品に見えるかと思います。実は製造元は、先発品と同じサノフィ株式会社になります。先発品と同成分・同効能と考えて問題ありません。
アレグラFXは第一類医薬品に指定されていて、市販薬の中では取り扱いが厳しい部類です。薬剤師が必ず説明しなければ販売ができないお薬となっています。
市販薬で気を付けていただきたいのは、海外のジェネリック医薬品を販売している通信販売業者です。海外のジェネリックは日本とは基準が異なることもあります。市販薬で購入するならば、アレグラFXにしてください。
4.アレグラの市販薬(アレグラFX)で大丈夫な方とは?
過去にアレグラを使っていても大丈夫だった方で、アレグラで症状をしっかりコントロールできている方は市販薬で大丈夫です。
ここまで、アレグラの先発品・ジェネリック・市販薬の比較をしてきました。
- 薬価はジェネリックを使うのが3か月で2000円安い
- 効果や副作用はほとんど変わらない
それでも、「ちょっと高くても病院に行く時間がないから市販薬がいい」という方もいらっしゃるかもしれません。医師としては病院にかかって治療を受けていただきたいのですが、市販薬でも大丈夫な方についてお伝えしていきたいと思います。
花粉症の治療で大切なことは、アレルギー症状をしっかりと抑えることです。アレルギー症状を中途半端に引き起こしてしまうと、少しずつアレルギーが酷くなってしまいます。ですから、症状をしっかりとコントロールをした方がよいのです。
アレグラが市販されているのは、眠気などの副作用が非常に少ないためです。安全性の高さから、アレグラは市販されているのです。そのかわり、効果に関しては抗ヒスタミン薬の中でもマイルドです。患者さんによっては、アレグラでは不十分という方がいらっしゃいます。
また、アレグラは副作用が少ないといっても、中には眠気などの副作用が認められる方もいらっしゃいます。はじめてアレグラを使う時は、医師と相談しながら身体に合うかどうかを確かめた方がよいです。
このことを踏まえると、アレグラの市販薬(アレグラFX)を使っても大丈夫な方とは、
- 過去にアレグラを使っていて大丈夫な方
- アレグラで症状をしっかりとコントロールできている方
になります。この2つがクリアできている方は、アレグラの市販薬で問題ないといえるでしょう。
5.アレグラの剤形比較(OD錠・ドライシロップ)
アレグラOD錠とドライシロップが発売されていますが、どちらも服用後しばらくしてからの苦味が難点です。
アレグラには、錠剤以外にも剤形があります。アレグラOD錠とアレグラドライシロップです。どちらも錠剤を飲みこむことが難しい方のために作られました。
アレグラOD錠とは、口の中で溶けるタイプの錠剤です。普通の錠剤と比べて、大きいです。アレグラOD錠ではバナナ味の味付けになっていますが、服用してしばらくすると苦味が出てきます。このため、あまり処方されることはありませんでした。
子供が飲みやすいようにと、2015年からドライシロップが発売されました。白い顆粒で、そのままなめるとストロベリーの味がします。残念ながら、こちらもしばらくすると苦味が出てくるので、水で飲みこんだ方がよいでしょう。それでもOD錠よりは、お子さんに飲ませやすいです。
まとめ
成人の場合はアレグラ60mgを、1日2回内服します。
薬価としては、ジェネリックでは先発品の4割ほどになっています。3か月治療したとして診察料も含めた費用を比較すると、先発品と市販薬では同じ、ジェネリックでは2000円ほど安価になります。
先発品・ジェネリック・市販薬の効果と副作用は、大きな違いはないと考えられます。
過去にアレグラを使っていても大丈夫だった方で、アレグラで症状をしっかりコントロールできている方は市販薬で大丈夫です。
アレグラOD錠とドライシロップが発売されていますが、どちらも服用後しばらくしてからの苦味が難点です。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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