サインバルタカプセル20mg・30mgの薬価と使い分け

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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サインバルタは、2010年に発売された新しい抗うつ剤のSNRIです。発売されてそこまで時間がたっていないので、未だジェネリックが発売されていません。数年後の発売となるでしょう。

サインバルタのカプセルとしては、20mg・30mgの2つの規格が発売されています。まずは20mgからはじめて、効果をみながら増減させていきます。ここでは、サインバルタカプセル20mg・30mgの実際の使い方や薬価についてご紹介していきます。

サインバルタの効果について詳しく知りたい方は、
サインバルタカプセルの効果と特徴
をお読みください。

 

1.サインバルタカプセルの使い方

サインバルタは20mgから始めます。1日1回の服用をしていきます。効果をみて60mgまで使用することができます。

抗うつ剤は、不安や不眠に関しては効果がすぐに表れることもありますが、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。

抗うつ剤が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。およそ服用を始めて4~5日ぐらいで薬の体内での濃度が安定します。

サインバルタを服用すると、7~8時間で血中濃度が最高値になります。そこから徐々に血中濃度が低下していき、10.6時間で血中濃度が半減します。このため、サインバルタは1日1回服用すると、効果が1日中持続する抗うつ剤です。

 

薬の添付文章では、20mgカプセルを1日1回から始めていくことになっています。カプセルですので、これ以上少ない量から始めていくことは困難です。薬の効果をみながら、20mgずつ増量していくことが多いです。サインバルタカプセルは60mgまで使うことができるお薬です。

サインバルタを60mgまで使っても効果がハッキリしない時は、

  1. 他の薬を追加
  2. 他の抗うつ剤への変更

を考えていきます。サインバルタの効果はあったけれどももう一歩・・・という時は①の方法をとることが多いです。サインバルタとは、NaSSAのリフレックス/レメロンが相性がよいといわれています。さっぱり効果がないときは、他の抗うつ剤へ変更していきます。

 

2.サインバルタカプセルの薬価

サインバルタでは、自己負担3割の方が最高用量の60mgを使うと、1か月4235円のお薬代になります。ジェネリックはまだ発売されていません。

ジェネリックになると安くなると言われていますね。しかしながらサインバルタは、2010年に発売されたお薬です。このため特許がしばらく残っています。ジェネリックが発売されるまでには、まだ時間がかかると思われます。

サインバルタの薬価を見ていきましょう。

<先発品>

商品名 剤形 薬価
サインバルタカプセル 20mg 173.5円
サインバルタカプセル 30mg 235.3円

 

最大容量である60mg処方されている方で、3割自己負担の方が1か月にかかるお薬の価格を考えてみま層。サインバルタカプセルでは、4235円になります。

※2015年9月30日現在の薬価です。

 

3.サインバルタカプセル20mg・30mgの使い分け

サインバルタはカプセルなので、細かな用量調整ができません。

サインバルタは20mgカプセルを1つから始めていきます。効果をみながら少しずつ増量してきます。作用時間が1日持続する抗うつ剤ですので、1日1回の服用で問題ありません。20mgずつ増量していくことが多いです。

すると、20mg→40mg→60mgというように3段階で増量していきます。副作用が強く出てきてしまったら、30mg錠剤を上手く使って10mg単位で調整していきます。

 

あえて薬を細かく分けて服用する時もあります。

  1. 副作用が目立つとき
  2. 薬を服用することで気持ちが落ち着くとき

副作用は血中濃度が高い時に認められやすいです。2回に分ければ、血中濃度のピークが減りますので副作用も軽減します。

また、薬を服用することで気持ちが落ち着くときもあります。サインバルタは即効性がある薬ではないのですが、服用することで落ち着くこともあります。「薬を飲んだ」という事実が大きいのだと思います。このような場合は、あえて薬を細かく分けて処方します。

 

4.抗うつ剤の薬価の比較

新しい抗うつ剤は全体的に高いですが、最近は安価なジェネリックも発売されてきています。

現在よく使われている抗うつ剤は、2000年ころから発売されました。まだ新しい薬なので、ジェネリックが発売されていないものが多いです。このため、どうしても薬価が高くなってしまいます。

まずは先発品の薬価を比較してみましょう。

抗うつ剤の薬価を比較しました。

うつ病での最大容量まで使ったときの、1か月の薬価を表にしてみました。基本的には3割の自己負担となりますが、継続的な通院治療が必要な方では、自己負担が1割となる制度があります。

詳しく知りたい方は、「自立支援医療の精神通院のポイント」をお読みください。

新しい抗うつ剤をしっかりと使うと、3割負担では3000円くらいはかかってしまいます。サインバルタは、4235円になってしまいますね。昔からある三環系抗うつ薬では安くなりますが、副作用が多くなってしまいます。三環系抗うつ薬の例としてトリプタノールをあげてみました。最大容量が300mgとなっていますが、ここまで使うことは少ないです。それでも1000円ほどで収まっています。

 

新しい抗うつ剤にも、ジェネリックが発売されてきているお薬もあります。新しい抗うつ剤で発売されているジェネリックの薬価をみてみましょう。

抗うつ剤のジェネリックの薬価比較

ジェネリックにすると薬価がかなり落ちますので、経済的な負担はだいぶ軽くなります。サインバルタでも早く、ジェネリックが発売されてほしいですね。

 

まとめ

サインバルタは20mgから始めます。1日1回の服用をしていきます。効果をみて60mgまで使用することができます。

サインバルタでは、自己負担3割の方が最高用量の60mgを使うと、1か月4235円のお薬代になります。ジェネリックはまだ発売されていません。

サインバルタはカプセルなので、細かな用量調整ができません。

新しい抗うつ剤は全体的に高いですが、最近は安価なジェネリックも発売されてきています。

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