セディール錠5mg・10mg・20mgの薬価と実際の使い方
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
セディールは、アザピロン系抗不安薬に分類されます。日本で発売されている抗不安薬は、セディールを除くとベンゾジアゼピン系に分類されます。ベンゾジアゼピン系は即効性がありますが、セディールは使い続けていくことで効果が出てくる抗不安薬です。
このため、他の抗不安薬とは使い方が異なります。セディールの錠剤としては、5mg・10mg・20mgの3規格が発売されています。ここでは、セディール錠5mg・10mg・20mgの実際の使い方や薬価についてご紹介していきます。
セディールの効果について詳しく知りたい方は、
セディール錠の効果と強さ
をお読みください。
1.セディール錠5mg・10mg・20mgの使い方
セディールは常用して使っていくことがほとんどです。1日3回に分けて、15~60mg使っていきます。
セディール錠は非常に作用の穏やかなお薬です。このため、副作用や依存性の心配もほとんどありません。その一方で、効果も優しいので実感の少ないお薬です。このため、物足りなく感じてしまう方も多いです。
セディールはベンゾジアゼピン系抗不安薬とは異なり、即効性が期待できません。効果がでてくるまでには2~4週間ほどの時間がかかります。
また、作用時間が非常に短いお薬です。半分になるまでにかかる時間が1.4時間ほどと、非常に短いです。このため、1日に1回の服用では効果は持続しません。
このためセディール錠を使う時は、1日3回に分けて1回5mg~20mgずつ、合計15~60mg使っていきます。効果が穏やかなので、60mgまで使うことが多いです。60mgをしばらく使っても効果がない時は、漫然と使うことはせずに他の薬に変えていきます。
セディールは安全性が高いお薬ということもあって、患者さんに効果がハッキリしなくてもダラダラと使い続けられていることがあります。少しでも楽になるのでしたらよいのですが、効果がハッキリしなければ中止した方がよいです。
2.セディール錠とタンドスピロン錠での違い(薬価)
セディール錠からジェネリックのタンドスピロン錠にすると、6割ほどになります。
ジェネリックになると安くなると言われていますね。セディールにもジェネリックがたくさん発売されています。実際に薬価をみていきましょう。
<先発品>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
セディール錠 | 5mg | 18円 |
セディール錠 | 10mg | 31.2円 |
セディール錠 | 20mg | 53.9円 |
<ジェネリック(後発品)>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
タンドスピロン錠 | 5mg | 11.2円 |
タンドスピロン錠 | 10mg | 18.9円 |
タンドスピロン錠 | 20mg | 35.3円 |
セディール錠からジェネリックのタンドスピロン錠にすると、およそ6割の薬価になります。抗不安薬の中でもセディール錠は、薬価が高いお薬です。セディール錠20mgを3つ、最高用量60mgで使った時に、自己負担3割の方ですと1か月1455円になります。ジェネリックのタンドスピロン錠にすれば、953円になります。
※2015年9月25日現在の薬価です。
3.セディール錠とタンドスピロン錠での違い(効果や副作用)
セディール錠とタンドスピロン錠には多少の血中濃度の変化に違いがあります。ジェネリックを作っている製薬会社によっても異なります。このため、同じ薬局でお薬をもらうようにしましょう。
成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。とはいってもセディールの後発品と認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。ジェネリックのタンドスピロン錠を服用してからの血中濃度の変化が、セディールと比べて誤差80~125%の間にあることが条件なのです。
だいたいは同じような効き方をするのですが、血中濃度がピークになるまでの時間(最高血中濃度到達時間)や血中濃度が半分になるまでの時間(半減期)に違いが出てきます。セディールでは即効性は期待できません。服用を続けていくうちに効果が出てくるので、ジェネリックにしたことでの影響は少ないでしょう。副作用に関しても、そもそもが少ないお薬なので影響が少ないです。
そうはいっても、血中濃度の変化に違いがあるので、それに応じて効果の発現・作用時間・副作用の強さなどが多少異なってきます。ジェネリックにもいろいろな商品があるので、製薬会社によって効き方は少しずつ異なります。置いてあるジェネリック医薬品は、薬局ごとに異なっています。ですから、ジェネリックを使う場合は同じ薬局でお薬をもらうようにしましょう。
まとめ
セディールは常用して使っていくことがほとんどです。1日3回に分けて、15~60mg使っていきます。
セディール錠からジェネリックのタンドスピロン錠にすると、6割ほどになります。
セディール錠とタンドスピロン錠には多少の血中濃度の変化に違いがあります。ジェネリックを作っている製薬会社によっても異なります。このため、同じ薬局でお薬をもらうようにしましょう。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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