ドグマチールとジェネリックの違いとは?
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
ドグマチールは発売されてから年月がたっていますので、ジェネリックが発売されています。スルピリド・マーゲノールなどの名前で発売されています。
それでは、ドグマチールとジェネリック(スルピリド)にはどのような違いがあるのでしょうか?詳しくお伝えしていきたいと思います。
1.スルピリドとは?
ドグマチールのジェネリックで、ベタマックやマーゲノールなどの商品名でも発売されています。
スルピリドとは、ドグマチールの成分の名前です。有効成分であるスルピリドはサノフィ株式会社で開発され、日本ではアステラス製薬株式会社・大日本住友製薬株式会社・バイエル薬品株式会社が共同で開発しました。
アステラス製薬株式会社の商品が「ドグマチール」で、これが一番有名になりました。大日本住友製薬からは「アビリット」、バイエルからは「ミラドール」という商品が同時に発売されています。
開発には莫大なお金がかかりますので、その権利を保障するために10年ほどは特許で守られます。この特許がきれると、ジェネリックが発売できるようになります。
ですから、はじめのうちは一般の方がスルピリドという成分名を目にする機会は少なかったと思います。ですが、ジェネリックが発売されるようになると広まっていきました。
スルピリドは先発品と比べると非常に安価で、錠剤やカプセル錠で4割ほど、粉薬で3割弱となっています。スルピリドだけでも5種類ほど発売されていて、その他にマーゲノールやベタマックやクールスパンなどのジェネリックが発売されています。
2.ドグマチールとジェネリックの薬価の違い
ジェネリックは、ドグマチールと比べて3~4割となっています。ジェネリックでは、50mg・100mg・200mg錠剤で薬価が変わりません。
ジェネリックになると安くなると言われていますね。だいたい6割になることが多いのですが、ドグマチールの場合はさらに安価となっています。処方されることが多いので価格競争がおこったために安価となりました。
<先発品>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
ドグマチール錠 | 50mg/100mg/200mg | 15.9/19.0/26.8円 |
アビリット錠 | 50mg/100mg/200mg | 11.5/19.0/25.7円 |
ミラドール錠 | 50mg/100mg/200mg | 10.4/15.8/22.0円 |
ドグマチール細粒 | 10%/50% | 25.3/71.3円/g |
アビリット細粒 | 10%/50% | 21.1/62.6円/g |
ミラドール細粒 | 10%/50% | 19.3/58.6円/g |
<ジェネリック(後発品)>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
スルピリド錠 | 50mg/100mg/200mg | 6.3/6.3/6.3円 |
ベタマック錠 | 50mg/100mg/200mg | 6.3/6.3/7.9円 |
マーゲノール錠 | 50mg | 6.3円 |
スルピリド細粒 | 10%/50% | 6.2/17.8円/g |
スルピリドの薬価は、50mg錠剤でおよそ3~4割程度と安価になっています。100mgや200mgと大きな錠剤にしても薬価が変わりません。大きな規格ですとさらにお得になりますね。ドグマチールは50mg錠剤を使うことが多いので、おおむね3~4割ほどの薬価になるとイメージください。
※2015年7月31日現在の薬価です。
3.ドグマチールとジェネリックの効果の違い
理論的には効果の違いは大きくありません。ですが、気持ちの問題で効果に違いを感じる方がいらっしゃいます。その場合は、主治医と相談して先発品に戻してもらいましょう。
スルピリドの効果について知りたい方は、
スルピリドの効果と特徴
をお読みください。
成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。このように製薬会社によって違いはありますが、ドグマチールのジェネリックと認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。
ジェネリックのスルピリドを服用してからの血中濃度の変化が、ドグマチールと比べて誤差80~125%の間にあることが条件なのです。
こういわれると最大で45%も違うのかと驚かれるかもしれませんが、そういうことではありません。薬の吸収や代謝の個人差を考えれば、この間に入っていれ ば統計的に同じとみなせるのです。
実際に930ものジェネリックと先発品を比較すると、最大血中濃度では4.61±3.41%の差しかなかったと報告されています。
抗うつ剤は、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。抗うつ剤が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。そして服用を始めて4~5日ぐらいで、薬の体内での濃度が安定します。
スルピリドやベタマックでも、血中濃度がピークになる時間や身体から薬が抜けていくスピードなど、少しずつ違いがあります。ですがスルピリドを抗うつ剤として使う時は、服用を続けて血中濃度が安定することで効果が出てくる薬です。
このように、身体にたまっていくことで効果が発揮される薬では、多少の薬の違いは効果に影響しません。例えば睡眠薬など、即効性を期待する薬でしたら、薬の効き方の違いは大きく出てきます。
ですから、初めから同じジェネリックのスルピリドやベタマックを使えば、ドグマチールと同様の効果が期待できると考えています。そのためにも、同じ薬局でお薬をもらうように心がけましょう。
なかにはジェネリックにかえたことで調子が悪くなった方もいらっしゃいます。多くの方が、「気持ちの問題」です。薬を変えてしまったということを不安に思ってしまったり、ジェネリックだから効果が弱いという思い込みなどが原因です。
ですが、この気持ちの問題はとても大切です。ジェネリックにしてから調子がよくないと思ったら、主治医に相談して先発品のドグマチールにかえてもらいましょう。
4.ドグマチールとジェネリックの副作用の違い
副作用の出やすさに多少の違いはあると考えられますが、有効成分も同じなのでほとんど差がありません。
スルピリドの副作用について知りたい方は、
スルピリドの副作用(対策と比較)
をお読みください。
ジェネリックのスルピリドは、ドグマチールと有効成分は全く同じです。ですが、薬の効き方が多少異なってしまいます。この影響は、薬の効果よりも副作用に違いが出てきます。
有効成分が同じですから、副作用のおおまかな特徴はかわりません。
一般的に副作用は、血中濃度がピークになる時に最も出やすくなります。ジェネリックのスルピリドは、作っている製薬会社によって血中濃度の変化が異なりますので、副作用の出やすさには差があります。
必ずしも先発品のドグマチールよりも副作用が増えるというわけではありません。先発品よりも緩やかに血中濃度が増加して緩やかに身体から抜けていくジェネリックでしたら、理論的には副作用が軽減されます。
実際にジェネリックを使っていて、「副作用が増えたから先発品に戻してほしい」ということはありません。
まとめ
スルピリド・ベタマックはドグマチールのジェネリックです。
ジェネリックは、ドグマチールの薬価の3~4割となっています。大きな規格でも薬価がかわりません。
理論的には効果の違いは大きくありません。ですが、気持ちの問題で効果に違いを感じる方がいらっしゃいます。その場合は、主治医と相談して先発品に戻してもらいましょう。
副作用の出やすさに多少の違いはあると考えられますが、有効成分も同じなのでほとんど差がありません。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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