なんで食べるんだろう?食事と栄養と健康のお話
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
普段食べている食事ですが、なぜ食べるか考えたことはありますか。
「お腹がすいたから」
「美味しいから」
「食べないとイライラするから」
「お母さんに、食べないと大きくなれないよ!って言われたから」
などいろいろな意見がありそうです。
根本的に、食べるのは、「生きていくのに必要だから」です。あらゆる生命には、体を維持するための栄養が必要です。栄養とは「生存していくために必要な物質を体外から取り入れ、代謝・吸収することで、生命を維持し成長していくこと」です。
最近では様々な「健康に良い食事法」などが取り上げられています。それらを正しく判断するためにも、栄養を体に取り入れる仕組み(栄養学)について、理解していきましょう。
1 栄養についての学問、栄養学の歴史
日々の生活には食事を欠かすことができません。食事は栄養をとるためのもの、とすれば、栄養についても研究が勧められています。それが栄養学です。まずは栄養学の歴史と今をみていきましょう。
1-1.栄養学の始まり
人間は、「健康に生きたい」「死にたくない」と、はるか昔から願ってきました。そして古くから、健康と食事とが関係していることは経験的に知られていました。
紀元前460年ごろには、ギリシャのヒポクラテスは四体液説を主張しました。食事によって、体の自然治癒力を高めることができると考えました。
また、中国でも紀元前から、薬食同源思想がありました。これをもとに、食事によって病気を予防や治療しようとする「医食同源」という現代の考えが生まれています。
西洋東洋ともに、食事に対する重要性は感じていました。しかし現代のように、それぞれの栄養素がどのように体の中で働いているのか、また人間にとってなくてはならない栄養素の存在(必須アミノ酸、必須脂肪酸など)に対する理解が深まってきたのは、18世紀以降です。
1-2.栄養学の研究
近代の栄養学の始まりは、エネルギーを理解することから始まったと考えられています。
18世紀ごろに、フランスの科学者であるラボアジェがエネルギーの発見をします。
ロウソクなどが酸素を消費して、熱(エネルギー)と二酸化炭素をを作り出すことを発見しました。そこで人間の呼吸作用にも、ロウソクと同じように熱を作る働きがあることを示し、生体エネルギー論を発表しています。
その後19世紀にはいると、糖質・タンパク質・脂質などが見つかっていきます。1814年に、脂肪は脂肪酸とグリセロールからできていることがわかります。1938年には、タンパク質が見つかったのです。
1881年になると、糖質・タンパク質・脂質などから、どれだけのエネルギーが生まれるかを計算する方法がみつかります。1895年には、糖質・脂質・タンパク質1gから生み出されるエネルギーが、それぞれ4kcal・9kcal・4kcalということもわかりました。
このころは、エネルギーの理解についてが中心でした。それぞれの栄養素が体のなかでどのように働いているかは、研究途中だったのです。
15世紀ごろより大航海時代となり、船がヨーロッパからアジアやアフリカに進出するなど、長期航行するようになりました。しかし船の乗組員は、壊血病(組織がもろくなり、歯ぐきなどから出血する病気)に悩まされていました。また、明治時代の日本でも、脚気(手足のしびれ、倦怠感の出る病気)が健康上の問題になっていました。
その当時は感染症の研究が盛んな時期で、病気は病原体が起こすものと考えられていました。そのため、食物のある成分が不足して起こる病気とは考えられていなかったのです。
しかし、壊血病を起こした船の乗組員が、オレンジなど新鮮な果物を取ることで改善することがわかりました。また、精白米を食べていると脚気になりやすく、米糠を食べることで脚気が治るといったことが発見されるようになります。
そして20世紀に入るころになると、米糠から抗脚気因子を分離することが成功します。これがビタミンと命名されます。
こうして食事には、エネルギーとは別の体の機能成分が有ることが分かるようになり、栄養不足が病気の原因という理解が広まっていったのです。
20世紀中盤になると、必須アミノ酸や必須脂肪酸などが見つかります。エネルギーだけでなく、それぞれの栄養素が、どのように働くかもより詳しくわかるようになりました。
そして現代においても、次々と人体に必要な栄養素が見つかっています。栄養学は、わたしたちの食と健康を支える基礎なのです。
- 栄養学は、18世紀にエネルギーを発見することから始まった。
- 19世紀にはエネルギーだけでなく、体を機能させる栄養素が必要なことがわかった。
- 最近は、それぞれの栄養素の働きが詳細にわかるようになった。
2.エネルギーと栄養素はどのようにつくられるか
動物にとって、食事をすることは、生存するために最低限必要なことです。
食事をすることで、必要なエネルギーや栄養素を取り入れます。そして、体温を保ち、運動することができ、体の機能を働かることができるのです。
とはいえ、そもそも、私たちが取り入れる、エネルギーや栄養素は、どのように作られるのでしょうか。すべての生物のエネルギーの源は、太陽の光と、土に含まれる成分から作られます。その流れを見ていきましょう。
2-1.植物の栄養
植物は、太陽の光と土があれば生きていけます。
植物は、太陽の光をエネルギーとして、光合成をします。葉緑体(クロロフィル)が太陽の光を浴びることで、水と二酸化炭素を材料にして、炭水化物を作り出します。その炭水化物を分解することで、エネルギーを作り出すことができます。
植物は、大地から窒素化合物やミネラルなど吸収します。吸収した窒素化合物やミネラルと、自ら合成した炭水化物のエネルギーを使ことで、アミノ酸や脂肪酸、たんぱく質を合成します。
このようにして植物は体を作り、成長していきます。
2-2.草食動物の栄養
動物は、植物のように光合成をすることは出来ません。葉緑体を持たないために、太陽の光から炭水化物を作り出すことができないためです。
そのため動物は、生命活動を続けていくために、絶えず食事を摂取しなくてはなりません。植物を食べて生存していく動物を、草食動物と言います。
草食動物は植物を分解し、消化する酵素をもちます。植物を食べるだけで、エネルギーや栄養素を取り入れることができます。
また草食動物の中には、体の中に微生物や細菌を住まわせているものもあります。その細菌は植物を分解して、アミノ酸やたんぱく質を作り出します。
このように草食動物は、植物を食べるだけで生きていくために必要な栄養素を取り入れることができます。
2-3.肉食動物の栄養
他の動物を食べて生存していく動物のことを、肉食動物と言います。肉食動物は、草食動物だけでなく他の肉食動物も食べています。
肉食動物は、草食動物のように植物を食べることで栄養を取ることができません。肉食動物には、植物を分解し吸収する酵素や微生物を体内に持たないからです。
そのため肉食動物は、同じ動物である他の動物を食べることで栄養素を取り入れています。
余談となりますが、人間は「お肉を食べる」時には筋肉の部分を食べることが殆どです。
一方で肉食動物は、筋肉だけでなく内臓や骨なども食べています。これは、筋肉にはエネルギーやタンパク質が多く含まれていますが、ビタミンなどの栄養素は肝臓などの内臓に多く含まれているためです。筋肉部分だけ食べていると、栄養不足になってしまうのです。骨からも、カルシウムやリンとった無機物を摂取しています。
2-4.食物連鎖
太陽から植物が育ち、その植物を草食動物が食べ、肉食動物が動物を食べる、という生命の循環が地球上にはあります。
しかしどの生物も、いずれは死に、土へ帰ります。そして土にいる微生物などにより分解され、細かな栄養素となります。そして植物が土から栄養素を吸収し、成長していきます。
土→植物→草食動物→肉食動物(→土→…)
この生命の循環を、食物連鎖と呼んでいます。この食物連鎖は海にも見られます。
海→植物性プランクトン→動物性プランクトン→魚類(→海→…)
となっています。このように地球上の生物は、太陽の光と地球の土をもとに生きているのです。
2-5.人間の栄養
草食動物は植物から栄養をとり、肉食動物は他の動物から栄養を取ります。一方で、植物からも動物からも栄養を取ることができる動物のことを、雑食動物と言います。
われわれ人間も雑食動物です。生存に必要なエネルギーと栄養素を充分に摂取していれば、植物から摂取しても、動物から摂取しても、どちらでも問題ない生き物です。
それでは、人間にとって必要なエネルギー栄養素とは何でしょうか。続けて詳しくお伝えしていきたいと思います。
- すべての栄養のもとは、太陽の光と地球の土である。
- エネルギーと栄養素は、食物連鎖で循環している。
- 人間は、植物からでも動物からでも栄養を摂取できる。
3.人間に必要な栄養素ってなんだろう
栄養と栄養素の違いとはなんでしょうか。
栄養とは、「生命の維持や活動に必要な食物を、消化、吸収、代謝し、エネルギーとしたり体の構成成分にする一連の流れ」のことです。
栄養素は、食物に含まれている生命の維持に必要な成分のことを言います。
栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質を3大栄養素といいます。3大栄養素に、ビタミン・ミネラルを加えたものを、5大栄養素と呼びます。
栄養素には、
- 体の構成成分となるもの
- エネルギーとなるもの
- 体の機能を調整するもの
があります。
栄養素を理解する時には車に例えるとわかりやすく、
- 車の本体:体の構成成分
- 車のガソリン:エネルギー成分
- エンジンやギアの潤滑油:体の機能の調整成分
と考えるとわかりやすいかもしれません。
3-1.体の構成成分と栄養素
人間の体は何からできているのでしょうか。
人間の体を小さく小さく見ていくと、最小単位は細胞であることがわかります。人間の細胞をすべて数えると、70兆個もあるといわれています。
そして、たくさんの細胞が集まって組織を作っています。人間には主に四種類の組織があり、上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織と言われます。
それぞれの、働きは下の表に示した通りになります。
建物などの無機物は、一度できたら修復できません。一方で人間などの有機物は、新陳代謝することで傷を治したり、成長することができます。
人間は新陳代謝によって、体の組織を常に再合成しています。主な例として、
- 腸や胃の内壁の細胞:約5日
- 皮膚:約28日
- 赤血球:約120日
- 白血球:約3日
- 骨:半年~1年
このように入れ替わっていきます。その新陳代謝をおこなうための材料が、たんぱく質や脂質、無機質などになります。充分な量を摂取しないことは、新陳代謝の材料不足を引き起こすことが分かります。
- 人間の体は、新陳代謝を行い、いつも新しくなっている。
- 新陳代謝を行うには、体の構成成分をつくる栄養素を取る必要がある
3-2.エネルギー成分
①人間は、取り入れたエネルギーを何に使っているのか
人間が普段使っているエネルギーは、主に3つに分けられます。
- 基礎代謝(生命活動に必要な代謝)
- 身体活動(運動、家事、仕事など)
- 食事誘発熱産生(食後に亢進する栄養素の代謝)
基礎代謝とは、どんなときにも行っている呼吸や心拍、体温などの生命活動に使われるエネルギーのことです。そして基礎代謝が、すべてのエネルギーの70%を占めているといわれています。
基礎代謝のなかで、エネルギーの消費量が多い臓器は肝臓です。基礎代謝のうち27%を占めます。そして脳が19%、筋肉が18%と続きます。
「高齢者になると基礎代謝が落ちる」
「女性より男性のほうが基礎代謝は大きい」
といわれますが、それは筋肉量の違いによるものです。
基礎代謝をあげること、そのためには筋肉量を増やすことによって、脂肪がつきにくい体を作ることができます。適度な運動を取り入れたダイエットをおこなうことが効果的です。
②エネルギーは、体に脂肪とグリコーゲンとして蓄えられている
「脂肪は体に悪い」というのは、現代の日本に生きるわたしたちの共通認識となっています。たしかに、肥満などの脂肪がありすぎる状態は、生活習慣病の原因となりますので避けたほうが望ましいものです。
一方でその特徴を考えると、脂肪はエネルギーの貯蔵庫としては理想的な細胞です。脂肪細胞は運搬や貯蔵が簡単で、また糖質やたんぱく質の2倍以上のエネルギーを作ることができます。
一般的に脂肪重量は、男性の約15%、女性では25%と言われています。体重60kgの成人男性がもつ脂肪の総エネルギーは、約8万kcalにもおよびます。
60kgの男性がフルマラソンをするときに消費するカロリーは2500kcal程度と言われています。単純計算ではありますが、約30回もフルマラソンができる計算となります。人間の脂肪は、莫大なエネルギーを持っていることがわかります。
また人間は、安静時には必要なエネルギーの50%を脂質を分解して得ています。睡眠中では、エネルギーのうち70%を脂質から得ています。生命を維持する基礎代謝に、脂肪に蓄えられたエネルギーがどれだけ大事かがわかるかと思います。
一方で、グリコーゲンとして蓄えられたエネルギーは、おもに筋肉と肝臓に蓄えられます。安静にしているときや睡眠中とは異なり、激しい運動では筋肉内に蓄えられたグリコーゲンのエネルギーが使われます。
またグリコーゲンとして蓄えられたエネルギーは、脂肪よりも圧倒的に少なく2000kcal程度です。いかに脂肪がエネルギーの保管場所として大切かがわかりますね。
- エネルギーは、①基礎代謝②身体活動③食事誘発熱産生に使われる。
- 基礎代謝が最もエネルギーを消費している。
- 脂肪は、エネルギーを蓄えるのに理想的な細胞である。
3-3.体の機能成分
①ビタミンの働き
栄養学の歴史でお伝えしましたが、病気と栄養素の関係が分かったのは近年になってからです。
ビタミンは、エネルギー源や体の構成成分にはなりません。しかし多くのビタミンは、糖質や脂質、たんぱく質などの代謝を円滑に行う働きをしています。
そのため、ビタミンが不足することによって、ビタミン欠乏症の病気を引き起こします。代表的なものとしは以下のものがあげられます。
- ビタミンA欠乏症→夜盲症・感染抵抗力低下
- ビタミンD欠乏症→くる病
- ビタミンB1欠乏症→脚気・多発性神経炎
- ナイアシン欠乏症→ペラグラ
- ビタミンB6欠乏症→皮膚炎
- ビタミンB12欠乏症→悪性貧血
- ビタミンC欠乏症→壊血病
また人間は体内でビタミンを合成できないため、食事から摂取する必要があります。
②無機質の働き
無機質には、体の構成成分となるほかに、体の機能成分としても役割があります。
自然界には100以上の元素があり、人間の95%は酸素・炭素・水素・窒素の4元素でできています。そのうち、残りの5%に当たる元素を無機質(ミネラル)と呼んでいます。
必要不可欠な無機質のことを必須微量元素や必須ミネラルとよび、16種類が知られています。
これらの必須微量元素は、必要量は微量ですが、体の健康維持には欠かせません。必須微量元素は、不足することによる欠乏症のほか、過剰摂取による過剰症を引き起こします。以下に、身近な欠乏症をあげます。
- カルシウム欠乏症→骨粗しょう症
- 鉄欠乏症→鉄欠乏性貧血
- マグネシウム欠乏症→不整脈など循環器疾患のリスク増大
- 亜鉛欠乏症→味覚障害
などがあげられます。
必須微量元素は、通常の食事をしていれば殆ど不足しません。しかし、加工食品の多い現代では、亜鉛、マンガン等の不足には注意が必要です。また、月経周期のある女性では鉄欠乏を起こしやすいため注意してください。
先ほどは欠乏症をあげましたが、過剰症は以下のものがあります。
- ナトリウム過剰症→高血圧
- カリウム過剰症→腎機能障害があると高カリウム血症
- リン過剰症→骨軟化症、腎機能低下
- マグネシウム→下痢
またカルシウムを摂取しすぎると、鉄や亜鉛、マグネシウムといった他のミネラルの吸収が悪くなることもあるので注意が必要です。
- 体の機能を円滑に動かすには、ビタミンやミネラルが必要がある。
- ビタミンやミネラルは体内で合成できないため、食べて取り込む必要がある。
- 欠乏症に注意が必要だが、過剰症になるものもある。
4.健康的な食事とは
4-1.「健康に良い」食事法がありすぎて、なにが「正解」かはわからない
今まで見てきたように、体を作る、機能させる、エネルギーを蓄えるという見方をするだけでも、様々なことがあります。そして現代では、様々な健康に良いという食事が提唱されています。
過去から比較的知られているものに、動物の肉を取らない菜食主義があります。また、最近の流行になっている食事法として、糖質の摂取量を制限する糖質制限なども見られます。
また、特定の分野、特にアスリートなど肉体を酷使する職についている方の中には、たんぱく質中心の食事法を取っている方もおります。はたまた、特定の酵素やビタミンなどに着目し、健康増進をうたう広告も多数見かけられます。
一方で、病気に罹患した方のなかには、医学的に必要とされる食事療法があります。
例えば慢性腎不全をもち、たんぱく尿が出ている方には、たんぱく制限食が必要となります。また日本の三大死因の一つである心筋梗塞などの心臓病でも、塩分制限食が必要となります。
このように、新しい発見があるたびに医学的な面だけでなく、商業的な面からも色々な健康法が提唱されます。その情報が氾濫しているのが現代になります。
なにが正しいのかはっきりわからない食事法だからこそ、食事法の基本を押さえることが大切です。基本を押さえたうえで、人それぞれに合っている健康法をプラスαとして追加していくことが、体への負担が少ないと思います。
4-2.食事法の基本は、「食生活指針」にあります
食生活指針とは、昭和60年から日本ではじまった食事に関する指針です。
最近では、心臓病や糖尿病、がんといった生活習慣にかかわる病期が全死亡数の約半分を占めています。その予防と食生活の改善のために、厚生労働省によって現在まで改定が続けられています。
食生活指針は約10項目で、以下の通りです。
- 食事を楽しみましょう。
- 1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
- 主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
- ごはんなどの穀類をしっかりと。
- 野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
- 食塩や脂肪は控えめに。
- 適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
- 食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
- 調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
- 自分の食生活を見直してみましょう。
これら10項目をすぐに行うことは、難しいと思います。「適量」「バランス」「不足している栄養素」を、食事のたびにチェックすることは面倒なものですし、毎食実践することは困難です。
また慣れ親しんだ食事を変えるというのはストレスも多く、急に変えると嫌になって止めてしまうことも少なくありません。簡単にできるよう工夫する必要があります。
そこで食生活指針でも示されているように、「主食」「主菜」「副菜」という3つの基本形から実践していくことをお勧めします。
「主食」では、エネルギー源を取り入れます。糖質が供給源です。ごはん、パン、麺などがメインの料理となります
「主菜」では、体の構成成分を取り入れます。たんぱく質と脂質が供給源です。魚介類、肉、卵、大豆製品などがメインのおかずとなり、献立の中心となります。ここでは、たんぱく質や脂質を摂取することから、エネルギーや体の機能成分を摂取することにもなります。
「副菜」では、体の機能成分を取り入れます。ビタミンや無機質(ミネラル)、食物繊維が供給源です。野菜、いも、海藻、きのこなどがメインのおかずとなります。
この3つの基本形に、汁物、果物、飲み物などのもう一品を加えれることで、栄養素を補給だけでなく、見た目などの食事の楽しみも増やすことができます。
自宅でご飯を作る際の目安にもなりますし、外食する際に何を頼むとバランスが良くなるのか、理解しやすくなります。
- 食事は5大栄養素をバランスよくとることが大切。
- 実践するときには、「主食」「主菜」「副菜」のバランスを考える。
まとめ
いままで、食事をとることの意義についてみてきました。日本は長寿化が進み、健康寿命でも世界トップにあります。
一方で、寿命と健康寿命には10年もの差があります。亡くなる前の10年間は、不健康な状態で過ごすことになります。寝たきりを余儀なくされる高齢者の2大原因は脳卒中と骨折で、50%を占めています。いずれも食生活が大きくかかわっている問題です。
食事は毎日摂取するものです。
現在50歳の方は、今後20年を健康に生きるために。
現在30歳の方は、今後40年を健康に生きるために。
あなたを健康にする食事にとりんでいただくことを、心より願っております。
投稿者プロフィール
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
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