授乳中に花粉症の薬は大丈夫?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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毎年春が近づいてくると、花粉症の心配をされる方も多いかと思います。花粉は例年変わりなく飛んできますので、授乳中でも容赦してくれません。

例年通り、お薬を使っていて大丈夫でしょうか?どのようなお薬が安全といわれているのでしょうか?

ここでは、授乳中の花粉症対策と薬に関して、お伝えしていきたいと思います。

 

1.まずは花粉の予防!

身体に花粉が入らないようにしましょう。メガネとマスク着用・室内に入る時は花粉を払う・加湿空気洗浄器の設置などが有効です。

花粉症対策で一番大切なのは、花粉を避けて除去すること。アレルギーの原因である花粉を避けることで、症状をひどくさせないようにしましょう。

具体的な方法をみていきましょう。

  1. メガネとマスク
  2. 室内に花粉を持ち込まない
  3. 空気洗浄器
  4. 濡れぞうきんで掃除
  5. 加湿

普段コンタクトをつけている方は、メガネにかえるだけでも花粉症が軽減します。だてメガネでもOKです。そこまでしなくてもよいかも知れませんが、花粉症を予防するゴーグルなども市販されています。

マスクは花粉を予防するだけでなくて、鼻粘膜の保湿保温をしてくれますので有効です。面倒でもシーズンに入る前から着用したほうがよいです。花粉が飛び始める2~3月は、まだまだインフルエンザも流行っています。風邪の予防もかねてマスクを着用するようにしましょう。

室内に入る時に、玄関で花粉を払ってから帰宅するなどして、花粉を室内に持ち込まない対策も有効です。また、洗濯物もしっかりとはたいたり、取り込んだら掃除機などで花粉を吸い取りましょう。花粉を除去するスプレーなども発売されています。

空気洗浄器も有効です。帰宅直後は風量を強くして、花粉を吸い取りましょう。また、花粉は湿度が高いと重たくなって飛び散らなくなります。ですから、加湿空気洗浄器を設置すると効果的です。同じ理由で、掃除をする時は花粉を舞い上げないように濡れぞうきんで掃除することがすすめられています。

 

2.授乳中に使える花粉症の薬

ストロイドの点鼻薬や抗ヒスタミン点眼薬、インタールの点鼻や吸入などは安全性が高いです。クラリチンやアレグラなどの第二世代抗ヒスタミン薬も安全と考えられています。

授乳中に、「花粉症の薬は使えないのでは?」と心配になる方も多いですが、実はほとんどすべての薬で問題なく使うことができます。ですが、病院や薬局では授乳をやめるように言われることがあります。

なぜかというと、製薬会社の添付文章に、「授乳は避けること」とされているからです。何かあったら訴えられる時代ですからね。ですが、お母さんが薬を飲んで母乳に移行してしまうのはごくわずかです。中にはヒトでも動物実験でも問題なかったのに、動物実験で母乳への移行が確認されたために「授乳は避けること」としている薬もあります。

このため、「薬は大丈夫」という情報と、「ダメ」という情報が入り混じってしまうのです。私も、このような説明書があると、「安全だとはいわれているけど、最終的には自己判断してください」といわざるを得ないです。

このように問題はないと考えられますが、できるだけ安全性が高い花粉症の治療薬はどのようなものがあるかを考えていきましょう。

点鼻薬や点眼薬は飲み薬と違って、その場だけに作用して効果が出てきます。血液にはほとんど取り込まれないので、母乳に移行する薬もほとんどありません。ですから、ストロイドの点鼻薬や抗ヒスタミン点眼薬、インタールの点鼻や吸入などは安全性が高いです。

 

抗ヒスタミン薬の内服も大きな問題はありませんが、お母さんの眠気が強くなるような薬は注意が必要です。赤ちゃんに薬がいってしまうと、赤ちゃんも眠くなってしまいます。すると、元気がなくなって栄養が不足してしまいます。夜泣きが減って楽になったら注意してくださいね。

ポララミンなどの古くからある抗ヒスタミン薬は経験的に安全であることはわかっていますが、眠気は強いのでできれば避けたいところです。第二世代といわれるクラリチンやアレグラは眠気が少ないですし、母乳への移行も極めて少ないので、授乳中に使いやすいです。

ですがこれらの薬ですら、添付文章も「授乳は避けること」とされています。授乳直後に服薬するようにして、できるだけ薬の影響を減らすようにしましょう。

 

3.授乳中に花粉症の市販薬は使えるの?

説明書には「授乳を避けること」と書いてありますが、問題なく使えることが多いです。血管収縮成分が入った点鼻薬は鼻炎が悪化することがあるので注意が必要です。

市販薬は病院の薬よりも弱いので、基本的には大丈夫と考えて問題ありません。市販薬の場合は、むしろ点鼻薬に注意してください。

市販の点鼻薬には、血管収縮成分がほとんどすべてに入っています。この成分が要注意です。初めは効きがよいのですが、少しずつ効かなくなっていきます。あまり連用していると、鼻粘膜がむくんでしまったりします。ですから、ナファゾリンやテトラヒドロゾリンといった血管収縮成分が入ったものは、長期の連用を避けた方がよいです。

飲み薬も市販されています。抗ヒスタミン薬は安全性が高いので、医療用と同等の薬も発売されています。おおむね問題はありませんが、説明書には「授乳は避けること」と当然書いてあります。

市販医薬品としては、鼻うがい用の生理食塩水などが売っています。お薬がどうしても心配な方は、鼻うがいをしてみてはいかがでしょうか?鼻づまりが改善し、鼻粘膜にくっついた花粉も洗い流せるのでスッキリします。

 

まとめ

まずは花粉の予防が大切です。メガネとマスクの着用・室内に入る時は花粉を払う・加湿空気洗浄器の設置などで、花粉が身体に入らないようにしましょう。

ストロイドの点鼻薬や抗ヒスタミン点眼薬、インタールの点鼻や吸入などは安全性が高いです。クラリチンやアレグラなどの第二世代抗ヒスタミン薬も安全と考えられています。

説明書には「授乳を避けること」と書いてありますが、市販薬は問題なく使えることが多いです。血管収縮成分が入った点鼻薬は鼻炎が悪化することがあるので注意が必要です。

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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