大人も注意!プール熱(咽頭結膜熱)

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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子供の夏かぜといえば3つの病気があります。手足口病、ヘルパンギーナ、そして咽頭結膜熱(プール熱)です。子供に多いかぜで大人にはかかりにくいですが、お子さんから大人に感染することもあるので注意が必要です。

同じアデノウイルス感染症の流行性角結膜炎と合わせて、「目が赤い」方は注意しましょう。ここでは、咽頭結膜熱(プール熱)について詳しく見ていきたいと思います。

 

1.咽頭結膜熱(プール熱)とは?

3大症状は、発熱(38~40℃)・結膜炎(充血・目やに)・咽頭痛(痛み・腫れ)です。脱水に注意が必要です。

咽頭結膜熱は、アデノウイルスというウイルスが原因となる感染症です。幼稚園や学校でプールがはじまると急増するのでプール熱と呼ばれています。イメージしやすいのでプール熱の方が聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

原因はアデノウイルスと呼ばれているウイルスで、とても感染力が強いです。潜伏期間は5~7日といわれています。

夏かぜは普通のかぜに比べて発熱が長く続きます。プール熱では、38℃から40℃近い高熱が出て、4~5日続くことが多いです。そして特徴的なのは、目が充血することです。痛みを伴って目やにが出てくる結膜炎の症状がみられます。また、のどの痛みがとても強いです。このため、食事や水分がうまくとれずに脱水になることもあるので注意が必要です。

 

2.咽頭結膜熱(プール熱)の原因とは?

アデノウイルス3型が原因であることが多いです。プールが多いですが、それ以外にも接触感染で広がります。

原因はアデノウイルスと呼ばれるウイルスです。これにはいろいろな種類があります。その中でも、3型が原因であることが多いです。他にも、4型や7型などが原因となることがあります。

 

感染経路は、接触感染と飛沫感染の2つです。アデノウイルスは便にも出てくるので、感染している子供がプールに入ってしまうとプールにウイルスがばらまかれてしまいます。このウイルスを含んだ水が目や口から入ってくるので、ウイルスに接触して感染してしまうのです。学校では、プールが終わったら目を水で洗っていませんでしたか?これは、目からウイルスが入ってこないように予防していたのです。このようにして、プールが始まる6月頃から8月にかけて感染者が急増して、夏にピークができるのです。

アデノウイルスの感染力は非常に強いです。ですから、感染した人が使ったタオルや触った手すりなどを介して感染することもあります。決してプールだけではないのです。また、咳やくしゃみを介して飛沫感染することもあります。

症状がよくなっても、便にはウイルスがしばらく排泄されます。1か月以上排泄されることもあるので、やっかいなウイルスなのです

 

3.咽頭結膜熱(プール熱)って大人もかかるの?出勤はどうすればいいの?

子供から感染することがあります。出勤は症状が落ち着いてから2日の自粛が望ましいです。

プール熱は、子供に多い病気です。多くのお子さんが1度はプール熱にかかって、免疫をつけていきます。もう一度かかる時は、免疫ができているのですぐにウイルスをやっつけるので軽症で済みます。このようにして、大人になると次第にかからなくなっていく感染症です。

ですが、免疫をうまく作ってこれなかった方では感染の可能性があります。大人が感染するとしたら、子供からの二次感染がほとんどです。ですから、乳幼児や園児・小学生がいるご家庭のお父さんやお母さんは、注意する必要があります。

 

出勤に関しては明確な基準があるわけではありません。子供の登校に関しては学校保健法で定められていて、「主な症状がなくなってから2日間は登校してはならない」とされています。これを元に考えるならば、症状が落ち着いてから2日間は出勤の自粛が望ましいです。どうしても仕事の都合で出勤しなければいけない場合、少なくとも症状がなくなってからにしましょう。3大症状がなくなっていても、下痢している場合は出勤しないほうがよいです。そして、マスクの着用と手洗い・うがいをしっかりとするようにしましょう。特にトイレの後は、ウイルスが出ているので念入りに手洗いをするようにしましょう。

 

4.咽頭結膜熱(プール熱)の予防

手洗いうがいが基本です。 マスクも着用しましょう。

それではどのようにして予防すればよいのでしょうか?

子供のプール遊びはやめさせた方がよいのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そこまで過敏になることはありません。最近のプールではしっかりと水質管理もされています。プールの前後はよくシャワーを浴びるように心がけて、タオルなどの共用はしないようにしましょう。また、ゴーグルを着用するようにしましょう。プールに入った後に目を洗うのは、今はあまり行われません。これは塩素入りの水に長く目をつけておくのがよくないことがわかったためです。5秒~10秒なら問題ないので、目を洗った方がよいと思います。

たとえプール熱にかかってしまっても、病気の経過は良好のことがほとんどです。幼少期に免疫をつけてしまった方が、大人になって苦しまなくて済みます。子供が自由にしていると、小さいうちにいろいろと風邪をひきます。そうすると免疫がどんどん強くなっていって、結果として「バカは風邪ひかない」という状態になるのです。

 

感染してしまったら、二次感染に気を付けるようにしましょう。症状がある時はもちろん、症状が落ち着いてもしばらくは便からウイルスが出てしまいます。トイレに行く時は特に手洗いをしっかりとしましょう。唾液などからも感染していきますので、マスクも着用しましょう。また、タオルやハンカチなどを一緒につかったりしないようにしましょう。コンタクトもしてはいけません。入浴も家族の中で最後にしましょう。

治った後もプールは1か月間は禁止です。学校保健法では、医師の許可があるまでプールには入ってはならないとされています。

手洗いうがいについては、
正しい知識で手洗い・うがいを効果的に
をお読みください。

 

5.咽頭結膜熱(プール熱)の治療

対処療法が基本です。

アデノウイルスでは、ワクチンなどはありません。死に至るほどの重症化することはまずないので、ワクチンをつくるほどの病気ではないからです。もしかかってしまったら、その間を乗り切って自分で免疫を作っていく病気です。

ウイルスですから、抗生物質は効きません。アデノウイルスに効果のある抗ウイルス剤も開発されていません。基本的には、自分自身の免疫でやっつけるしかないのです。このため、治療は対処療法が基本になります。

まずはしっかりとした休養をとるようにしましょう。病院では、症状を楽にするお薬を処方します。

①高熱:解熱鎮痛剤
②結膜炎:抗炎症剤の点眼・抗菌剤の点眼(二次的な細菌感染予防)
③咽頭痛:抗炎症剤(トランサミン)

解熱鎮痛剤はむやみには使いません。あまりにも高熱でつらい時に使うようにしましょう。38℃まででしたら薬は使わない方がよいです。体温が高くなることには意味があります。化学の実験を思い出してください。温度を上げると反応が活発になりませんでしたか?免疫も同じです。体温が高くなると免疫が活発になるので、早く良くなります。

結膜炎は、同じアデノウイルスの流行性角結膜炎よりは程度が軽いです。感染力が強いので両目のことが多いです。眼をこすると炎症が悪化するので気を付けましょう。炎症を抑える点眼で様子を見ていくのが中心になります。1週間ほどで治っていくことが多いです。

咽頭痛には、炎症を抑えるトランサミンなどが使われます。のどが痛くて食事や水分が取りにくくなることがあります。小さなお子さんでは特に、脱水には気を付けるようにしましょう。栄養や水分補給をしっかりとすることも、回復への近道です。

 

まとめ

3大症状は、発熱(38~40℃)・結膜炎(充血・目やに)・咽頭痛(痛み・腫れ)です。脱水に注意が必要です。

アデノウイルス3型が原因であることが多いです。プールが多いですが、それ以外にも接触感染で広がります。

子供から感染することがあります。出勤は症状が落ち着いてから2日の自粛が望ましいです。

予防としては、手洗いうがいが基本です。 マスクも着用しましょう。

治療は、対処療法が基本です。

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