コートン錠(コルチゾン)の効果と副作用について

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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コートン(一般名:コルチゾン)は、1955年に日医工株式会社が発売した内服薬のステロイド薬になります。世界初のステロイド内服薬になります。

この薬をもとに、現在では多くのステロイド内服薬が活躍しています。そのためコートンは、新しいステロイド経口薬の陰に隠れてしまっている感は否めません。

実はステロイドは、体の中で作られているホルモンです。一日の中でも分泌量は変化していて、朝に多く分泌されて夜に低下していくホルモンです。このステロイドの効果として、

  • 抗炎症作用
  • 免疫抑制作用

を期待して、アレルギーやリウマチなどの自己免疫疾患、さらには癌領域や感染症領域にも広く使用されているお薬です。一方でコートンは、これらの炎症作用の他に硬質コルチコイドの作用が強いお薬です。

硬質コルチコイドは、水分や塩分を体内に取り込む副作用があります。そのためコートンが使用される場面は、硬質コルチコイドの補充が必要な場面です。主に副腎皮質のホルモンがでなくなるアジソン病が挙げられます。

コートンは、硬質コルチコイドの作用以外にも様々な副作用があります。

ここでは、コートン(コルチゾン)の効果と特徴についてみていきましょう。

 

1.コートンのメリット・デメリットは?

<メリット>

  • ステロイド内服薬の中で最も古いお薬
  • 硬質コルチコイドの作用が強い

<デメリット>

  • 短時間で効果が切れてしまう
  • 様々な副作用の中でも浮腫や心不全の副作用が他のステロイドに比べて強い

ステロイドは、糖質コルチコイドと硬質コルチコイドの2つの作用があるお薬です。糖質コルチコイドには、抗炎症作用や免疫抑制作用があります。ステロイドが使われるのは、こちらの効果を期待してであることが大部分です。

コートンの主成分であるコルチゾンは、1946年に初めて酢酸コルチゾンとして生成された成分です。そのためコートンが、最も古くからあるステロイド薬となっています。現在は様々なステロイド薬があります。ステロイドが使われるときは、

  • 抗炎症効果
  • 免疫抑制効果

を期待されることがほとんどですが、これらはステロイドの糖質コルチコイドの作用です。一方でコルチゾンは、糖質コルチコイドと同じくらい硬質コルチコイドの作用が強いお薬です。

この硬質コルチコイドが過剰に投与されてしまうことが、多くの場合にデメリットになります。具体的に硬質コルチコイドは、水分や塩分を体内にため込む作用があります。これによって高血圧や心不全が引き起こされるため、硬質コルチコイドの作用は副作用となってしまうことが多いです。

さらにコートンは、短期作用型のステロイド薬です。個人差がありますが、一般的に8~12時間で効果が半減してしまうと言われています。副作用も多く、効果も短いため、コートンは使いにくいお薬になります。

コートンが使われるのは、硬質コルチコイドを補充する必要があるときです。硬質コルチコイドを補充するには、プレドニンよりも有効なのです。

硬質コルチコイドが必要になる病気としては、アジソン病という内分泌疾患(ホルモンの分泌不全)があります。ただしこの病気に対しても最近ではコートリル(コルチゾール)が使用されており、コートンが使われることは少なくなってきています。

 

2.コートンの適応疾患は?

コートンは、ステロイドの内服薬として非常に多岐にわたる疾患に対して適応があります。しかし現在は主に副腎不全であるアジソン病に対して使われることがほとんどです。

  • 抗炎症作用
  • 免疫抑制作用

この2つの作用によって、ステロイドが効力を示す病態は無数にあります。様々な研究でステロイドの効果が認められたという報告から、現在も適応疾患が増えているお薬です。

ステロイド剤にも様々な種類があります。その中で、あえてコートンを選ぶことは少なくなってきました。というのは、コートンの硬質コルチコイド作用が副作用として邪魔になってしまうためです。

そのためコートンを投与する時は、硬質コルチコイドの補充が必要になる時です。コートンが必要になる病気とはアジソン病です。

アジソン病は、副腎皮質が何らかの原因でステロイドホルモンが作られなくなる病気です。原因としては、

  • 結核
  • 真菌(カビ)
  • HIV(エイズ)

といった感染や、

  • 自己免疫甲状腺炎
  • Ⅰ型糖尿病
  • 橋本病

など特殊な病気と合併する場合があります。ただし原因が不明な場合も多いです。このアジソン病の症状としては、

  • 易疲労感、全身倦怠感(疲れやすい、だるい)
  • 脱力感、筋力低下
  • 体重減少
  • 低血圧
  • 食欲不振、悪心・嘔吐、下痢などの消化器症状
  • 精神状(無気力、不安、うつ)
  • 色素沈着

などが挙げられます。ただし特徴的な症状が少なく、診断が遅れる場合も多い非常に難しい病気です。アジソン病は非常に難しい病気のため、内分泌内科など専門家がいる病院でしっかりと管理されることがほとんどです。また現在アジソン病と診断された方はコートリル(コルチゾール)で治療されることが多いかと思います。

 

3.コートンの剤形・薬価は?

コートンは錠剤のみあります。ジェネリック医薬品はありません。

コートンは、

  • コートン25mg錠

の剤形のみ先発品として発売されています。

  剤形 薬価 3割薬価
コートン錠 25mg 22.3円 6.7円

※2016年9 月17日の薬価です。

コートン錠は非常に古いお薬ですが、ジェネリック医薬品がありません。ジェネリック医薬品の制度が始まったころ、すでに他のステロイド薬が登場している影響で、コートンは発売数が減ってきている状態でした。

そのため、あえて他社が開発に乗り出さなかった経緯があります。

 

4.コートンと他のステロイドの比較は?

コートンは、短期作用型のお薬です。硬質コルチコイドの作用が強いのが特徴的です

ステロイド内服薬は多くのお薬が登場しています。それらのお薬の中でコートンはどういった位置のお薬になるか見てみましょう。

ステロイドの内用薬の比較について

まずステロイドは、

  • 短時間作用型(血中半減期1時間程度・生物学的半減期8~12時間)
  • 中間作用型(血中半減期2.5時間程度・生物学的半減期12~36時間)
  • 長時間作用型(血中半減期3.3時間程度・生物学半減期36~54時間)

の3種類に分けられます。生物学的半減期の期間が、お薬の効き目が無くなってくる時間だと思ってください。時間に幅があるのは、

  • 年齢
  • 体の大きさ
  • 肝臓や腎臓の機能状態
  • ステロイドを使用する病態

などによって非常に個人差が大きいお薬だからです。

この中でコートンは、短期作用型のお薬になります。つまり長くても半日程度しか効果がありません。一方でステロイド自体が早朝から朝に作られて、夜は分泌量が減っていきます。

そのためステロイドホルモンが足りなくなるアジソン病に使用する際などはあえて朝しか投与しないことも多いです。

次にステロイド自体の強さですが、ステロイドはさらに2種類のホルモンに分けられます。

  • 糖質コルチコイド(抗炎症・免疫抑制作用、たんぱく質異化作用、糖代謝作用、骨代謝作用)
  • 硬質コルチコイド(水・電解質代謝作用)

ステロイドの治療を期待するのは、大部分が糖質コルチコイドの抗炎症、免疫抑制作用です。一方の硬質コルチコイドは、水・電解質代謝作用によってNa(塩分)が体内貯留する作用を引き起こします。Naが体内に貯留することで、高血圧やむくみなどの副作用を起こします。

つまり抗炎症・免疫抑制作用を期待してステロイドを投与する場合は、糖質コルチコイドの力が強くて、硬質コルチコイドの力が弱い方が良いことになります。

このステロイドの強さを表すのに、力価という言葉を使用します。一般的には、コートリル(ヒドロコルチゾール)の糖質コルチコイドと硬質コルチコイドの力価を、それぞれ1として基準とすることが多いです。

コートンは糖質コルチコイド、硬質コルチコイドともに力価0.8となります。コートリルよりやや効果が弱いため、コートリル10mgに対してコートンは25mgと増えます。

コートンは、硬質コルチコイドの作用であるむくみや高血圧の副作用が非常に多くなります。そのため糖質コルチコイドの効果を求めれば求めるほど、硬質コルチコイドの副作用が強くなるため、

  • 抗炎症作用
  • 免疫抑制作用

の効果を期待する大部分の疾患では、コートンは使うことができません。

 

5.コートンの副作用の特徴

コートンの投与量及び投与期間によって、出現する副作用および頻度が大幅に変わります。特に硬質コルチコイドの作用が強いため浮腫、満月用顔貌、高血圧の頻度は他のステロイドに加えて高いです。

コートンの添付文章では、詳細な副作用の試験は実地されていないとされています。そのためコートンを内服したらどのくらいの副作用がどの程度起きるか正確なデータがないのが実情です。そもそもコートンの、

  • 投与量
  • 投与期間

で全く副作用の出現頻度が違います。さらにいえば、

  • 年齢
  • 体の大きさ
  • 肝臓や腎臓の機能状態
  • ステロイドを使用する病態
  • 他にある病気の有無

によっても副作用は大幅に変わります。そのためどの副作用がどれくらい起きるかは、個々人によって大きく異なります。代表的な副作用としては、以下のようなものがあげられます。

  1. 満月様顔貌・肥満(ステロイドによる脂肪細胞の増殖および水分を体内に取り込む作用で起きます。)
  2. 細菌やカビなどの感染症に弱くなる(免疫を抑えるため防御が下がります。普段なら感染しないような特殊な菌にも感染しやすくなります。)
  3. 糖尿病(ステロイドが筋肉や脂肪を燃やし血糖値を上昇させます)
  4. 胃潰瘍・十二指腸潰瘍(ステロイドが胃腸に働くことでストレスがかかります)
  5. 高血圧・浮腫(ステロイドで血管が収縮します。さらに水分やNaを貯留するため血管内の水分が増えます。)
  6. 肝機能障害(ステロイドが肝臓を通して炎症を抑えるため負担がかかります)
  7. 緑内障・白内障(ステロイドで眼圧が上がったり、目のレンズが濁ったります)
  8. 精神障害(ステロイドでイライラしたり眠れなくなります)
  9. 骨粗鬆症(ステロイドは骨にも作用し、骨密度が低下します)
  10. 筋力低下(ステロイドによる筋肉を分解する作用で筋力が低下します)
  11. 月経異常(ステロイドホルモンは性ホルモンと似ている部分があるため、生理不順が起きます)
  12. ニキビ・皮下出血(皮膚の代謝異常でおきます。ステロイドで皮膚や筋力が衰え出血しているように見えます)

この中でコートンの特徴として、水・電解質作用を引き起こす硬質コルチコイドの力価がステロイドの内服薬の中で最も高いことが挙げられます。

硬質コルチコイドの作用で、

  • 高血圧
  • 満月用顔貌
  • むくみ
  • 心不全
  • 電解質異常

は他のステロイドよりも起きやすくなります。

多くの疾患に使用される抗炎症作用や免疫抑制作用は、糖質コルチコイドによってもたらせられます。そのため硬質コルチコイドは副作用をもたらす作用のため、敬遠されやすくなっています。

それぞれの副作用の対策はプレドニンと同じため、「プレドニンの副作用と対処法は?」を一読してみてください。

 

6.コートンの安全性について

コートンを使用するにあたり気を付けるべき点は多いですが、絶対に使用してはいけない病気や内服のお薬はありません。

コートンの原則禁忌ですが、

  1. 感染症・全身の真菌症の患者[免疫が抑制されるため]
  2. 結核性疾患の患者[免疫が抑制されるため]
  3. 消化性潰瘍の患者[胃潰瘍が悪化するため]
  4. 精神病の患者[中枢神経に作用して精神症状が悪化するリスクがあるため]
  5. 単純疱疹性角膜炎の患者[免疫が抑制されるため]
  6. 白内障や緑内障の患者[水晶体線維や眼圧に影響するため]
  7. 高血圧症の患者[電解質代謝作用により、 高血圧症が悪化するため]
  8. 電解質異常のある患者[電解質代謝作用により、 電解質異常が悪化するため]
  9. 血栓症の患者[血液凝固促進作用により、血栓症が悪化するため]
  10. 直近に手術を行った患者[創傷治癒が障害されることがあるため]
  11. 急性心筋梗塞を起こした患者[心破裂を起こしたという報告があるため]

これら11項目が示されています。ただし「原則」禁忌と、原則の二文字が記載されています。これは、上記の疾患の患者さんには投与しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に投与するということです。

コートンなどのステロイドは、必要とする場合にのみ投与するお薬です。多少の副作用があっても、「背に腹は代えられない」状態で使われるのです。

その他、禁忌までは行かなくても気を付けた方が良いとされている疾患は、

  1. 糖尿病の患者(血糖値が上昇するリスクがある)
  2. 骨粗鬆症の患者(骨がもろくなる可能性がある)
  3. 腎不全の患者(腎機能を悪化させる可能性がある)
  4. 肝機能低下・脂肪肝の患者(脂質代謝に働き、肝機能が悪くなる)
  5. 脂肪塞栓症の患者(脂質代謝に関与し、塞栓がさらにできる可能性がある)
  6. 重症筋無力症の患者(初期に症状が一時的に悪化することがある)
  7. 甲状腺機能低下の患者(甲状腺機能が悪化することがある)

の7項目が挙げられます。しかし先ほど同様に、①~⑦の項目は、ある程度他のお薬でコントロールができる病気です。ただし先ほど記載したようにコートンは硬質コルチコイドの作用が強いお薬です。上にあげた疾患の中で、

  • 高血圧の患者
  • 電解質異常のある患者
  • 急性心筋梗塞を起こした患者
  • 腎不全の患者

の4つの疾患は硬質コルチコイドで悪化する病気です。そのためこの4つの病気の方はコートンを内服する際はよく注意する必要があります。

次に内服中のお薬で気を付けた方が良いのは、添付文章では以下のものが記載されています。

  1. フェノバルビタール・フェニトイン・リファンピシン(コートン自体の作用が弱まります)
  2. アスピリン・アスピリンダイアルミネート・サザピリン(サリチル酸中毒を引き起こす可能性があります)
  3. ワルファリンカリウム(抗凝固作用を弱めます)
  4. 経口糖尿病薬、(経口糖尿病用剤の効果を減弱させます。)
  5. 利尿剤(低カリウム血症を引き起こします)
  6. シクロスポリン(ステロイド大量投与にてシクロスポリンの血中濃度が上昇します)
  7. エリスロマイシン(コートンの作用が増強されます)
  8. エフェドリン(コートンの作用が低下します)

以上のお薬をよく使う場合は、コートンの効果が増強・減弱するため、それを予測して投与量を調整します。また電解質異常や血糖上昇などの副作用が出現するため、結果としてお薬の効果を弱めたり、他の薬の副作用と合わさって効果が大きくなったりします。

そのため上記の内服を他の医療機関で処方されている方はコートンを内服している旨を必ず伝えるようにしましょう。

 

7.コートンが向いてる人は?

<向いてる人>

  • コートンで長期間症状が安定している人

ここまで記載したように、コートンは最も古いステロイド薬になります。現在ステロイド内服薬は10種類ほど発売されていますが、何かしらコートンより優れている点があるために開発されたものです。そのためコートンは、現在ではほとんど使用する機会がありません。

ですからコートンが処方された場合は、かなり特殊な事情があると思います。もしよく処方されているプレドニンではなくコートンが処方された場合は、医師に理由を確認してみると良いかもしれません。

一方でアジソン病でコートンが処方された人は、長期間に渡って内服する必要があります。アジソン病は自分自身でステロイドが作られなくなる病気です。ステロイドは副作用が多いということで怖いことも記載されていますが、体に必要なホルモンなので補充する必要があります。

そのため色々なステロイド薬が登場する前からコートンを長年内服している人は、あえて新しいステロイド薬に変更する必要はありません。

コートンに比べて、他のステロイド薬の方が優れているというデータはないです。コートンで安定しているのに、他のステロイド薬に変えたら悪化した例もしばしばあります。そのためコートンで病状が安定している人は、無理に変える必要はありません。

 

8.ステロイドとはどんな物質で、どのような作用があるか?

ステロイドは、体の副腎皮質ホルモンとして作られている物質です。

ステロイドホルモンは、実は体の中で作られているホルモンです。副腎でコルチゾール(ヒドロコルチゾン)に換算して、1日当たり5~30mgのステロイドが分泌されています。一日の中でも分泌量は変化していて、朝に多く分泌されて夜に低下していくホルモンです。

ステロイドホルモンは一言でいうと「ストレスなどの負荷に対して、体が負けずに元気になれ!」と命令するホルモンです。ですから抗ストレスホルモンともいわれます。そのため一部の臓器に作用せず様々な臓器に作用します。

どのように元気にするかというと、攻撃のスイッチを入れる代わりに防御のスイッチを切る作用のあるホルモンなのです。朝にステロイドホルモン量が多いのは、活動性が上がるために攻撃のスイッチを入れる必要があるからです。つまりステロイドは良い面ばかりではなく悪い面もたくさんあります。

ステロイドは副腎から作られたホルモンの総称です。実はステロイドは、

  • 糖質コルチコイド
  • 硬質コルチコイド
  • 性ホルモン(男性ホルモン・女性ホルモン)

など実に多彩なホルモンが含まれています。ステロイド薬は、糖質コルチコイドと硬質コルチコイドの2種類の作用が主に含まれています。

糖質コルチコイド(コルチゾン・コルチゾン)の作用としては、

  作用機序 副作用
抗炎症
作用
炎症性の物質抑制(サイトカイン抑制)
炎症の経路抑制(アラキドン酸カスケード抑制)
 
免疫抑制作用 好中球、マクロファージなど体を守る免疫細胞の抑制
抗体産生の抑制(免疫反応の抑制)
感染しやすくなる
骨代謝
作用
腸管のカルシウム吸収抑制骨の細胞の分化抑制、破壊促進 骨粗しょう症
タンパク質異化作用 筋肉のたんぱく質を分解 筋力低下
糖代謝
作用
血糖値を上げる 糖尿病
脂肪代謝作用 体脂肪増加
コレステロール上昇
脂質異常症
満月様顔貌

など多岐にわたります。この中で、抗炎症作用・免疫抑制作用が主にステロイドに期待される作用です。

一方でもう一つの硬質コルチコイド(アルドステロン・デオキシコルチコステロン)は、

  作用機序 副作用
水・電解質
作用
Na(塩分)の再吸収、貯留水の再吸収、貯留 高血圧
むくみ

硬質コルチコイド自体が少なくなる病気(アジソン病など)以外は、ほとんどこの硬質コルチコイドの作用を期待して投与させることはありません。水や塩分が足りない病態ならば、基本的には点滴などで直接補ってしまいます。

むしろアンジオテンシン阻害薬などの高血圧の治療薬は、この硬質コルチコイドの作用が働かないようにすることで降圧作用をもたらします。

このようにステロイドは、抗炎症作用・免疫抑制作用以外にも様々な作用があるお薬です。

 

まとめ

  • コートンはステロイドの内服薬で最も古いお薬になります。
  • コートンは糖質コルチコイドと硬質コルチコイドの力価が同等です。
  • 硬質コルチコイドはむくみや高血圧の原因になるため、コートンはほとんどの疾患では使用されません。
  • コートンは絶対に使用してはいけない病気や内服薬はありません。

投稿者プロフィール

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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