ベルソムラの半減期と作用時間とは?
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
ベルソムラは、中途覚醒に効果が期待できる睡眠薬です。生理的な睡眠のメカニズムに作用する新しいタイプの睡眠薬で、自然に近い眠気を導いてくれます。このため副作用も少なく、依存性も低い睡眠薬です。
ベルソムラの作用時間はどれくらいでしょうか?どのような効き方をするのでしょうか?これらを考えていくには、ベルソムラの血中濃度の変化を知る必要があります。
ベルソムラは最高血中濃度到達時間が1.5時間、半減期が10時間です。ベルソムラを服用すると30分ほどで効き始めて、6時間ほどの作用時間があります。
ここでは、ベルソムラの半減期と作用時間について詳しく見ていきたいと思います。
1.薬の半減期とは?
薬を飲んでから血中濃度が半分になるまでの時間のことです。
まずは半減期について、しっかりと理解しましょう。
薬を飲み始めると、直後は血中濃度がどんどんと上がっていきます。薬の吸収がおわると、薬は代謝されて身体から出ていきますので、少しずつ血中濃度が減少していきます。身体が薬を代謝できるスピードは決まっていますので、どれくらいの量であっても一定のスピードで身体から抜けていきます。このため、薬の量が半分になるまでにかかる時間は、内服量にかかわらず一定になります。
この血中濃度が半分になるまでにかかる時間を半減期(T1/2)といいます。T1/2が短いほど、薬の切れ味がよく身体からすぐになくなるといえます。反対にT1/2が長いほど、薬が身体に蓄積しやすいといえます。
薬の効き方を考えるにあたって、もう1つのポイントがあります。最高血中濃度到達時間(Tmax)です。これは文字通りで、血中濃度がピークに達するまでの時間です。効果がでるまでのスピードに関係しています。Tmaxが短いほど、睡眠薬の効果がすぐに表れることを意味しています。
2.ベルソムラの作用時間と効き方
ベルソムラは、半減期が10時間の睡眠薬です。30分ほどで効き始めて、作用時間は6時間ほどです。
ベルソムラを服用するとどのように血中濃度が変化するでしょうか?薬を発売するにあたって、製薬会社がテストを繰り返しています。それによると、ベルソムラの最高血中濃度到達時間は1.5時間、半減期は10時間となっています。ベルソムラの量を増減させると多少の違いはありますが、大きくはかわりません。
具体的には、ベルソムラを服用すると1.5時間で血中濃度がピークになります。そこからは少しずつ身体から抜けていき、10時間すると半分の量になります。
ベルソムラの効果は、服用した日から期待できます。30分ほどして自然な眠気で眠りに導きます。薬が半分になるまでには10時間ほどかかりますが、明け方になってくると生理的なオレキシンが急上昇します。オレキシン受容体をベルソムラとオレキシンが奪い合いをします。その効果、ベルソムラの結合率が65%を下回ってくると覚醒が優位となります。このようにして目が覚めるので、作用時間としては6時間ほどです。
ベルソムラの半減期は10時間ですので、20時間たっても1/4は身体に残っています。服薬の開始から3日ほどは、少しずつ薬が身体にたまります。ですから、ベルソムラの効果をみていくには少なくとも3日かかります。さらにベルソムラの服用を続けていくと、徐々に効果が強まっていく方が多いです。
ベルソムラの効果は、入眠障害には「やや弱い~普通」ですが、中途覚醒には「普通~やや強い」という印象です。成人は20mg、高齢者は15mgと用量が決まっています。
なお、食後に服用すると血中濃度のピークが3時間ほどとなります。効きが悪くなるので、少なくとも食後2時間あけて服用するようにしましょう。
ベルソムラの効果について知りたい方は、
ベルソムラ錠の効果と強さ
をお読みください。
3.睡眠薬の半減期の比較
ベルソムラは、短時間型睡眠薬に近い効き方をします。
もっともよく使われている睡眠薬としては、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の2種類があります。これら代表的な睡眠薬とベルソムラの最高血中濃度到達時間(Tmax)と半減期(T1/2)を比較してみましょう。
ベルソムラの最高血中濃度到達時間は1.5時間、半減期は10時間でした。明け方になると生理的なオレキシンがベルソムラの効果を弱めていくので、実際には作用時間は6時間ほどです。この表の分類でいくと、ちょうど短時間型睡眠薬と類似していますね。
睡眠障害にもいろいろなタイプがあります。寝つきが悪い「入眠障害」、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、明け方に目が覚めてしまう「早朝覚醒」。睡眠障害のタイプに合わせて、睡眠薬の作用時間を変えていきます。
超短時間型や短時間型は、薬の効果はすぐに出てきます。このため、入眠障害や中途覚醒に使われます。
中間型や長時間型は、身体に薬が少しずつたまって効果が出てきます。中間型は4~5日かけて、長時間型は1週間以上かけて効果が安定します。どちらも寝つきやすい土台を作っていくようなお薬です。このため、中途覚醒や早朝覚醒に使われます。
このように考えると、ベルソムラは短時間型に近い効き方をします。作用機序が異なるので比較はできないのですが、中途覚醒が目立つ方に有効で、入眠障害にもある程度効果が期待できます。
まとめ
半減期とは、薬を飲んでから血中濃度が半分になるまでの時間のことです。
ベルソムラは、半減期が10時間です。30分ほどで効き始めて、作用時間は6時間ほどです。
ベルソムラは、短時間型睡眠薬に近い効き方をします。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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