リスミーは効果がやさしいため副作用も少なく、安全性の高い睡眠薬です。即効性は乏しいですが、中途覚醒や早朝覚醒に効果が期待できます。

リスミーの錠剤としては、1mgと2mgの規格が発売されています。まずは1mgからはじめて、効果をみながら増減させていきます。ここでは、リスミー錠1mgと2mgの実際の使い方や薬価についてご紹介していきます。

リスミーの効果について詳しく知りたい方は、
リスミー錠の効果と強さ
をお読みください。

 

１．リスミー錠1mg・2mgはどうやって使うのか？

リスミーは1mgから始めます。効果をみて2mgまで使用することができます。

リスミーの特徴は、睡眠時間をカバーしてくれるように作用することです。即効性はあまりないので寝つきには大きな効果は期待できません。人によっては自然に寝付けるという印象を持たれる方もいらっしゃいます。作用時間は６～７時間といったところで、睡眠時間を持続してくれる効果が期待できます。リスミーの血中濃度は３時間でピークになり、１０．５時間で半分になります。

添付文章では、リスミー1mg～2mgの範囲で使うことが勧められています。1mgから始めることがほとんどです。リスミーの効果はすぐに判断ができます。もしも不眠が十分に改善できなければ、2mgまで増量できます。それ以上は増量しても効果は少ないので使うことができません。睡眠薬が効かないからといってたくさん飲んでも、効果には限界があります。

リスミー2mgでも効果がないときは、薬の変更や作用の異なる睡眠薬の併用を考えていきます。

 

２．リスミー錠と塩酸リルマザホン錠での違い（薬価）

リスミー錠とジェネリックの塩酸リルマザホン錠を比較すると、薬価は６割ほどとなっています。

ジェネリックになると安くなると言われていますね。リスミー錠ではそこまでジェネリックが発売されなかったので、薬価は大きくは下がっていません。

＜先発品＞

商品名	剤形	薬価
リスミー錠	1mg	18.9円
リスミー錠	2mg	29.7円

＜ジェネリック（後発品）＞

商品名	剤形	薬価
塩酸リルマザホン錠	1mg	11.7円
塩酸リルマザホン錠	2mg	18.7円

 

リスミーのジェネリックの薬価は、1mg錠でも2mg錠でも先発品の６割ほどとなっています。

※２０１５年８月２５日現在の薬価です。

 

３．リスミー錠と塩酸リルマザホン錠での違い（効果や副作用）

リスミーの作用時間が変わることで、効果や副作用に多少の違いが出てきます。

成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。とはいってもリスミーの後発品と認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。ジェネリックの塩酸リルマザホンを服用してからの血中濃度の変化が、リスミーと比べて誤差８０～１２５％の間にあることが条件なのです。

 

だいたいは同じような効き方をするのですが、血中濃度がピークになるまでの時間（最高血中濃度到達時間）や血中濃度が半分になるまでの時間（半減期）に違いが出てきます。睡眠薬の場合は、作用時間が重要なので効果や副作用に違いがでることがあります。

リスミーは半減期が１０．５時間と、睡眠時間をカバーするような睡眠薬です。作用時間が変わることで、効果や副作用にも違いがでます。作用時間が短くなってしまうと早朝覚醒などが認められることがあります。反対に長くなってしまうと、翌朝の眠気の「持ち越し効果」が認められます。

このように違いがでてくるので、ジェネリックにする時は同じ薬局でお薬をもらうようにしてください。初めから同じ後発品の塩酸リルマザホンを使えば、その塩酸リルマザホンの効果をもとに薬を調整することができます。

 

４．リスミー錠1mgと2mgの使い分け

リスミー2mg錠の方が経済的ですが、調整しにくくなってしまうデメリットがあります。

リスミー錠1mgで効果がないときは、2mgに増量します。もちろん、1mg錠２つと2mg錠１つは同じ効果が期待できます。2mg錠にした方が経済的ですね。ですが2mg錠を使ってしまうと、減らすのが面倒になってしまいます。ピルカッターなどを買ってきて半分に割ればいいのですが、なかなかできませんね。いけない話なのですが、医者も忙しくて漫然と使い続けてしまうことがありますので注意しましょう。

私はあえて1mg錠２つを処方することが多いです。自己負担３割の方が１か月使ったとしても、７３円の差しかありません。この程度でしたら、リスミー1mg錠２つの処方にした方がいつでも調整ができるので便利です。２錠飲むのがめんどくさいという方や、薬の数が増えることが不安という方では、リスミー2mg錠を使うようにしています。

 

リスミー2mg錠を半分に割れば、リスミー1mgが２錠できますね。お薬代を節約できるといっても、３６円くらいの話です。リスミー1mg錠がちゃんとありまし、保管も大変になるので行いません。

リスミー1mgの効果が強い時は、リスミー1mg錠を半分に割って0.5mgにすることもあります。割線が入っているので、この作業は薬局にお願いすると行ってくれます。

 

５．リスミーは漫然と使わないこと！

リスミーは段階的に量を増やしていき、落ち着いたら段階的に減量していく意識を持ちましょう。そのためにも生活習慣の意識が大切です。

リスミーはやさしい睡眠薬ですが、長期間使っていると依存してしまうこともあります。ですから、漫然とした使用は避けなければいけません。

リスミーを使う時は、睡眠に良い生活習慣も必ず意識して取り入れるようにしましょう。その上で、できるだけ頓服でリスミーを使うようにします。連用しなければ依存は形成されにくくなります。アルコールをイメージしていただくと分かりやすいと思いますが、休肝日をちゃんと作っていればアル中になったりしないですよね。これと同じです。

リスミーを使っていくときは、以下のステップになります。

①ベッドに入って眠れない時だけ頓服で使う
②リスミー1mgは常用して、眠れない時だけ頓服を追加
③リスミー2mgを常用

状態が安定していない場合は、②からはじめていきます。

心身の状態が落ち着いてきたら、少しずつ睡眠薬を減薬していく意識を持つことが大切です。そのためにも、生活習慣の意識などをしておくことも大切なのです。

睡眠に良い生活習慣について詳しく知りたい方は、
不眠を解消する９つの方法
をお読みください。

 

まとめ

リスミーは1mgから始めます。効果をみて2mgまで使用することができます。

リスミー錠とジェネリックの塩酸リルマザホン錠を比較すると、薬価は６割ほどとなっています。

リスミー2mg錠の方が経済的ですが、調整しにくくなってしまうデメリットがあります。

段階的に量を増やしていき、落ち着いたら段階的に減量していく意識を持ちましょう。そのためにも生活習慣の意識が大切です。