エリミンの副作用(対策と比較)

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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エリミンは、1977年に発売されたベンゾジアゼピン系睡眠薬です。普通に使えば問題のない睡眠薬なのですが、乱用されることが多く、「赤玉」とよばれる悪評高い睡眠薬です。このため、2015年11月には発売中止となってしまいます。

エリミンの副作用としては、どのようなところに気を付ければよいのでしょうか?エリミンを普通に使っている方が過度に心配されないために、エリミンの副作用について詳しく説明していきたいと思います。

 

1.エリミンの副作用の特徴

エリミンは作用時間はやや長く、眠気の持ち越しやふらつきの副作用が多いです。健忘の副作用も、アルコールと一緒に乱用されることでよく認められます。依存性の高い睡眠薬です。

睡眠薬の副作用としてよく認められる症状としては、大きく3つあります。

  • 眠気
  • 健忘
  • ふらつき

睡眠薬は夜の時間だけに作用してくれればよいのですが、睡眠薬が効きすぎてしまって「翌朝までの眠気の持ち越し」がみられることがあります。また、作用時間の長い睡眠薬では、薬が少しずつ身体にたまっていくことで眠気がでてくることがあります。

また、睡眠薬を飲んでからの記憶が抜け落ちてしまう「前向性健忘」が認められることがあります。急激な催眠作用がある睡眠薬では、中途半端な覚醒状態をつくってしまうことがあるのです。

そして睡眠薬は、催眠作用だけでなく筋弛緩作用も認められます。このため、ふらつきが認められることがあるので注意が必要です。

さらに睡眠薬の安全性として、依存性を考えなくてはいけません。睡眠薬に身体が慣れてしまうと、薬をなかなかやめられなくなってしまいます。

 

エリミンについてみてみましょう。エリミンは作用時間がやや長い睡眠薬です。このため、「眠気の持ち越し」の副作用は多いお薬になります。「健忘」の副作用も、アルコールと一緒に乱用されることでよく認められます。

さらにエリミンは筋弛緩作用が認められ、作用時間が長いので薬が少しずつ身体にたまっていきます。ですから「ふらつき」の副作用も多いです。

エリミンは多幸感などもあり乱用されることが多く、依存性は高い睡眠薬です。

 

エリミンの効果について詳しく知りたい方は、
エリミン錠の効果と強さ
をお読みください。

 

2.エリミンの副作用①-眠気の翌朝への持ち越し

エリミンでは、よく認められます。睡眠時間を確保しても変わらない場合、減量したり、作用時間の短い睡眠薬に変えてみましょう。

睡眠薬は夜だけに効いてくれれば理想ですね。ですが睡眠薬が効きすぎてしまうと、翌朝まで眠気が続いてしまうことがあります。これを「持ち越し効果(hung over)」といったりします。眠気だけでなく、だるさや集中力の低下、ふらつきなどがみられます。

「眠気が強くて朝起きれない」
「午前中がぼーっとしてしまう」
となってしまうと生活に支障がきてしまいますね。事故などにつながることもあるので注意が必要です。

 

エリミンは中間型の睡眠薬に分類されます。エリミンを服用した時の血中濃度変化は2段階にわかれています。

エリミンは、服用すると2~4時間くらいで血中濃度がピークになります。そこから少しずつ身体から抜けていって、12時間すると血中濃度が半分近くになります。そこからさらにゆっくりと薬が抜けていき、全体では21時間ほどかけて血中濃度が半分になります。

このように作用時間が長い睡眠薬で、寝付きやすい土台をつくるような睡眠薬です。睡眠中を通して効果が持続しますが、朝起きてからも睡眠薬の効果が残ってしまうこともあります。そうすると、翌朝にも睡眠薬の効果を持ち越してしまう「持ち越し効果」がみられるのです。承認時の調査ですと、1.2%の頻度と報告されています。

エリミンは24時間たっても身体に薬が残っているので、次の日もエリミンを服用すると少しずつたまっていってしまいます。この蓄積が日中の眠気や倦怠感などにつながってしまいます。服用してから4~5日するまでは血中濃度が安定しないので、それまでは睡眠薬による日中の眠気やだるさにも注意が必要です。

 

このような時は、はじめに睡眠時間がちゃんと確保できるかを確認します。睡眠時間が短かったら、薬の効果が朝に残ってしまうのも当たり前ですものね。その場合は、睡眠時間を確保するようにしていただきます。それでも改善しなければ、より短い作用時間の睡眠薬に変えるか、エリミンを減量していくかになります。

5mgを使っていて睡眠を改善できている方では、まずは減量を検討していきます。睡眠薬の量を減らすと作用時間が短くなります。睡眠薬の量を変えた時の血中濃度と作用時間の関係をグラフでみてみましょう。

睡眠薬の量と効果の関係を考えてみましょう。

薬の量を2倍にすると、グラフの山が高くなります。ですが薬の増えたり減ったりす るスピードは大きくはかわりませんので、上図のような血中濃度と なります。ここで、睡眠薬が有効な濃度となる時間をみてみましょう。薬の量を半分にすると、効果の持続時間がオレンジからブルーの矢印へと短くなりますね。

 

減量で上手くいかない時は睡眠薬を変更していきます。エリミンより作用時間が短い短時間型や超短時間型の睡眠薬を試してみてもよいでしょう。短時間型でしたらレンドルミンやリスミーやエバミール、超短時間型でしたらルネスタやアモバンでしょう。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のアモバン・ルネスタにできるならば、そちらの方が安全性が高いです。

 

3.エリミンの副作用②-健忘

エリミンは中間型ですが、アルコールと併用すると健忘がよくみられます。お酒と一緒に飲むことは絶対にやめましょう。

睡眠薬を服用した後に、記憶することができなくなってしまうことがあります。朝起きると自分でも全く覚えていないのにお菓子の袋が散らかっていたり、友達に電話してしまっていたりします。アメリカの議員がマイスリーを服用した後に、記憶がないままに車の事故をおこしてしまったことを機に注目されるようになりました。

記憶することができないだけですので、不思議かもしれませんが周囲からみると普通に行動しています。当の本人は全く覚えていないので不気味ですし、生活にも支障をきたしますね。

 

睡眠薬を飲んでから物忘れが起こってしまうので、「前向性健忘」といいます。このような状態になるのは、睡眠薬が中途半端な覚醒状態にしてしまうためです。その結果、海馬を中心とした記憶に関わる部分の機能だけが落ちてしまうのです。

前向性健忘は、睡眠薬が急激に作用する時に起こりやすいです。

  • 効果の短いタイプの睡眠薬
  • 睡眠薬の量が多い
  • アルコールと睡眠薬を併用した時

このような時には、前向性健忘がおこりやすくなってしまいます。エリミンは中間型に分類される睡眠薬ですので、通常に使用していれば健忘も起こりにくいです。ですが、お酒と一緒にのんで乱用されることが多く、健忘を楽しむ方もいらっしゃいます。

エリミンで健忘がみられた場合は、

  • 睡眠薬に変える
  • エリミンを減量する
  • アルコールと一緒に睡眠薬を絶対に飲まない

これらの対策をとっていきましょう。エリミンとお酒は非常に危険ですので、絶対に一緒に服用してはいけません。睡眠薬を変更するとしたら、エリミンと効果が近いベンザリン/ネルボンがよいかと思います。それ以外にも、短時間型のレンドルミン・リスミー・エバミール、長時間型のドラールなどに切り替えを検討していきます。

 

4.エリミンの副作用③-ふらつき

エリミンでは注意が必要です。ふらつきがみられたら減量するか、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に変更を検討しましょう。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は睡眠作用を期待して作ったお薬ですが、その他にも筋弛緩作用も働いてしまいます。緊張が強くて肩がこってしまったり、身体に緊張やこわばりがある時はむしろ大歓迎の作用になります。ですが、高齢で足腰が弱っている方に筋弛緩作用が強く出てしまうと、ふらついてしまって危ないです。トイレで夜中に目が覚めた時に、眠気も相まって転倒して骨折してしまうようなこともあります。

エリミンは筋弛緩作用が眠気よりも先に出てきます。眠気が出てくるのはエリミンを服用したから1~2時間してからですが、筋弛緩作用は30分ほどで出てきます。このため、ふらつきには注意が必要です。承認時および市販後調査では2.5%の報告があります。軽いものも含めるともう少し多いでしょう。

 

ふらつきがみられた場合、エリミンを減量するか、睡眠薬の変更を検討します。エリミンを少なくすれば作用も弱くなってしまいますが、ふらつきの副作用も軽減されます。

可能であるならば非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のアモバンやルネスタへの変更を検討しましょう。これらの睡眠薬は作用が睡眠に特化していて、筋弛緩作用が非常に少ないです。高齢の方では、積極的に切り替えを検討した方がよいかも知れません。

 

5.エリミンの安全性-依存性

エリミンは依存を形成しやすいです。離脱症状や反跳性不眠のために、なかなか薬をやめられなくなる方もいらっしゃいます。

睡眠薬では、依存してしまって止められなくなってしまうことがあります。ですから、ちゃんと出口を見据えて薬を使っていくことが大切です。

依存には大きく3つのポイントがあります。身体依存と精神依存と耐性の3つです。

身体依存とは、薬が急になくなってしまうことで身体がビックリしてしまう状態です。身体が薬のある状態に慣れてしまうことで、急になくなるとバランスが崩れてしまいます。身体の依存です。睡眠薬を急にやめてしまうと、むしろひどい不眠(反跳性不眠)や体調不良(離脱症状)におそわれることがあります。

精神依存とは、精神的に頼ってしまうということですが、これは効果の実感の強さが重要です。効果が早く実感され、効果がきれる実感が大きいものほど精神的に頼ってしまいます。心の依存です。不眠は非常につらいですから、睡眠薬には頼ってしまうようになります。

耐性とは、薬が体に慣れてしまい効果が薄れていくことです。はじめは1錠で効いていたのに少しずつ眠れなくなってしまう時は、耐性が形成されています。

 

睡眠薬の依存を心配されている方は多いですが、アルコールに比べたらマシです。過度に心配することはありません。医師の指示通りの量を守って服用していれば、ほとんど問題ありません。睡眠薬依存が本当に問題になるのは、睡眠薬の量がどんどん増えて大量になってしまう方です。耐性ができて薬が効かなくなっていき、その結果どんどん薬の量が増えているのです。このような方は注意が必要ですが、ちゃんとある程度の量でコントロールできているならば大丈夫です。

 

エリミンは乱用されることが多く、依存性は強いです。用法を守って使っていれば何の問題もないのですが、エリミンが依存しやすい理由は大きく3つあります。

  • 薬の効果がアルコールに似ている
  • アルコールとの相互作用
  • 薬の外観が強烈で希少性もある

詳しくは、
エリミン錠が「赤玉」と呼ばれる理由
をお読みください。

エリミンを乱用すると必ず後悔します。絶対にお酒との併用はやめて、用法どおりに使いましょう。

 

まとめ

エリミンでは、持ち越し効果がよく認められます。睡眠時間を確保しても変わらない場合、減量したり、作用時間の短い睡眠薬に変えてみましょう。

エリミンは中間型ですが、アルコールと併用すると健忘がよくみられます。お酒と一緒に飲むことは絶対にやめましょう。

エリミンではふらつきに注意が必要です。ふらつきがみられたら減量するか、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に変更を検討しましょう。

エリミンは依存を形成しやすいです。離脱症状や反跳性不眠のために、なかなか薬をやめられなくなる方もいらっしゃいます。

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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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