デパスとジェネリックの違いとは?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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デパスは1984年に発売されたので、30年あまりの年月がたっています。このため、既にジェネリックが発売されています。

デパスのジェネリックは、以前は「エチカーム」「パルギン」「メディピース」など様々な商品名のお薬がありました。現在は「エチゾラム」という一般名(成分名)に統一されつつあります。エチゾラム「トーワ」、エチゾラム「フジナガ」、エチゾラム「SW」などが発売されています。

それでは、先発品のデパスとジェネリック(エチゾラム)にはどのような違いがあるのでしょうか?詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

1.エチゾラムとは?

デパスのジェネリックは、エチゾラムに統一されつつあります。

デパスの有効成分はエチゾラムといいます。デパスは日本では1984年から発売されています。

開発には莫大なお金がかかりますので、その権利を保障するために10年ほどは特許で守られます。この特許がきれると、ジェネリックが発売できるようになります。デパスもすでに特許がきれているので、ジェネリックが発売されています。

薬によっては様々な名前のジェネリックが発売されていることもありましたが、紛らわしさから一般名(成分名)に統一しようという流れになってきています。デパスであれば、エチゾラムに統一しようということになります。

  • エチカーム→エチゾラム「トーワ」
  • パルギン→エチゾラム「フジナガ」
  • メディピース→エチゾラム「SW」
  • セデコパン→エチゾラム「JG」
  • デゾラム→エチゾラム「日医工」へ統合
  • エチセダン→エチゾラム「アメル」
  • アロファルム→エチゾラム「日医工」
  • カプセーフ→エチゾラム「オーハラ」
  • デムナット→エチゾラム「ツルハラ」
  • ノンネルブ→エチゾラム「日新」
  • モーズン→エチゾラム「TCK」

このように名称変更されて、エチゾラムに統一されています。

 

2.デパスとジェネリックの違い(薬価・剤形)

デパス錠1mgからエチゾラム錠1mgにすると、5割くらいの薬価になります。0.25mgや0.5mgでは、2/3くらいの薬価になります。

ジェネリックになると安くなると言われていますね。デパスは発売から時間がたっているので、薬価も安くなっています。ジェネリックにするとさらに安くなります。実際に薬価を比較してみましょう。

<先発品>

商品名 剤形 薬価
デパス錠 0.25mg 9.0円
デパス錠 0.5mg 9.0円
デパス錠 1mg 13.0円
デパス細粒 1% 119.2円/g

<ジェネリック(後発品)>

商品名 剤形 薬価
エチゾラム錠 0.25mg 5.8~6.2円
エチゾラム錠 0.5mg 6.0~6.3円
エチゾラム錠 1mg 6.4~9.6円
エチゾラム細粒 1% 26.8円/g

 

デパスのジェネリックのエチゾラムでは、量によって薬価の違いがほとんどありません。先発品のデパスでは、当然量が増えれば薬価が高くなります。このため、デパスの量が多い錠剤の方がジェネリックにするメリットが大きくなります。

デパス1mg錠は、ジェネリックの恩恵を一番うけることができます。デパス1mg錠からエチゾラム1mg錠にかえると、5割くらいの薬価になります。

デパス0.25mgや0.5mgでは、ジェネリックのエチゾラムにすると、2/3くらいの薬価になります。

※2015年9月17日現在の薬価です。

 

3.デパスとジェネリックの効果の違い

ほとんど効果は同じと考えられますが、効き方の違いを感じる方もいます。

デパスの効果について知りたい方は、
デパス錠の効果と効能の強さ
をお読みください。

 

成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。このように製薬会社によって違いはありますが、デパスのジェネリックと認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。

ジェネリックのエチゾラムを服用してからの血中濃度の変化が、デパスと比べて誤差80~125%の間にあることが条件なのです。

こういわれると最大で45%も違うのかと驚かれるかもしれませんが、そういうことではありません。薬の吸収や代謝の個人差を考えれば、この間に入っていれば統計的に同じとみなせるのです。

実際に930ものジェネリックと先発品を比較すると、最大血中濃度では4.61±3.41%の差しかなかったと報告されています。

 

このようにエチゾラムとデパスでは、血中濃度がピークになる時間や身体から薬が抜けていくスピードなどがほとんど同じです。この違いは小さいのですが、人によってはちょっとした差を感じる方もいらっしゃいます。

ですから、ジェネリックにかえたことで調子が悪くなる方もいらっしゃいます。先発品とジェネリックの違いもありますが、気持ちの問題も大きいです。薬を変えてしまったということを不安に思ってしまったり、ジェネリックだから効果が弱いという思い込みなどから効かなくなってしまうこともあります。

ジェネリックにしてから調子がよくないと思ったら、主治医に相談して先発品のデパスにかえてもらいましょう。

 

4.デパスとジェネリックの副作用の違い

副作用のおおまかな特徴は同じですが、眠気やふらつきの出方が多少異なることがあります。

エチゾラムの副作用について知りたい方は、
デパスの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

ジェネリックのエチゾラムは、デパスと有効成分は全く同じです。有効成分が同じですから、副作用のおおまかな特徴はかわりません。ですが、薬の効き方が多少異なりますので、副作用の出方に影響があります。

薬の血中濃度のピークは、デパスが3時間後となっています。エチゾラムもほとんど変わらないことが示されていますが、人によっては副作用の出方も異なります。半減期は6時間ですので作用時間は4~6時間です。眠気やふらつきの副作用には注意が必要です。

 

まとめ

デパスのジェネリックは、エチゾラムに統一されつつあります。

デパス錠1mgからエチゾラム錠1mgにすると、5割くらいの薬価になります。0.25mgや0.5mgでは、2/3くらいの薬価になります。

ほとんど効果は同じと考えられますが、効き方の違いを感じる方もいます。

副作用のおおまかな特徴は同じですが、眠気やふらつきの出方が多少異なることがあります。

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