エチゾラムの半減期と効果時間
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
エチゾラムは、効果の強い抗不安薬デパスのジェネリックです。副作用にも注意は必要ですが、不安感や緊張感が強い時によく使われるお薬です。エチゾラムの作用時間や効き目は、半減期から考えることができます。
エチゾラムは最高血中濃度到達時間が3時間、半減期が6時間です。エチゾラムは即効性が期待でき、作用時間は比較的短いです。このため、不安が強い時に頓服として効果が期待できます。エチゾラムの効果時間は4~6時間ほどなので、1日中効果を期待したいときは1日3回服用をしていきます。
ここでは、エチゾラムの作用時間と半減期について詳しく見ていきたいと思います。
1.薬の半減期とは?
薬を飲んでから血中濃度が半分になるまでの時間のことです。
薬を飲み始めると、直後は血中濃度がどんどんと上がっていきます。薬の吸収がおわると、薬は代謝されて身体から出ていきますので、少しずつ血中濃度が減少していきます。身体が薬を代謝できるスピードは決まっていますので、どれくらいの量であっても一定のスピードで身体から抜けていきます。このため、薬の量が半分になるまでにかかる時間は、内服量にかかわらず一定になります。
この血中濃度が半分になるまでにかかる時間を半減期(T1/2)といいます。T1/2が短いほど、薬の切れ味がよく身体からすぐになくなるといえます。反対にT1/2が長いほど、薬が身体に蓄積しやすいといえます。
薬の効き方を考えるにあたって、もう1つのポイントがあります。最高血中濃度到達時間(Tmax)です。これは文字通りで、血中濃度がピークに達するまでの時間です。効果がでるまでのスピードに関係しています。Tmaxが短いほど、抗不安薬の効果がすぐに表れることを意味しています。
2.エチゾラムの作用時間と効果時間
エチゾラムは、最高血中濃度到達時間が3時間、半減期が6時間の短時間型抗不安薬です。効果時間は4~6時間ほどで、即効性が期待できます。エチゾラムを1日中効かせたいときは、1日に3回服用する必要があります。
エチゾラムを服用するとどのように血中濃度が変化するでしょうか?薬を発売するにあたって、製薬会社がテストを繰り返していまそれによると、エチゾラムの最高血中濃度到達時間は3時間、半減期は6時間となっています。
エチゾラムを服用すると、はじめの1時間で急激に血中濃度が上がっていきます。3時間すると血中濃度がピークになり、そこから少しずつ身体から抜けていき、6時間すると半分の量になります。
このような血中濃度の変化をするので、エチゾラムは即効性があって、飲み始めて20~30分ほどで効果が実感できます。効果のピークは3時間ほどしてから訪れて、その後6時間かけて半減していきます。
エチゾラムのような作用時間の抗不安薬は、「短時間型」に分類されます。
効果の持続時間は 個人差があり、薬が効きやすい方と効きにくい方がいらっしゃいます。エチゾラムの効果の持続時間は、およそ4~6時間といったところになります。1日中エチゾラムを効かせようと思ったら、1日3回服用しなくてはいけません。
エチゾラムの効果について知りたい方は、
エチゾラム錠の効果と効能の強さ
をお読みください。
3.抗不安薬の半減期・作用時間の比較
作用時間が短い薬は不安発作への即効性を期待し、長い薬は1日を通しての安定に期待します。エチゾラムは短時間型に分類されます。
抗不安薬には、さまざまな種類が発売されています。抗不安薬を比較するにあたっては、2つのポイントがあります。
- 作用時間(最高血中濃度到達時間・半減期)
- 4つの作用への強さ(抗不安・催眠・筋弛緩・抗けいれん)
よく使われるベンゾジアゼピン系抗不安薬で、この2つのポイントを比較してみましょう。
作用時間によってタイプがわかれています。作用時間は、ピーク(最高血中濃度到達時間)と半減期をみるとわかります。
作用時間は短時間作用型~超長時間作用型までの4つに分類できます。
短時間~中間型に関しては、即効性を期待して使うことが多いです。一方で超長時間型は、飲み続けていくことで全体的に落ち着かせる土台をつくるようなお薬です。長時間型はその中間に位置していて、即効性も期待できますし、飲み続けていくことで不安を落ち着かせていくこともできます。
この他にも、抗不安薬はたくさん発売されています。頻度はかなり減りますが、服用されている方もいらっしゃるかと思います。それぞれのお薬の特徴を表にまとめましたので参考にしてください。
4.エチゾラムの使い方
エチゾラム頓服→作用時間が長い薬+エチゾラム頓服→エチゾラム常用という3段階のステップで使っていきます。
エチゾラムは即効性が期待できるお薬です。1日薬の効果を期待したいときは、1日3回服用する必要があります。それではエチゾラムはどのようにして使っていくのか見ていきましょう。
抗不安薬はできるだけ少なくしたい方が身体に負担が少ないです。このため、エチゾラムは3つの段階で使っていきます。
①不安が強い時だけエチゾラムを頓服
②作用時間の長い抗不安薬+エチゾラム頓服
③エチゾラムを常用
エチゾラムは依存性がとても強いお薬です。このため、できるだけ常用しないようにしていきます。頓服で使っている場合は、依存になることはありません。アルコールで考えるならば、飲み会の時だけたくさんお酒を飲んでもアル中にはならないですよね。エチゾラムは強力な抗不安効果があるので、不安発作みられたときに服用していただきます。
不安が1日を通して強い場合は、生活全体を抗不安薬でカバーする必要があります。この場合は、作用時間の長い抗不安薬から使っていきます。私はメイラックスを使っていくことが多いです。作用時間が長いということは、身体から抜けていくのもゆっくりということを意味します。このため、離脱症状が起こりにくいのです。このような効きの長い抗不安薬でカバーして、発作的な不安に対してエチゾラムを使っていきます。
長時間型でもカバーできない方は、エチゾラムを常用していきます。薬が身体にたまっていって、より安定した効果が期待できます。このようにエチゾラムが常用となる場合は、SSRIなどの抗うつ剤と併用していきます。抗うつ剤の効果はジワジワと出てくるので、効果が出てきたら切り替えていきます。
まとめ
半減期とは、薬を飲んでから血中濃度が半分になるまでの時間のことです。
エチゾラムは、最高血中濃度到達時間が3時間、半減期が6時間の短時間型抗不安薬です。効果時間は4~6時間ほどで、即効性が期待できます。エチゾラムを1日中効かせたいときは、1日に3回服用する必要があります。
エチゾラム頓服→作用時間が長い薬+エチゾラム頓服→エチゾラム常用という3段階のステップで使っていきます。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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