ルジオミール錠とマプロチリン錠の違いとは?
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック
ルジオミール錠は、1981年に発売された昔からあるお薬です。すでに発売から年月もたっていますので、ジェネリック医薬品としてのマプロチリン錠やクロンモリン錠も発売されています。
それでは、ルジオミール錠とジェネリック(マプロチリン錠)にはどのような違いがあるのでしょうか?お伝えしていきたいと思います。
1.マプロチリンとは?
ルジオミールのジェネリック医薬品で、同じ名称で複数発売されています。
マプロチリンとは、ルジオミールの成分の名前です。有効成分であるマプロチリンは1960年代から見つかっており、先に海外で発売されていました。日本でも独自に調査をすすめ、長い年月をかけて1981年から発売されました。お薬として承認されてから、ノバルティスファーマが売り出した商品が「ルジオミール」になります。開発には莫大なお金がかかりますので、その権利を保障するために10年ほどは特許で守られます。この特許がきれると、ジェネリック医薬品が発売できるようになります。
ですから、はじめのうちは一般の方がマプロチリンという成分名を目にする機会は少なかったと思います。ですが、ジェネリック医薬品が発売されるようになると一気に広まります。価格が安いこともあって処方されることが増えまたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
ジェネリック医薬品は、以前は独自の名前がつけら れていました。ルジオミールも、クロンモリンやマプロミールなどが発売されています。最近のジェネリックは、紛らわしさをなくすため、「一般名+会社名」とすることが多くなりました。このため、マプロチリンという名前に統一されつつあります。患者さんに飲んでいるお薬の名前をお聞きすると、「」がついている会社名ばかり印象に残ってしまうことがありますので、注意してくださいね。
2.ルジオミール錠とマプロチリン錠の薬価の違い
ジェネリックは、ルジオミールの5割程度の薬価になっています。
ジェネリックになると安くなると言われていますね。だいたい6割になることが多いです。マプロチリンはルジオミールの5割くらいの薬価に設定されています。各ジェネリック医薬品の中でも薬価には差がありますが、これは製薬会社から薬局への卸値の違いで決まってきます。どのジェネリックを採用しているかは薬局によって異なりますので、確認してみてください。差があるといっても 10%程度ですので、自己負担で考えると1%~3%程度の違いになります。マプロチリンは安いので、ほとんど影響ないと思います。
<先発品>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
ルジオミール錠 | 10mg | 12.6円 |
ルジオミール錠 | 25mg | 25.6円 |
<ジェネリック(後発品)>
商品名 | 剤形 | 薬価 |
マプロチリン錠 | 10mg | 6.0~6.8円 |
マプロチリン錠 | 25mg | 12.2~14.7円 |
マプロチリン錠 | 50mg | 29.0円 |
ルジオミール50mg錠剤は、あまり処方がないので先発品では発売が中止になりました。このため、50mgを使うならばジェネリックしかありません。
※2015年7月19日現在の薬価です。
3.ルジオミール錠とマプロチリン錠の効果の違い
理論的には効果の違いは大きくありません。ですが、気持ちの問題で効果に違いを感じる方がいらっしゃいます。その場合は、主治医と相談して先発品に戻してもらいましょう。
マプロチリンの効果について知りたい方は、
ルジオミールの効果と特徴
をお読みください。
成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。このように製薬会社によって違いはありますが、ルジオミールのジェネリックと認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。ジェネリックのマプロチリンを服用してか らの血中濃度の変化が、ルジオミールと比べて誤差80~125%の間にあることが条件なのです。
抗うつ薬は、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。抗うつ薬が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。そして服用を始めて4~5日ぐらいで、薬の体内での濃度が安定します。
様々な会社がマプロチリンを発売していますが、血中濃度がピークになる時間や身体から薬が抜けていくスピードなど、それぞれの薬で少しずつ違いが あります。ですがマプロチリンは、服用を続けて血中濃度が安定することで効果が出てくる薬です。このように、身体にたまっていくこと で効果が発揮される薬では、多少の薬の違いは効果に影響しません。例えば睡眠薬など、即効性を期待する薬でしたら、薬の効き方の違いは大きく出てきます。
ですから、初めから同じジェネリックのマプロチリンを使えば、ルジオミールと同様の効果が期待できると考えています。そのためにも、同じ薬局でお薬をもらうように心がけましょう。
なかにはジェネリックにかえたことで調子が悪くなる方もいらっしゃいます。多くの方が、「気持ちの問題」です。薬を変えてしまったということ を不安に思ってしまったり、ジェネリックだから効果が弱いという思い込みなどが原因です。ですが、この気持ちの問題はとても大切です。ジェネリックにしてから調子がよくないと思ったら、主治医に相談して先発品のルジオミールにかえてもらいましょう。
4.ルジオミール錠とマプロチリン錠の副作用の違い
副作用の出やすさに多少の違いはあると考えられますが、有効成分も同じなのでほとんど差がありません。
マプロチリンの副作用について知りたい方は、
ルジオミールの副作用
をお読みください。
ジェネリックのマプロチリンは、ルジオミールと有効成分は全く同じです。ですが、薬の効き方が多少異なってしまいます。この影響は、薬の効果よりも副作用に違いが出てきます。
有効成分が同じですから、副作用のおおまかな特徴はかわりません。副作用としては、眠気が目立ちます。
一般的に副作用は、血中濃度がピークになる時に最も出やすくなります。ジェネリックのマプロチリンは、作っている製薬会社によって血中濃度の変化が異なりま すので、副作用の出やすさには差があります。必ずしも先発品のルジオミールよりも副作用が増えるというわけではありません。先発品よりも緩やかに血中濃度が増加して緩やかに身体から抜けていくジェネリックでしたら、理論的には副作用が軽減されます。実際にジェネリックを使っていて、「副作用が増えたから先発品に戻してほしい」ということは、ほとんどありません。
まとめ
マプロチリンはルジオミールのジェネリック医薬品で、同じ名称で複数発売されています。
ジェネリックは、ルジオミールの5割程度の薬価になっています。
理論的には効果の違いは大きくありません。ですが、気持ちの問題で効果に違いを感じる方がいらっしゃいます。その場合は、主治医と相談して先発品に戻してもらいましょう。
副作用の出やすさに多少の違いはあると考えられますが、有効成分も同じなのでほとんど差がありません。
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
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