利尿薬のまとめ(降圧薬)

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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利尿薬は、塩分とり過ぎの高血圧の方によく使われます。また、他の降圧薬の効果を増強する働きがあるので、併用されることが多いです。

ここでは最新のガイドラインに基づいて、降圧薬として使われる利尿薬についてまとめていきたいと思います。

 

1.利尿薬の作用機序

尿をたくさんださせて、血液量を減少させることで血圧を下げます。

利尿薬とは、尿をたくさん出させることで血圧を下げる薬です。尿は血液が腎臓でこしだされて作られます。身体にとって不要なものは尿として捨てられます。血液を流れる水分の調節もここで行われていて、余分な水分は捨てられます。

尿の量を増やす、すなわち血液の水分が減ればどのようになるでしょうか?身体をめぐる血液量が減ることを意味しますね。血液量が減れば、その分だけ押し出す力は小さくても大丈夫です。このため、血圧は減少するのです。利尿薬は身体にだぶついた水分を減らす働きがあるので、血圧を下げるだけでなく、身体に過剰な水分がたまっている時にも使われます。

それではどのようにして尿を増やすのでしょうか?これにはナトリウムが大きく関係しています。ナトリウムの濃度が高くなると、水分が移動して濃度を保とうとします。このため、ナトリウムと水分は一緒に動くという特徴があります。ですから、ナトリウムが尿にたくさん排泄すれば、水分も同時にたくさん尿に出ていきます。

 

2.利尿薬の種類と特徴

塩分過剰の高血圧の方に有効です。また、他の降圧薬と併用して相乗効果をもたらします。

<ループ利尿薬>

  • フロセミド(®ラシックス)
  • アゾセミド(®ダイアート)

<サイアザイド系利尿薬>

  • トリクロルメチアジド(®フルイトラン)
  • メフルシド(®バイカロン)

<K保持性利尿薬>

  • スピロノラクトン(®アルダクトンA)
  • トリアムテレン(®トリテレン)

 

利尿薬の作用の仕方は種類によって異なります。大きくわけて3種類の利尿薬があります。

ループ利尿薬では、尿を作るステップの最初の方に働きます。近位尿細管という部分に働いて、ナトリウムの再吸収を抑制します。サイアザイド系利尿薬では、尿を作る中盤~終盤の遠位尿細管に働いて、ナトリウムの再吸収を抑制します。K保持性利尿薬は、薬によって多少作用が異なります。アルダクトンAでは、尿を作る終盤の遠位尿細管や集合管に働いて、アルドステロンを邪魔します。アルドステロンはナトリウムとカリウムの交換をしているので、これを邪魔するので血中のナトリウムが増えて、カリウムが減ります。トリテレンは、アルドステロンと関係なく、ナトリウムとカリウムの交換を邪魔します。

いずれの利尿薬もナトリウムを身体の外に出すことで血圧を下げる働きがあります。ですから、塩分過剰の高血圧の方には効果的です。また、他の降圧薬と併用すると相乗効果をもたらします。

 

3.利尿薬の使い分け

ループ利尿薬は降圧作用は弱くて水分排出目的に使います。降圧効果はサイアザイド系利尿薬が一番です。低Kが怖い時は、K保持性利尿薬を使います。

それぞれの薬の特徴と使い分けをみていきましょう。

ラシックスなどのループ利尿薬は、利尿作用は強いですが降圧作用はそこまで強くありません。ですが腎機能を悪化させにくいという特徴があるので、腎機能が悪いとき(GFR30未満)は最初に使われます。

降圧効果を期待して使われる薬は、フルイトランなどのサイアザイド系利尿薬です。利尿作用だけでなく、末梢血管の抵抗が下がることが示されています。このため、血圧がしっかりと下がります。腎機能が悪くない時は、まずはこの利尿薬から使われます。

スピロノラクトンAなどのK保持性利尿薬は、その名前の通りカリウムが下がりません。ですから、低カリウム血症が心配されるときに使われます。また、臓器保護作用があるために、心不全や心筋梗塞後によく使われます。

 

4.利尿薬の副作用

ループ利尿薬では低K、サイアザイド系では低K・高血糖・高尿酸・高中性脂肪・光線過敏、K保持性利尿薬では、高K・女性化乳房・性機能障害に注意が必要です。

副作用としては、ループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬では低カリウム血症がみられます。ナトリウムが尿中に増えるので、後半の遠位尿細管でつじつま合わせをします。ナトリウムとカリウムの交換が活発化して、ナトリウムが血中に戻ってくるかわりに、カリウムが尿中に出ていきます。このため低カリウム血症となります。

サイアザイド系利尿薬では他にも、低Mg血症、高血糖、高尿酸血症、中性脂肪上昇、光線過敏症などの副作用があります。K保持性利尿薬としては、高K血症、女性化乳房や性機能障害などの副作用があります。

 

まとめ

尿をたくさんださせて、血液量を減少させることで血圧を下げます。

塩分過剰の高血圧の方に有効です。また、他の降圧薬と併用して相乗効果をもたらします。

ループ利尿薬は降圧作用は弱くて水分排出目的に使います。降圧効果はサイアザイド系利尿薬が一番です。低Kが怖い時は、K保持性利尿薬を使います。

ループ利尿薬では低K、サイアザイド系では低K・高血糖・高尿酸・高中性脂肪・光線過敏、K保持性利尿薬では、高K・女性化乳房・性機能障害に注意が必要です。

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