2015年7月19日 / 最終更新日時 : 2016年8月25日元住吉こころみクリニックトリプタノール

ノーマルン錠の効果と副作用

元住吉こころみクリニック: 2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医と精神科医が協力して診療を行っています。
元住吉こころみクリニック

トリプタノール錠は1961年に発売されたお薬です。

すでに発売から年月もたっていますので、ジェネリック医薬品としてのアミトリプチリン錠やノーマルン錠も発売されています。

それでは、先発品のトリプタノール錠と後発品であるアミトリプチリン錠にはどのような違いがあるのでしょうか？お伝えしていきたいと思います。

１．アミトリプチリンとは？

トリプタノールの後発品で、３種類が発売されています。

アミトリプチリンとは、トリプタノールの成分の名前です。有効成分であるアミトリプチリンは、アルフレッサファーマ社によって開発されました。この会社の商品が「トリプタノール」になります。

開発には莫大なお金がかかりますので、その権利を保障するために１０年ほどは特許で守られます。この特許がきれると、ジェネリック医薬品が発売できるようになります。

ですから、はじめのうちは一般の方がアミトリプチリンという成分名を目にする機会は少なかったと思います。ですが、後発品が発売されるようになると広まっていきました。アミトリプチリンは先発品と同じ価格になっています。アミトリプチリンの他に、ノーマルンという後発品が発売されています。

２．トリプタノール錠とアミトリプチリン錠の薬価の違い

アミトリプチリンは、トリプタノールと同じ薬価になっています。

ジェネリックになると安くなると言われていますね。だいたい６割になることが多いのですが、トリプタノールの場合はまったくかわりません。ですから、厳密にいうとジェネリック医薬品には分類されません。

アミトリプチリン・ノーマルン10mg　　9.6円　（トリプタノール9.6円）
アミトリプチリン・ノーマルン25mg　　9.6円（トリプタノール9.6円）

もともと先発品も安いため、後発品の薬価も変わりませんでした。

※2015年7月19日現在の薬価です。

３．トリプタノール錠とノーマルン錠の効果の違い

理論的には効果の違いは大きくありません。ですが、気持ちの問題で効果に違いを感じる方がいらっしゃいます。その場合は、主治医と相談して先発品に戻してもらいましょう。

アミトリプチリンの効果について知りたい方は、
トリプタノールの効果と特徴
をお読みください。

成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。このように製薬会社によって違いはありますが、トリプタノールの後発品と認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。

ジェネリックのアミトリプチリンを服用してからの血中濃度の変化が、トリプタノールと比べて誤差80～125%の間にあることが条件なのです。

抗うつ薬は、一般的には効果が出てくるには２週間程度かかります。抗うつ薬が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。そして服用を始めて４～５日ぐらいで、薬の体内での濃度が安定します。

アミトリプチリンやノーマルンでも、血中濃度がピークになる時間や身体から薬が抜けていくスピードなど、少しずつ違いがあります。ですがアミトリプチリンは、１日１回の服用を続けて血中濃度が安定することで効果が出てくる薬です。

このように、身体にたまっていくことで効果が発揮される薬では、多少の薬の違いは効果に影響しません。例えば睡眠薬など、即効性を期待する薬でしたら、薬の効き方の違いは大きく出てきます。

ですから、初めから同じ後発品のアミトリプチリンやノーマルンを使えば、トリプタノールと同様の効果が期待できると考えています。そのためにも、同じ薬局でお薬をもらうように心がけましょう。

中には後発品にかえたことで調子が悪くなった方もいらっしゃるかもしれません。ほとんどの方が、「気持ちの問題」です。薬を変えてしまったということを不安に思ってしまったり、後発品だから効果が弱いという思い込みなどが原因です。ですが、この気持ちの問題はとても大切です。後発品にしてから調子がよくないと思ったら、主治医に相談して先発品のトリプタノールにかえてもらいましょう。