産業医の選任にあたって、産業医の上手な選び方

アイコン 2015.1.13 安全衛生委員会

50人以上の企業では、産業医を選任する必要があります。

最近は、労働者のメンタル不調が大きな社会問題となっています。多くの企業でも、メンタル不調の対応に苦慮した経験があるかと思います。さらにストレスチェック制度が導入されるに伴って、メンタルヘルスの分野での産業医に求められる役割も大きくなってきています。

このような情勢の中で、産業医はどのような役割を担っているのでしょうか?
企業にとってどのような役に立つのでしょうか?

ここでは、企業側の目線を大事にしながら、産業医をどのように選ぶべきなのか考えていきたいと思います。実情も踏まえて包み隠さずお話ししていきたいと思いますが、はじめに少しだけ宣伝させてください。

私は信頼できる精神科医の先輩が作られた産業医サービスの会社をサポートしています。企業の実情もふまえてバランスのよい判断を大事にしながらも、精神科での臨床経験を生かした産業医サービスをともに作っていきたいと思います。

ご興味頂けた方は、下段に用意いたしましたお問い合わせフォームをご利用いただくか、「産業医グループこころみ」ホームページをご覧ください。

 

1.産業医はどんな医師がなっているのか?

産業医の資格である日本医師会認定産業医は、医師なら誰でも講習に参加すればとれる資格です。本気で産業医を行っている先生は少ないですし、怪しげな会社も多いです。

産業医の選任にあたって、前向きな理由で産業医を探されている企業様は少ないと思います。「法律で選任が義務付けられているから探している」という企業様が多いでしょう。どうせ選ぶならば自社にあった産業医が良いと思われていると思います。

産業医は何を基準に選べばよいのでしょうか。悩まれている担当者様も多いと思います。私は企業に属しているわけでもなくフリーランスに仕事をしているので、しがらみがありません。産業医業界の実情も踏まえてお伝えしていきたいと思います。

産業医として業務をしている医師は、ほとんど必ず「日本医師会認定産業医」の資格を持っているかと思います。この資格ですが、講習会に50時間参加するだけで誰でもとれます。この資格は当然私ももっていて、研修医の時に夏休みを利用して6日間の連続講座に受講して取得しました。

テストがあるわけでもなく、ただ参加するだけでとれるのです。300人とか参加する大ホールで講義があるわけですが、ご想像の通り多くの参加者が眠っています。

このような資格なので、多くの先生がとりあえず資格をとっています。せっかく資格取ったからと、診療の片手間や学生のアルバイト感覚で行っている方も多いのです。このような先生は、自分は産業医としては未熟だと自覚しているからまだよいです。

産業医の業界には、ビジネスの匂いを嗅ぎつけた怪しげな会社も参入しています。自社のサービスを過大に宣伝しているところも多いです。企業様は実情がわかりませんので、だまされてしまいます。

ここでは産業医サービスについてお伝えし、貴社にあった産業医を選任するにはどうすればよいのかの一助になればと思います。

 

2.産業医の選任に関する法規

50~999名では嘱託産業医、1000名以上では専属産業医を選任しなければなりません。

まずは産業医の選任にあたって、どのような決まりごとがあるのかを整理しておきましょう。産業医の選任は労働安全衛生法第13条によって規定されています。

これらの条件を満たした場合、14日以内に産業医を選任しなくてはならず、すぐに労働基準監督署に届け出なければなりません。

 

3.産業医報酬の相場

産業医報酬は5万~です。

「産業医にはいくら支払えばよいのか?」ということが気になるかとおもいます。およそ従業員の人数によって、医師に支払う1回の訪問の報酬が決まってきます。

従業員数 報酬 従業員数 報酬
50人未満 4万 501~600人 12万
50~100人 6万 601~700人 14万
101~200人 7万 701~800人 16万
201~300人 8万 801~900人 18万
301~400人 9万 901~999人 20万
401~500人 10万 1000人~ 年収1000万~

これは直接契約した時の医師に支払う金額なので、その間に会社が入るといくらか上乗せされます。産業医の報酬は、正直に申し上げてかなり高いです。これには理由があります。

1回の訪問はおよそ2時間ほどです。ですが、医師の拘束時間は半日ほどになります。勤務医の収入は不思議なもので、常勤先のお給料は少ないことが多いのです。バイトが収入源になります。ですから医師のバイト時給は高く、一般的な医療機関でおよそ1万円です。

産業医の業務は交通時間も含めると半日拘束することになるので、仕事をする医師の報酬としては4~5万となります。直接契約ではこれくらいの報酬になりますが、企業に頼むと当然高くなります。

産業医と企業をマッチングをしている企業では、契約時に10万ほどかかり、月々の報酬は1~2万円上乗せされる程度です。

最近増えているのが、独自性を強調してブランディングをすることで、高単価で契約をする産業医会社です。組織対応や産業医の質の担保がなされることでの付加価値はありますが、月12万~のことが多いです。

それが本当に実があれば金額に見合うのでしょうが、残念ながら過剰に大きく見せている会社も少なくありません。ブランドの名のもとに粗悪品を売りつけているような産業医会社もありますので、ご注意ください。

直接契約をすると確かに安いのですが、多くの産業医は訪問以外は関与してくれません。緊急事態に対応してくれたり、メールや電話で常時対応してくれる産業医はごく一部です。

 

4.自社の課題から、産業医に求める目的をはっきりさせる

まずは自社の目的をはっきりさせましょう。

これだけコストのかかる産業医ですから、ちゃんと目的をはっきりさせないともったいないです。

形だけでよいのでしょうか?どんなことを期待するのかを考えてみてください。

と思われたのでしたら、コスト優先になるかと思います。36協定内で残業がコントロールできていて従業員満足度も高く、自社の安全衛生管理上の問題が少ないのでしたらそれでよいかと思います。

しかしながら不安な要素があるのでしたら、しっかりと目的をもって産業医を探されたほうが良いです。場合によっては、不十分なところだけ顧問契約などで補うのも方法でしょう。そのためにも、自社の課題を分析する必要があります。そのうえで、産業医に求めることをはっきりさせましょう。

などと目的をはっきりさせましょう。そのうえで産業医を探されたほうが良いですが、現実的に産業医に重要なのはコミュニケーション能力かと思います。

 

5.目的にあった産業医を選任する

健康管理・過重労働管理・メンタルヘルスのどこに力点をおくかを考えましょう。基本的には、コミュニケーション

嘱託産業医があなたの会社に貢献できるポイントは、大きく3つあります。

詳しくは、「嘱託産業医の業務」をご覧ください。

 

健康管理に関しては、健康診断のフォローアップが中心となります。また、従業員向けにわかりやすく関心が持てるような講話ができたりする先生がよいです。私のサイトでは、衛生委員会でお話しする内容に関してまとめて、後ほど従業員に周知するときに利用していただいています。ぜひご活用ください。

健康管理に関しては、内科医の先生の方が向いているでしょう。企業での健康面というと生活習慣病が中心となってきますので、糖尿病内科や代謝内分泌科などの医師が専門知識はお持ちです。しかしながら、現在は臨床研修で一通りのことは経験しています。生活習慣病は行動変容が重要なので、心理的なアプローチが上手な先生が良いかと思います。

過重労働管理は非常に難しいです。医者は会社組織で働いたこともありませんので、有効な組織改善の提言をできる産業医は少ないと思います。具体的な提言をしたとしても、それは非現実的であったり、偏りがあることが多いと思います。過重労働はマネージメントの問題でもあるので、産業医に過度な期待はできないといえるでしょう。

過重労働者に関しては、面談をしっかりと行ってくれる産業医を選ぶことが大切です。過重労働面談は普通の面談とはことなって、忙しい中で面談を「させられている」従業員と面談をしていきます。相手の気持ちを汲み取りながらも、心身の健康障害のリスクが高い従業員と関係性を築ける先生かどうかが大切です。

メンタルヘルスは、産業医の良し悪しがはっきりと出てきます。コミュニケーションをうまくとって、その場で問題を解決してくれる産業医もいます。一方で、従業員と喧嘩になってしまうような産業医もいます。もちろん、精神疾患に対する知識と経験も大切です。本当の精神疾患の患者さんの時に、対応を間違えると大変なことになってしまいます。

 

このように見ていただくと、産業医で一番大切なのはコミュニケーション能力だということがお分かりいただけるかと思います。極端な話ですが、専門知識が豊富で頭でっかちな産業医より、知識は薄っぺらくても人当たりのよい産業医のほうが無難です。

 

コストを目的とされるのならば、実際に面談してみて人当たりがよくてバランスが取れている産業医を選任されるのが良いと思います。

健康管理を目的とされるならば、どのようにして生活習慣を変えさせていくのか、質問してみてもよいかもしれません。

過重労働管理を目的とされるならば、どの程度厳しく管理を考えていくのかを確認したほうが良いです。産業医によっては、厳格に残業時間で管理してしまい、現場のマネージメントを無視してしまうこともあります。

メンタルヘルスを目的とされるならば、精神科での臨床経験がないと絶対に務まりません。精神科での経験があるかどうか、しっかりと確認されたほうが良いかと思います。

とはいっても、精神科医だからよいということではありません。企業側の実情もわかっていて、バランス感覚がなければいけません。労務管理と健康管理をしっかり分けられないと、問題がややこしくなることが多々あります。結局のところ、実際に会ってみなければわかりません。

 

6.どのような産業医サービスがあるのか

産業医はいろいろな探し方がありますが、インターネットで探せる時代です。

産業医はどのように探せばよいのでしょうか?従来は、直接の人脈の中からの紹介でした。現在はインターネットで広く検索できる時代です。どのようなルートがあるかをまとめると、以下のようになります。

さて、どのような産業医サービスがあるでしょうか?タイプに分けてお伝えしていきます。

  1. 医師会の紹介
  2. 紹介会社からの派遣
  3. 健診機関と連携している会社
  4. MBAなどの経営面に強みのある会社
  5. 産業医としてのサービスも行うクリニック
  6. 精神科専門産業医会社

①医師会からの紹介

医師会に産業医を紹介してくれます。基本的には地域のクリニックや診療所の先生になります。一番の魅力は安いということでしょう。

上で紹介させていただいた金額をベースに、交渉で金額は前後します。いけないことではあるのですが、産業医としての業務はなく名義貸しをしている医師もいます。

②紹介会社からの派遣

紹介会社の有名どころとしては、ドクタートラストさんやメディカルトラストさんなどがあります。他にもいろいろな会社さんがいますが、これらの紹介会社さんでは検索で上位に来ていて、様々な産業医がとりあえず登録しています。

商談が決まれば登録産業医のメーリングリストで流し、興味がある案件に自由に応募するという形です。応募してきた産業医の履歴書をみて、会社側が採用を検討するという形です。

産業医に支払う報酬は大きくはかわらず、だいたい2時間で4~5万円ほどになります。このため、そこに会社の利益をのせる形になります。1~2万円ほどのせていることが多いでしょうか。

サポートの体制は様々で、産業医が業務になれるまでは社員がサポートしてくれるところもあれば、完全に産業医に業務委託契約で丸投げする会社もあります。

③健診機関と提携している会社

どちらかというと、健康診断をとるために産業医サービスを入口にしていることも多いです。規模の大きな会社では健診件数も多いので好意的ですが、規模の小さな会社には冷たいです。

健診契約とまとめればディスカウントも期待はできます。しかしながら名義貸しのことも多く、健診契約が切れたら産業医サービスもきられることがあります。もちろん、産業医に関しては片手間になっているところが多いです。

④MBAなどの経営面に強みのある会社

最近増えてきているのが、経営面にアプローチした産業医の株式会社です。

企業側からすると、経営面に理解があることは好ましいことです。そして産業医のコストは企業側が負担するので、ニーズにマッチしやすいです。

このタイプのデメリットとしては、会社サイドにより過ぎているところもあります。心身の不調に陥ってしまった従業員を、切り捨てていくという方向に進んでしまうことがあります。

短期的には企業にとってよいかも知れませんが、レピテーションリスクや人材投資や育成、帰属意識や従業員満足度といった部分に、ボディーブローのように効いていきますので注意が必要です。

また、このタイプの企業はブランディングをしていて、コストが非常に高いところが多いです。

⑤産業医としてのサービスも行うクリニック

クリニックの中には、産業医サービスを行っているところもあります。ホームページをみてみると、産業医契約や精神科顧問契約などが書いてあります。

このようなクリニックとの契約は、いい先生にあたればよいと思います。しかしながらクリニックの医師は、基本的には毎日患者さんを診察しています。産業医としての活動経験も多くはありません。

このことで危惧されることは、過度に従業員側になりすぎてしまうことです。現実的なバランスを考えずに、マネージメントに踏み込んだ意見を出してしまうことがあります。産業医として意見を出されてしまうと、企業としては安全配慮義務があるので無視できません。

⑥精神科専門産業医会社

精神科専門の産業医会社はとても少ないです。あったとしても、個人事業主のレベルのことが多いです。というのも、精神科医でメンタルヘルスに興味がある医師を集めるのは大変だからです。もっといってしまえば、普通にコミュニケーションがとれる医師も多くはありません。

精神科医は他の科の先生と違って、患者さんの言葉だけを鵜呑みにして判断する人は少ないです。これは日々の診察の中で、患者さんの言葉だけで判断していたら治療にならないからです。

しかしながら多くの他の医師と同様、ビジネスの常識、マネージメントへの配慮などには欠けてしまっている医師が多いです。

 

7.いい産業医とは?

コミュニケーション能力があり、空気が読める必要があります。企業と従業員と、当事者意識をもってくれる産業医を探しましょう。

ここまでを踏まえて、いい産業医とはどのような産業医なのかを考えていきたいと思います。

嘱託産業医の仕事の中心となるのは、従業員との面談です。ですから、従業員に満足感を与えられることが重要です。

このためには、「従業員と患者は違う」ということを理解していないといけません。当たり前かもしれませんが、常に患者と接している医師にはこれがなかなかできません。患者さんは医療を求めてきます。従業員はイヤイヤ面談に来ることもあるのです。このように、ニーズがないところにニーズを作る必要があるケースもあります。

ですが、従業員が満足すればそれでよいかというと、そうではありません。産業医の意見には、重さがあります。あまりに従業員に偏りすぎても、現実性がなくなってしまいます。ですから、うまく間をとって従業員と会社にとって一番よい道を模索してくれる産業医が理想です。

このため産業医に求められる資質としては、コミュニケーション能力があって、空気が読めることです。そして、当事者意識をもって、企業と従業員にとって一番よい現実的な道を考えてくれる産業医がいい産業医であると思います。

産業医活動をしていると、メンタルヘルスに関する問題が非常に多いです。そしてメンタルヘルスに関しては、精神科での経験を積まれている産業医が良いと思います。メンタルの扱いは独特で、その判断は他の科の先生には難しいです。

このため、精神科としての診察や診断の基礎があって、その上で企業活動に関しても理解があることが望ましいのだと思います。

医者は健康管理しかしてきていないので、労務管理に関しての理解がありません。両者を混同してしまって、問題が複雑化するケースが少なくありません。ですから会社側の話を聞いて、バランスよく判断してくれる産業医が良いかと思います。

これが、私自身が心がけていることでもあります。

 

まとめ

私たちの作ろうとしているサービスの位置づけを振り返ることも兼ねて、産業医についてまとめていきました。産業医の実情をお伝えすることで、それぞれの企業のニーズに一番あった産業医サービスを見つける一助になればと思います。

忙しく働いている人ほど、自分の心身の健康はないがしろにしています。そんな日本を支える方たちを、少しでも守れるような人材に私はなりたいと考えています。

企業で働く人たちの心身の健康に、直接アプローチできるのは産業医だけです。この記事をお読みの方には、ぜひ納得して産業医を選んでいただきたく思います。

私たちも産業医として活動しています。「産業医グループこころみホームページ

私たちの産業医サービスは、この記事での精神科専門産業医会社に近いかと思います。精神科医といっても、産業医としての向き不向きがあります。私たちは自分たちのまわりで、しっかりと産業医としての適正のある仲間が集まっています。そして組織体制で産業医業務を行っていきます。

私たちも組織対応を行っていく以上、直接契約の産業医には金額面では勝てません。料金は決して安くはありませんが、同タイプ他社の中では最もリーズナブルになっているかと思います。設立初年度は、特別に1年間の割引もしています。

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