もしかして気分変調症?気分変調症の症状をチェック!
「長年にわたって気持ちがはれずに日々を過ごしている」
「ずっと消えてしまいたいという思いをかかえながら、何とか生活している」
そんな方は気分変調症かもしれません。気分変調症とは、慢性的な軽いうつの状態が続く病気です。軽いといっても、先の見えないトンネルの中にいるような状態で、とても苦しみの大きな病気です。
気分変調症は、患者さんが性格と思い込んでいることも多いです。うつが深い時に病院に相談にこられますが、治療してもスッキリしないことがあります。そのような方の中には、気分変調症と考えるべき方もいます。
ここでは、気分変調症とはどのような病気かご説明し、診断基準をもとにチェックしてみましょう。
1.気分変調症とは?
気分変調症は、朝から晩まで気分がすっきりしない状態が2年以上続く慢性疾患です。
「いつも浮かない顔をしている」
「ずっと憂うつな気分で、やる気が出ない」
周りにそんな人がいるかもしれません。
「長年にわたって気持ちがはれずに日々を過ごしている」
「ずっと消えてしまいたいという思いをかかえながら、何とか生活している」
そんな方もいらっしゃると思います。
本人の性格の問題だと思って、とくに深く考えず日々を過ごしている人も多いかと思います。ですがこれは、気分変調症の症状かもしれません。
この病気の名前、耳にしたことありますでしょうか?実は最近になって生まれた病名で、以前は他の病気もあわせて、「ノイローゼ」などと呼ばれていました。他にも「抑うつ神経症」や「神経症性うつ病」などの名称が付けられていました。
気分変調症は、うつ病ほど重度ではないけれど、朝から晩まで気分がすっきりしない状態が2年以上続く慢性疾患のことを言います。
2.気分変調症を診断基準でチェック
アメリカの診断基準であるDSMⅣ-TRで、気分変調症の症状をチェックしてみましょう。
気分変調症はどのようにして診断できるのでしょうか?病院では症状をお聞きして、総合的に診断をしていきます。どうしても医師の主観的な部分が出てしまいます。このため、客観的に診断ができるようにしようと、アメリカの診断基準であるDSMⅣ-TRでは、症状をチェックしていけるようなものになっています。
この診断基準をもとに、わかりやすくしてみました。
以下に挙げる①~③のうち、
①基本症状が1つ以上
②その他の症状が抑うつ期に2つ以上
③条件の両方
を満たしていると、「気分変調症」という診断が下されます。
①基本症状
- 抑うつ気分が一日中続く
- 抑うつ気分を感じる日の方が多い
- 抑うつ状態を本人が自覚している
- 周りの人間が抑うつ状態を認めている
②その他の症状
- 食欲がない、または食べ過ぎてしまう
- 不眠、または過眠
- やる気が起こらず、なんとなくだるい
- 自分に自信がもてない
- 集中力や決断能力の低下
- 絶望感
③条件
- 憂うつな気分が2年間以上続いている
- 最初の2年間はうつ病の診断基準にあてはまらない
※若年者の場合、1年以上
3.気分変調症を症状でチェック
うつ病と比べると軽度とはいえ、本人の中で苦しみが強いです。
気分変調症は、朝から晩まで気分がすっきりしない状態が続きます。うつ病と比べると軽度とはいえ、仕事等の社会的生活を何とか送ることのできるという状態が長い期間持続する辛い病気です。自分に自信が持てず、人との関わりを避け、漠然と「消えてしまいたい」という思いを抱える方も少なくありません。日々のストレスがつもり重なって、うつ病を合併してしまう場合もあります。
1日のうちでは、生活している時間がたつにつれて辛さが増していくことが多いです。ですから、夕方にかけて症状が悪くなっていきます。何か楽しいことがあると気分は多少軽くなることがありますが、しばらくするともとの気分に戻ってしまいます。
また、食欲が減ったり、焦りが強くなったりと、外からみえるような症状は目立ちません。どちらかというと、本人の心の中で主観的に苦しみが強いです。
このように気分変調症の方は、日常的な憂うつ感があったり、生活上の楽しみがなく、不適切な思い込みなどがあります。とても苦しい症状ですが、自分の性格ととらえている方も多いです。
4.気分変調症とうつ病は違う?
気分変調症とうつ病は、程度だけでなく症状に違いがあります。気分変調症も抗うつ薬は有効ですが、反応はいまひとつです。
気分変調症は、うつ病ほど重度ではありませんが、慢性的に続きます。うつ病は、社会生活に支障がでてくるほどの気分の落ち込みなどがみられますので、比較すれば軽度にはなります。
では、うつ病とは症状や原因にどのような違いがあるのでしょうか?
症状としては、うつ病よりも主観的な症状が目立ちます。外に出てくる症状というよりは、本人の心の中での苦しみが強い方が多いです。また、楽しいことなどがあると、一時的に気持ちがはれることがあります。ですが、基本的には気持ちは塞いでいて、時間がたつにつれて辛さが増していく方が多いです。ですから、一日の後半に症状が悪くなります。
原因としては、生物化学分野での研究成果では、うつ病と同じかどうかははっきりと答えが出ていません。うつ病の場合に見られる前頭葉の血流量の低下は、気分変調症では認められないという点では、明らかに異なっています。ですが、ドパミンなど脳内物質に関する研究では明確な違いはみられていませんでした。治療としても抗うつ薬が効果を示します。ですが、気分変調症の方が反応性は悪いです。
以下に、気分変調症とうつ病の類似点・相違点をまとめます。
<類似点>
- 治療の際、抗うつ剤が効果を示す
<相違点>
気分変調症では、
- 抑うつ状態が和らぐこともある(気分反応性)
- 症状が一日の後半に悪化する
- うつ病に比べて、症状が主観的である
5.気分変調症の経過と合併症
うつ病・パニック障害・全般性不安障害・アルコール依存症・パーソナリティ障害などにつながることがあります。
若年代のうちにこの病気を発症する人は、思春期に特有の感情だと思い込み、とくに問題視することなく放置することも多く、なんとなく憂うつな気分を抱えたまま年齢を重ねていく方もいます。家族や友人たちも、本人の性格によるものだと誤解してしまうのです。
このため、少しずつストレスが蓄積し抑うつ気分が深くなり、うつ病を合併してしまう人も少なくありません。これを、二重うつ病といったりもします。この場合、うつ病が改善しても、多くは気分変調症の症状が継続します。ですから、治療が進んでも本人の精神状態が快方に向かわないときには、気分変調症が背景にあるのかもしれません。
また、ストレスへの耐性が低下しているために突発的な不安を感じやすくなり、パニック障害などの不安障害を合併する例も見られます。不安が日常生活に広がって、全般性不安障害になることもあります。日常的な不安が原因となり、晴れない気分から逃げるために、アルコールなどへの物質依存につながる場合もあります。
自尊心が低下してしまいますので、物事を見る際の視野が極端に狭まり、精神的に落ち着かない状態が続くと、行動や会話も不安定になります。これが悪化した末に、パーソナリティ障害へと発展してしまうこともあります。
このように見ていくと、気分変調症には、不安定な精神状態が長く持続するという症状ゆえに、その他の様々な精神疾患を合併してしまう危険性が高いということがお分かりになると思います。
まとめ
気分変調症は、朝から晩まで気分がすっきりしない状態が2年以上続く慢性疾患です。
アメリカの診断基準であるDSMⅣ-TRで、気分変調症の診断をチェックができます。
うつ病と比べると軽度とはいえ、本人の中で苦しみが強いです。
気分変調症とうつ病の症状の違いは、
- 抑うつ状態が和らぐこともある(気分反応性)
- 症状が一日の後半に悪化する
- うつ病に比べて、症状が主観的である
があります。
気分変調症も抗うつ薬は有効ですが、反応はいまひとつです。
経過の中で、うつ病・パニック障害・全般性不安障害・アルコール依存症・パーソナリティ障害などにつながることがあります。
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