アレジオンは蕁麻疹にどのように効くのか

アイコン 2016.3.28 アレジオン

急に全身が痒くなるってとても辛い症状ですよね。ときに痛みよりも、痒みは辛い症状になります。

全身が痒くなる疾患に蕁麻疹があります。蕁麻疹を経験されたことがある方は多いのではないでしょか?一生のうちに1回は15~20%の人が経験すると言われています。この蕁麻疹の治療薬としてアレジオンは、広く処方されています。

アレジオンは抗ヒスタミン薬として作用し、蕁麻疹の原因であるヒスタミンをブロックします。アレジオンは市販薬(アレジオン10・アレジオン20)も発売されていますがこれは花粉症に対してのみです。蕁麻疹が出現した時には、病院に行くようにしてください。

 ここでは、アレジオンの蕁麻疹への効果についてまとめてみましょう。

 

1. 蕁麻疹はなぜ起きるのか?

どういうメカニズムで蕁麻疹が起きるのか理解すると、お薬がどうして効果を示すのが理解しやすくなります。

蕁麻疹の原因とメカニズム(発生機序)をみていきましょう。

 

1-1.蕁麻疹の原因は?

蕁麻疹の原因は、非常に多くのものがあります。採血によって、原因が特定できることもあります。

 蕁麻疹がまず、どういった原因で起きるのかみていきましょう。

 蕁麻疹は主に急性と慢性に分けられます。急性は1時間以内に、慢性は約1か月以上続くものが挙げられます。ではどういったものが原因になるかというと、

 などの物理的なものが多いです。しかし、

 なども原因として挙げられます。細かく書いていくと100種類程度と膨大な量になってしまいます。蕁麻疹の原因として最も多いのが食べ物ですので、ここでは食べ物についてみていきたいと思います。

 蕁麻疹がおきやすい食べ物としては、以下のようなものがあげられます。

今まで気にせず食べていて全く問題なかったのに、ある日突然食べて蕁麻疹を起こすことがあります。特に魚介類は、鮮度が悪くなって繁殖した雑菌類で起きることもあります。またお酒や香辛料を摂取すると、血管拡張に伴い蕁麻疹が出現しやすくなります。

蕁麻疹が初めて生じた場合、どの食べ物が原因か確定することは難しいです。ですが同じもので2回以上起きた場合は、その食べ物がアレルギー源の可能性が高いです。

初めて蕁麻疹が出現したときは、いろいろなものを食べていてどれが原因かわからないということも多いかと思います。蕁麻疹が起きた時はアレルギー外来を受診しましょう。今は採血によって、どの食べ物でアレルギー反応を起こすか調べることができます。その際は怪しい食べ物を覚えておくことが大切です。

 

1-2.蕁麻疹のメカニズム(発生機序)は?

蕁麻疹は、肥満細胞からヒスタミンが大量に放出されることで起きます。ヒスタミンによって浮腫(むくみ)ができて、ヒスタミンの直接的な作用と合わさって痒み神経を刺激します。

蕁麻疹はアレルギー疾患です。アレルギー疾患はⅠ型からⅣ型に分けられます。

蕁麻疹は、Ⅰ型アレルギーに分類されます。もっと細かく流れをみていきましょう。

  1. IgEが何らかの原因でアレルギー源に接触し、肥満細胞を刺激する。
  2. 刺激された肥満細胞から大量にヒスタミンが分泌される。
  3. ヒスタミンが血管の拡張、透過性が亢進、血管外への血漿成分の漏出などを引きおこす。
  4. 血管からの炎症が皮膚の表面まで及び、限局した浮腫(むくみ)になる。
  5. 浮腫やヒスタミンが皮膚の神経を直接的に刺激し、痒みを誘発する。

このような流れになります。ヒスタミンは、炎症やアレルギーのときに出てくる物質です。ヒスタミンによって血管の細胞のすき間が開き、血管から白血球やタンパク質などが血漿成分が、血管の外に出ていきます。これによって傷を治したり、身体の敵と戦うのです。

アレルギー反応は、免疫が誤作動して過剰に働いてしまう現象です。これによって蕁麻疹というむくみができて、痒みが生じます。

 

2. 蕁麻疹はどういった症状が出るの?

膨疹といった特徴的な皮疹が出現します。

血管外に漏出した血漿成分によって、皮膚が膨らみます。この膨らみのことを、医学的には膨疹と呼びます。膨疹をみたら蕁麻疹と診断しますが、逆に膨疹がないから蕁麻疹じゃないとはいえません。そのため、自己判断ではなく医師に診察してもらう必要があります。

医師がよくチェックする方法としては、皮膚描記法があります。蕁麻疹ですと皮膚をこすると、赤く膨隆します。一方でアトピー性皮膚炎では、白色になります。

また、大量のヒスタミンが分泌されるため、体幹や四肢など広範囲に出現することが一般的です。さらにこのヒスタミンが唇に到達した場合は唇が腫れる、まぶたに達した場合はまぶたが腫れるなどの症状があります。

さらに、目に見えないところにもヒスタミンが分泌されることで症状が出ます。例えば腸管にヒスタミンが分泌されると、腸が浮腫んで下痢になります。さらに気道が浮腫むと、息が苦しくなります。大きな血管が膨張することで血圧が急激に下がることもあります。これらは、場合によっては命にかかわります。(皮膚以外に全身に症状が進行した場合はアナフィラキシーと呼びます。)

 

3. アレジオンは蕁麻疹にどのように効果を示すの?

抗ヒスタミン薬として蕁麻疹の原因を止めます。

免疫系の誤作動により分泌されるヒスタミンが蕁麻疹の主な原因で、これが痒みの直接の原因になります。ですから、このヒスタミンをすぐ止めるのが症状を抑える治療法となります。

アレジオンは抗ヒスタミン薬ですので、全身のヒスタミンが血管に作用するのを防ぐ作用があります。ヒスタミンの分泌の前段階の肥満細胞やIgEを抑えても、ヒスタミンが大量に分泌された後では全く効果がありません。

アレジオンが作用することで、大量に分泌されたヒスタミンが血管や神経にある受容体にくっついて作用するのを防ぐ役目となります。ヒスタミンを邪魔した結果、痒みや膨疹が治まるのです。

 

4.蕁麻疹の場合のアレジオンの容量・用法は?

成人の場合、アレジオン20mgを1日1回内服します。

通常の内服方法としては、

子供が飲みやすいように、2005年からドライシロップが発売されています。

注意点としては花粉症に関してはアレジオンを10mg~20mgと幅を持たせて記載されていますが、蕁麻疹を含めたそれ以外の疾患は20mgのみが対応されています。これは蕁麻疹は数時間で急速に悪化することがあるため、まずは少量から様子をみるようなことはせず、一気に鎮めた方が良い疾患だからです。

イメージとしては火事が起きた時に水でどう消すかをイメージするのが良いかと思います。節約しようと最小限の量でちょびちょびかけていたら、他に燃え移ったとなると最悪でしょう。普通の人は完全に消火するために、一気に水をホースでかけるかと思います。

蕁麻疹もこの火事に似ています。一気に鎮めないと、炎症が残存して再燃してしまう可能性があります。そのため中途半端な量で治療せずに、アレジオンが投与できる最大量で治療するのです。なお、20mgで効果がなかった場合は2錠を2回に分けて服用し、40mgとすることもあります。

また、どれくらいの日数飲めば良いかということですが、蕁麻疹にはたくさんの原因がありますし程度もそれぞれです。

食べ物や薬が原因の急性蕁麻疹であれば、アレジオンを2~3日内服すればほぼもとに戻ります。しかしながら慢性蕁麻疹だと、アレジオンをやめてからリバウンドして再び蕁麻疹が出現することもあります。また、ストレスが要因のことも多いので、薬を飲みながら仕事や学校に行くと再発するリスクも多いです。

膨疹が完全に消えた場合は良いですが、心配な人はアレジオンをお守りとして数錠ストックしていただいて、再びしたらすぐにアレジオンを飲んで受診するように指示することもあります。

 

5.市販薬のアレジオン20で治療しても良いの?

市販薬のアレジオン20は、蕁麻疹に適応はありません。

アレジオンは現在、花粉症のお薬として爆発的に売れています。2015年にはアレジオン20として市販薬も登場しました。しかしアレジオン20は、花粉症などのアレルギー性鼻炎に対してのみ適応となっています。アレジオン20には蕁麻疹の適応はないのです。

ちなみに医薬品のアレジオン20mgとアレジオン20は、どちらもエピナスチン20mgと成分は同じです。ではなぜ蕁麻疹にアレジオン20は適応がないのでしょうか?

その答えは、蕁麻疹では正確に診断して正しい治療用量でアレジオンを内服する必要があるからです。花粉症の場合は、毎年経験している方ですと自己判断でもほとんど間違いはありません。ですが蕁麻疹は、皮膚疾患といえども命に関わることもあるからです。

蕁麻疹は、何らかの原因でヒスタミンが大量に分泌されたことで膨疹が出現したものを一般的には診断しています。

つまり、急に皮膚が痒くなっただけでは蕁麻疹と診断しないのです。例えば薬を飲んだ後に出現した薬疹などは、膨疹とは違い小さな紅斑が全身にできます。さらに薬疹が重度になると、以下のような状態になることがあります。

蕁麻疹も重度になれば、先ほど説明したようにショック状態や息が苦しくなるなどの重篤なアナフィラキシーにつながります。そのため皮膚が痒くなった場合は、早急に医療機関を受診するようにしましょう。

アレルギー疾患は、数時間単位で症状が劇的に変わる疾患です。自己判断でアレジオン20を買って様子を見ていたら手遅れになった、なんてことがないように気を付けましょう

 

まとめ