アモバンが苦いのはなぜ?苦味の対策とは?

元住吉 こころみクリニック
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2017年4月より、川崎市の元住吉にてクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。
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アモバンを飲むと苦いと感じる方がいらっしゃいます。飲んだ時に苦いだけならば「良薬は口に苦し」ですみますが、この苦味は翌日も続いてしまうこともあります。

この苦味はアモバンに特有の副作用です。飲むときに苦いと感じたり、マズイと感じる薬はたくさんあります。ですが、服用してからも続くような味覚障害はあまりありません。

ここでは、アモバンが苦い理由とその対策について考えていきましょう。

 

1.どうしてアモバンは苦いのか?

アモバンが苦い理由は、薬の成分や代謝産物が唾液から分泌されるためです。量が多いほど苦みは強くなりますが、体質も関係しています。

アモバンを服用すると苦いと感じる方がいらっしゃいます。アモバンの添付文章をみても、4.18%(11677例中)の方に味覚異常が認められたという報告があります。程度の軽いものも含めると実際には10人に1人くらいは苦いと感じる方がいるように感じます。

苦いと感じる成分は、はっきりとわかっていません。何らかの苦味成分が唾液から分泌されていると考えられています。アモバンを服用すると、腸で吸収されて血液に取り込まれます。それが体内をめぐって唾液から少しだけ分泌されます。

さらには、アモバンは肝臓で代謝をうけます。その際に作られる代謝物も、体内をめぐって唾液から少しだけ分泌されます。これらが合わさって、独特の苦味が出ると考えられています。味を感知する味蕾細胞の周囲の血流から感じているとも考えられています。これだと身体の内部から苦味を感じていることになりますが、うがいなどをしても変わらない方も多いです。

 

アモバンの苦味は、飲んだ直後に苦いというわけではありません。薬が吸収されてから唾液に分泌される成分が原因ですので、翌朝などに苦味が続いてしまうのです。このことを知らないと、ビックリしてしまいますね。この苦味は身体に悪影響があるわけではないので心配しないでください。

アモバンを苦いと感じるかどうかは体質もあるようで、まったく感じない方も多いです。私自身も試しに服用してみたことがありますが、苦味はまったく感じませんでした。高齢者では若い方に比べると苦味が少ない印象があります。唾液量が減ったり、代謝が悪くなるためでしょうか。

 

アモバンのその他の副作用について知りたい方は、
アモバンの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

2.アモバンの苦味の対策

アモバンの苦味を感じてしまった時は、どのように対策をしていけばよいでしょうか?

 

2-1.減量する

アモバン10mgを使っている場合は、減量して様子を見ましょう。

アモバンの苦味の原因は、薬とその代謝物が唾液から出てくるためと考えられています。ですから、薬の量を減らせば唾液からの分泌量も減りますので苦味が軽減します。アモバンは7.5~10mgで使う睡眠薬です。10mgで使われている方は、7.5mgにしてみると苦味を軽減できることがあります。アモバンには割線が入っていますので、7.5mgよりも少なくても大丈夫な方は減量してみましょう。

 

2-2.ガマンする

何とかなるならばガマンしましょう。

アモバンの苦味は身体に悪いものではないです。減量ができない場合は、ガマンするというのも方法です。そういってしまうと身も蓋もないですが、アモバンは安全性の高い薬です。もしもアモバンでしっかりとした睡眠がとれているのでしたら、ガマンしていただくことも検討してみてください。

甘いものを食べたり、アメを舐めたりしても、よけいに苦味が強くなってしまうこともあります。唾液が増えてしまって、苦味が増してしまうのです。残念ながらアモバンの苦味は、少しずつ慣れていくものでもありません。ガマンしてつきあっていくしかありません。

 

2-3.ルネスタを試してみる

アモバンを改良したルネスタに切り替えてみるのも方法です。

ルネスタは、アモバンの有効成分だけを取り出して改良した睡眠薬です。このため、効果の特徴もアモバンと似ていますし、少ない薬の量でも効果があります。アモバンの苦味は薬の成分によるものなので、薬の量が増えると強くなります。このため、薬が少量で済むルネスタでは苦味が軽減されます。

アモバンでは苦くて仕方がないので薬を変えてほしいという方もいらっしゃいますが、ルネスタではそこまでの苦味を訴えられる方は少ないです。苦いと感じても、ほんのり感じる程度ということがほとんどです。

ですから、アモバンが効果があるのに苦くて耐えられないという方は、ルネスタに変更してみるのがおすすめです。

 

2-4.他の薬に変更する

寝つきが悪くて悩んでいる方は、まずはマイスリーへの変更を検討します。中途覚醒で悩んでいる方は、 オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラや、ベンゾジアゼピン系のハルシオン・デパス・レンドルミン・エバミール・リスミーなどへの変更を検討しましょう。

ルネスタに変更してもダメな方は、他の薬への変更も検討します。寝つきが悪くて悩んでいる方でしたら、アモバンと同じ系統で作用時間の短いマイスリーに切り替えてみましょう。マイスリーでしたら安全性も高いので変更もしやすいです。

マイスリーで効果がなかった方、中途覚醒で悩んでいる方では、他の睡眠薬を検討します。不眠の状態によって、どの睡眠薬があうかを考えます。オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラ、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の2系統のお薬から考えていくことが多いです。寝つきが問題ない方は、ベルソムラを試してみてもよいかもしれません。中途覚醒の方には効果が期待できますし、副作用も少ないです。ただ、即効性があまりないので、確実な効果を期待したいならベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬はたくさんの種類が発売されています。どの薬があうかを判断するには作用時間が重要になります。作用時間は、薬の半減期(血中濃度が半分になるまでにかかる時間)をみることで予想することができます。代表的な睡眠薬の半減期をまとめた表をみてみましょう。

代表的ンな睡眠薬の作用時間(半減期)を比較しました。

これを見ていただくと、アモバンの半減期は4時間となっています。それよりも短い薬として、ハルシオンが候補にあがります。作用時間が近い睡眠薬としては、デパス、レンドルミン、エバミール、リスミーなどがあげられます。デパスは睡眠薬というより安定剤ですので、純粋な睡眠効果としては少し劣ってしまいます。

睡眠薬の効果は、薬の量などによっても異なってきます。アモバンの効果をみながら、作用時間と薬の強さを考えて適切な睡眠薬を選んでいきます。

 

まとめ

アモバンの苦味は、薬の成分や代謝産物が唾液から分泌されて感じられます。量が多いほど苦みは強くなりますが、体質も関係しています。

アモバンの苦味に対しては、

  • アモバンを減量する
  • ガマンする
  • ルネスタを試してみる
  • 他の薬に変更する

という方法があります。

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