パニック障害の認知行動療法

アイコン 2015.3.2 不安の心理療法

パニック障害は、薬だけで治療できるものではありません。薬をのみながら、少しずつ心理的な治療も行っていきます。

パニック障害で一般的に行われる心理治療は、認知行動療法です。ここでは、どのようにして認知行動療法をすすめていくのか、お伝えしていきたいと思います。

 

1.パニック障害の認知行動療法とは?

パニック障害では、認知の部分も大切ですが行動に焦点を大きくあてることの方が現実的です。

認知行動療法の概要です。

私たちの生活は、さまざまな要素の相互作用から成り立っています。私たちはさまざまな状況や、他人(家族や友人や同僚など)と影響しあいながら生活をおくっています。それぞれの個人には、生まれ持った気質があります。また、いままでの人生で培ってきた経験から、それぞれの思考パターン(スキーム)をもっています。個人の中では、この思考パターンである認知、行動、気分、身体が相互に影響し合っています。

認知行動療法とは、「認知」と「行動」に焦点を当てて進める心理療法です。認知は人生で培ってきた経験で作り上げられてきたものです。客観的にみつめることで、よい部分を残しながら、マイナスとなっている部分を妥当なものに変えていきます。これによって、少しずつ行動が変容していくのです。

認知には、浅いレベルのものから深いレベルのものまでが、互いに関連しあいながら構造化されています。中核となる信念があり、その人なりのルールといった思い込みがあり、実際に頭に浮かぶ考えやイメージという自動思考があります。客観的にこれらを見つめていきます。時間をかけて認知を少しずつかえて、行動につなげていきます。

パニック障害では、認知の部分も大切ですが行動に焦点を大きくあてることの方が現実的です。不安の原因がはっきりしているので、行動が上手くいくことが自信となり、認知が変わっていくことが多いです。

 

2.パニック障害の認知療法

まずは状況を整理して、偏った思考パターンがある時は少しずつ変えていきます。

パニック障害の認知療法は、患者さんの状態や背景によってウエイトが大きく変わります。患者さんが混乱しているような状態の時は、まずは状況を客観的に整理する必要があります。パニック障害の症状は一時的なものであり、その発作が少しずつ落ち着いてくることを伝える必要があります。そして、どんな場面で予期不安や発作がおきているのか、逃げてしまっていることはどんなことがあるかを整理します。どんな時に恐怖があって、どんな時に逃げてしまっているのか、自分の心を客観的に振り返ります。

落ち着いてきたら、パニック障害が発症した背景を考えていきます。パニック障害は、ストレスに弱い方と、気づけない方に多い傾向にあります。その原因はどんなところにあるのかを考えていきます。周りの物事に対しどのような見方をする傾向があるのかなどを探っていきます。偏った思考パターンがあるときは、少しずつ物事のとらえ方を変えていきます。

 

3.パニック障害の行動療法

余裕がある時は逃げずに、暴露反応妨害法を積極的に行っていきます。

パニック障害の人は、いつ起こるかわからない発作を恐れ、日常生活における行動も何かと回避的になりがちです。しかし発作が起こりそうな状況を避けるばかりでは、いつまで経っても不安の根を絶つことはできません。本当に治したいと思うなら、勇気を奮い起こして、不安に挑んでいかなければなりません。

パニック障害の行動療法では、暴露反応妨害法を中心にして、系統的脱感作と学習理論を状況に応じて組み合わせていきます。

暴露反応妨害法ですが、これは「暴露」と「反応妨害」を組み合わせた語です。「暴露」とは、それまで恐れ、背を向けてきた事柄に対し、敢えて正面から立ち向かうことを意味します。恐れを抱いている対象と向き合うのは苦しいことではありますが、限界を超えない範囲で、自分の中の不安が消えていくのを辛抱して待ちます。これを「反応妨害」といいます。

「逃げずに立ち向かう」と簡単には言ったものの、発作に襲われた恐怖感は簡単に拭いきれるものではなく、無理をして症状が悪化しては元も子もありません。物事には順序があります。まずは、苦手なもの、怖いから逃げてきたものをリストアップしてみます。漠然とした不安も、文字にして一度整理してみることで、はっきりと目に見える形となり、自分が克服すべきものが明確になります。

次に、リストアップした対象を、できるだけ負担が少なくかつ克服したときの達成感を比較的得やすいものから順に並べていきます。並び替えが終わったら、それぞれの項目について立ち向かう方法を具体的に考えます。言葉で言うのは簡単ですが、一人だとどうしても尻込みしてしまったり、いざ挑戦しようと思い立ってもなかなか行動に移せなかったりすることもあるでしょう。そういうときは、信頼のおける人の付き添いや専門家の助言を積極的に求めましょう。また、いきなり行動するのは難しいという人は、とりあえずイメージトレーニングから始めるのもいいでしょう。急がず、慌てず、一歩ずつです。

 

まとめ

パニック障害では、認知の部分も大切ですが行動に焦点を大きくあてることの方が現実的です。

まずは状況を整理して、偏った思考パターンがある時は少しずつ変えていくようにして認知療法をすすめていきます。

余裕がある時は逃げずに、暴露反応妨害法による行動療法を積極的に行っていきます。

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