ノロウイルスの症状(下痢・嘔吐・発熱)の特徴とは?

アイコン 2015.10.22 ノロウイルス

ノロウイルスは、冬によくある胃腸炎の原因として知られてきています。悪夢のような嘔吐や下痢に悩まされた方もいらっしゃるでしょう。ノロウイルスの症状といっても、人によってさまざまです。ときには、感染しているのにまったく症状がない方もいらっしゃいます。

ここでは、ノロウイルスによる胃腸炎の症状について、詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

1.ノロウイルスの3大症状とは?

嘔吐・下痢・発熱が代表的な3つの症状です。

ノロウイルスの症状というと、大きく3つあります。

非常につらい嘔吐と下痢に悩まされ、トイレから離れられなくなった経験のある方もいらっしゃるかと思います。上から下から止まらなくなり、食事や水分がとれないほどに苦しむ方もいらっしゃいます。

ノロウイルスは死に至るほどのことはなく、ピークをすぎると症状が和らいでいきます。ですから、悪夢をのりきれば自然とよくなることがほとんどですが、時に重症化することもあります。

このような方は注意が必要です。ときに入院が必要になったり、他の胃腸炎が原因であることがあるので、病院に受診するようにしましょう。

 

2.ノロウイルスの嘔吐

吐き気は突然やってきて、予期せず嘔吐してしまいます。およそ60%の方に認められます。1~2日でよくなることが多いです。

2006年~2009年に発生した99のノロウイルス食中毒での症状の集計が、内閣府研究班から報告されています。これによれば、ノロウイルスの嘔吐は63.7%となっています。

これは私も意外でした。病院にいると症状が本当につらい人ばかりを見るので、もっと嘔吐が多いように考えていました。下痢だけの方は、病院に受診しない方も多いのだと思います。

ノロウイルスの嘔吐の特徴は、急激に吐き気がくることです。何だか調子がわるいなぁと思っていたら、急に吐き気がして嘔吐してしまうこともあります。ですから、トイレにいく余裕もないことが多いです。

ノロウイルスはこのような嘔吐の特徴があるため、予期せぬ嘔吐で感染を広げてしまうことがあります。ですから、嘔吐が完全になくなるまでは自宅安静しましょう。嘔吐はそこまで長引かず、1~2日でよくなることが多いです。

 

3.ノロウイルスの下痢・腹痛

水っぽい下痢がおよそ80%の方に認められます。腹痛はおよそ60%の方に認められます。下痢は4~5日続くことが多いです。

上述した研究報告では、ノロウイルスでは80.8%の方に下痢、55.2%の方に腹痛が認められています。ノロウイルスの症状でもっとも多くなっています。

ノロウイルスに感染してしまうと、身体は腸の中に侵入してきたウイルスを出そうとします。腸の動きが活発になり、腸液がたくさん分泌されます。この結果として、下痢や腹痛という症状が認められます。

ノロウイルスの下痢は強烈なことが多く、しばらく続きます。4~5日は続くことが多いでしょう。水っぽい下痢が続き、血が混じることはまずありません。血が混じっている時は他の胃腸炎の可能性が高いので、病院に必ず受診しましょう。

下痢が続くことによる脱水に注意が必要です。また、下痢便にはウイルスがたくさん含まれています。手洗いをきっちりして、周囲への感染を防ぎましょう。

 

4.ノロウイルスの発熱

他のウイルス性疾患に比べると軽度ですが、およそ60%の方に認められます。1~2日でよくなることが多いです。

上述した研究報告では、ノロウイルスでは57.9%の方に発熱が認められています。

ノロウイルスの発熱は、他のウイルス性の感染症と比べると軽度なことが多いです。基本的に37〜38℃の方が多いのですが、中には39℃を超す方もいます。

ノロウイルスの発熱もそこまで長引かず、1~2日でよくなることが多いです。

 

5.ノロウイルスの初期症状とは?

何となく調子が悪い程度の方が多いです。吐き気が突然やってくる方が多いです。

ノロウイルスには初期症状があれば備えることもできます。残念ながら、ノロウイルス特有の初期症状は特にありません。

などと思っていたら、急に吐き気がやってきてしまうことが多いです。症状からノロウイルスを疑うすべはありません。事前にノロウイルス感染者と接触していると分かっているのであれば、潜伏期間は24~48時間といわれています。2日以内に調子がおかしければ、ノロウイルスの可能性を考えなければいけません。

冬に突然の吐き気がきたら、ノロウイルスとみなして対策した方がよいです。嘔吐物の処理も、ノロウイルスと考えて行るようにしましょう。

 

6.ノロウイルスの症状はどれくらい続くの?

乳幼児の方が症状が持続します。嘔吐・発熱・腹痛は1~2日で、下痢は4~5日続くことが多いです。

上述した報告では、ノロウイルスの症状の持続についても調べています。これによれば、

が平均となっています。激しい嘔吐や発熱は1~2日で収まることが多く、下痢だけは4~5日続きます。この症状の経過は、実際の臨床での印象と一致します。

年齢別にも症状が調べられています。これをみると、乳幼児の方が症状が長引くことが示されています。特に1歳未満では、明らかに症状が長引きます。発展途上国では、ノロウイルスによる乳幼児の死亡者数は7~20万人にもおよぶとみられています。日本では亡くなった報告は目にしたことがありませんが、乳幼児では特に注意しなければいけませんね。

 

7.ノロウイルスの症状が出ない人(不顕性感染)がいる?

およそ1割の方が不顕性感染の可能性があります。周囲でノロウイルスにかかった方がいたら、注意をしましょう。

ノロウイルスに感染してしまった方の中には、症状がまったく出ずに本人すら感染に気がつかない方もいらっしゃいます。症状がなくても感染していますので、ウイルスは広がってしまいます。このような感染を不顕性感染といい、感染者を無症候性キャリアといいます。

ノロウイルスに感染していても、ウイルスの量が少なかったり、本人の遺伝子型とウイルスの遺伝子タイプの相性いよっては、症状が認められません。症状が認められないということは身体の免疫が活発になっていないということなので、感染自体は長引いていることも多いです。その間は、知らず知らずのうちにウイルスをまき散らしているのです。

2014年1月に、静岡で1271人もの患者さんをだしたノロウイルス食中毒も、この不顕性感染が原因でした。食パンの検品作業をしている従業員が不顕性感染者だったのです。

上述した報告の中では、62名中5名で報告されていました。1割ほどは不顕性感染となっている可能性があります。まわりでノロウイルス感染が起こっている場合は、たとえ症状がなくても注意しましょう。

 

まとめ

ノロウイルスの3大症状とは、嘔吐・下痢・発熱が代表的な3つです。

吐き気は突然やってきて、予期せず嘔吐してしまいます。およそ60%の方に認められます。1~2日でよくなることが多いです。

水っぽい下痢がおよそ80%の方に認められます。腹痛はおよそ60%の方に認められます。下痢は4~5日続くことが多いです。

他のウイルス性疾患に比べると軽度ですが、発熱はおよそ60%の方に認められます。1~2日でよくなることが多いです。

およそ1割の方が不顕性感染の可能性があります。周囲でノロウイルスにかかった方がいたら、注意をしましょう。