インフルエンザの出席停止・出勤停止はいつまで?

アイコン 2016.2.15 インフルエンザ

インフルエンザにかかってしまったら、いろいろな思いが駆け巡ると思います。

仕事に行かなきゃ・・・
遊ぶ予定があるのに・・・
テストがあるのに・・・

早く治して元の生活に戻っていきたいという気持ちになるのは当然です。でもちょっと待って下さい。インフルエンザは他の人に移る病気です。自分が治ったと思っても、万が一、周囲に感染を広めてしまったら大変です。

ここでしっかりといつまで休みべきか学んでみましょう。

 

1.インフルエンザで学校や会社に行けない理由

インフルエンザは他の人に移るというのはもちろんですが、いったん治ったと思っても再発することがあるのが理由です。どういうことでしょうか?順番に見ていきましょう。

 

1-1.インフルエンザは他の人に移る病気

インフルエンザは感染力が強く人に移る病気です。自分の状態だけで判断してはいけないのです。

インフルエンザの感染経路は、「接触感染」「飛沫感染」の大きく2つです。

飛沫感染とは、既にインフルエンザに感染している人の咳、クシャミ などによる飛沫が原因となる感染です。飛んでしまった飛沫に含まれているウイルスにより、違う人が鼻から吸い込んでウイルスを体内に取り込んでしまうことによります。

それだけでなく、インフルエンザに感染している人が咳を手で抑えて、その手でドアノブやスイッチに触れるとウイルスが付着してしまいます。そのドアノブやスイッチに触れた人が、その手で自分の身体を触ったり食事をしたりすると、ウイルスが体内に侵入してしまいます。このような感染経路を、接触感染といいます。

このように他の人に移る病気がインフルエンザです。必ず他の人に移ることを念頭に置きましょう。

詳しく知りたい方は「インフルエンザの感染経路とは?空気感染はするの?」を参考にしてください。

 

1-2.インフルエンザは完全に消滅しないと再発する病気

インフルエンザウイルスが完全に消滅しないと再発することも考えられます。

のど元過ぎれば熱さ忘れるという言葉があるように皆さん辛い症状が無くなったらどうしても治ったと思って、仕事に行きたい。遊びに行きたい。と思ってしまうと思います。

特に熱が下がるともう治ったと思うかと思います。しかし熱が下がったからインフルエンザが完全に治ったわけではないのです。

そもそも熱ってどうして出てるのでしょうか?そこから説明していきます。まずは大まかな流れを理解してみましょう。

  1. インフルエンザウイルスが侵入すると、白血球やマクロファージなどの細胞でインフルエンザウイルスなどの異物を食べるように取り込みます。
  2. この際に取り囲んだ細胞が、サイトカインという発熱を促す物質を出します。
  3. サイトカインが脳に行くことで、体内にインフルエンザウイルスが侵入したことを知らせます。
  4. 脳の視床下部の体温調節中枢が、体内の温度を上昇させます。

この順序で熱は上がります。インフルエンザウイルスが体内に侵入した事がきっかけですが、私たちの身体が必要だから熱を上げているのです。ではなぜ、熱を上げるのでしょうか?以下の3つが挙げられます。

熱が出るとき関節や筋肉痛、気持ち悪い、寒気がするなどの症状もサイトカインの働きです。これらの症状は辛いですが、そのために無理ができずに身体を休めることができます。「熱が高くなっているのは、インフルエンザを頑張って退治してるんだ!」って考えてみるといいかもしれません。

つまり熱とは基本的に、インフルエンザや細菌などを退治するための身体の防御反応です。熱が下がったということは防御反応を取らなくてもよいくらいインフルエンザウイルスが少なかったということです。しかしインフルエンザウイルスは繁殖力が強いウイルスです。本人が油断するとあっという間に再発してしまいます。

 

2.インフルエンザの出席停止はどれくらい?

発熱したあとの5日間は絶対で、熱が続く場合は解熱してから2日経過するまでは出席停止が義務です。

インフルエンザウイルスの排出期間は、発症1日前から発症後5~7日までと言われています。特に発熱してから5日間は人に移りやすいといわれています。

それだけでなくインフルエンザでは、二峰性発熱となることがあります。特にインフルエンザB型に多いのですが、一度熱が下がったと思ったら、1~2日ですぐに発熱してしまうのです。

またインフルエンザは、解熱してから2日間後にほぼ体内から消失していることが多くの研究でわかっています。

以上のことからインフルエンザは、学校保健安全法で第2種感染症に定められていて、診断された場合は休むことを義務付けています。

以前は解熱後2日(乳幼児は3日)というシンプルなものでしたが、二峰性発熱のために2012年に法改正されました。「発熱した後、最低5日は絶対登校停止」がもりこまれて、以下のようになっています。

 

3.インフルエンザの出勤停止はどれくらい?

学校保健安全法に準じて、発熱したあとの5日間は絶対で、熱が続く場合は解熱してから2日経過するまでは出勤自粛が原則です。会社ごとに規定が異なります。

では職場ではどうでしょうか?学校のように、法律では出勤停止は義務付けられていません。(新型インフルエンザや鳥インフルエンザなど一部は制限されます。)

そうならば、別に自己判断で出勤してもよいのではないかと思われるかもしれません。法律上は確かに問題ありませんので、「出勤停止」というよりは「出勤自粛」になるのです。しかしながら多くの会社で規定がありますので、会社に確認をしてください。

とくに法律的な取り決めがないため、会社によっても出勤自粛の規定に幅があります。しかしながら多くの場合、学校保健安全法の規定に準じています。

「発熱した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」となることが多いです。

 

4.インフルエンザキットで陰性なら登校・出勤できる?

インフルエンザキットで陰性だからと言ってインフルエンザではないと断言できません。症状から医師がインフルエンザと判断した場合は、他の人に移すリスクがあるため必ず休みましょう。

インフルエンザキットは万能ではありません。発症直後は検体中のインフルエンザウイルス抗原の数が少なく、正確に判別ができないことがあります。その場合は、医師が患者さんの様子や症状を見て判断することになります。

どれくらい待たなければ正確に判断できないのかというと、病院にある検査キットによっても異なります。12時間~1日程度たてば信頼できるとなってますが、100%ではないので注意が必要です。

詳しく知りたい方は、「インフルエンザの検査方法と検査タイミングとは?」をお読みください。

そのため、「インフルエンザキット陰性≠他の人に移さない」ということを理解するのが大切です。

インフルエンザシーズンで熱が出たとき、他に疑わしい病気がない場合はインフルエンザと考えた方がよいでしょう。特にイナビル・タミフル・リレンザが処方された場合は、医師がインフルエンザと診断して治療していることになります。その場合は、医師から説明がなかったとしても必ず「発熱した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」休むようにしましょう。つまり、発熱したあとの5日間は絶対で、熱が続く場合は解熱してから2日経過するまでは出席停止・出勤停止です。

 

5.インフルエンザで休んでる間、給料は大丈夫?

ほとんどのケースが有給になります。有給が残っていない場合は病気休暇になります。会社から給料が支給されるような就業規則のこともあれば、傷病手当金を申請するケースもあります。

働いている多くの人が、「休んでいる間どういう扱いになるの?」と心配になるでしょう。しかしこれに関しては、出勤停止が法律ではっきり定められていないので、扱いも通常のお休みと同じになってしまうのが実情です。

ほとんどのケースが有給消化という形になるかと思います。問題となるのは、有給が残ってない場合です。その場合は、会社ごとの就労規則によります。就労規則に病気休暇での給料の支払い規定がある会社もあります。例えば私が産業医をしている中央省庁では、有給が無くなっても給料の100%が1年間支給されます。

民間ではここまではないでしょう。病気休暇の規定がない、もしくはその期間を過ぎてしまうと、傷病手当金に頼ることになります。傷病手当金は健康保険組合から支給されます。標準報酬の2/3程度を請求することができます。

つまりインフルエンザにかかったせいで会社を休まざるを得ない状況を証明する必要があります。この場合、傷病手当請求書を医師に書いてもらう必要があります。診断書にも保険が適応され、1通300円程度の自己負担金で済みます。

とはいっても、インフルエンザで傷病手当金までいくことは非常に珍しいです。

 

まとめ