インフルエンザの会社がすべき対策とは?

アイコン 2016.2.20 インフルエンザ

毎年冬になると、インフルエンザの流行時期となります。

インフルエンザに従業員が感染してしまうと、その周りに方にも広がってしまう可能性があります。このため、インフルエンザでは予防対策と感染時対策の2つが重要になります。

多くの会社でインフルエンザに対する関心は高いのですが、その会社対策はあいまいになっていることも多いです。

ここでは、インフルエンザの予防対策と感染時対策にわけて、会社としての有効なインフルエンザ対策をお伝えしていきます。

 

1.インフルエンザに関して会社でとるべき対策は?

感染予防と感染時対策の2つを明確にしましょう。職場復帰の診断書は不要です。

職場でのインフルエンザ対策については、法律での決まり事が基本的にありません。このため会社側としては、できるだけ業務への影響を最小限にしていけばよいので、合理的に考えていけばよいのです。

インフルエンザは非常に感染力が強いので、誰かが感染してしまうとその周囲の人にも感染してしまいます。このため、できるだけ感染者をつくらないような予防と、感染者が出た時の周囲に広めない対策を考えていく必要があります。

感染予防としては、やはり予防接種が一番効果的です。集団での予防接種をすることで受ける方が増えます。日常生活での注意喚起としては、手洗いが一番効果的です。常識的な話かもしれませんが、マスクエチケットも周知しましょう

感染時対策としては、出勤自粛のルール作りです。基本的には学校保健安全法に準じた「5日間は必ず休んで、熱が下がって2日たつまでは出勤自粛」としていくのが無難です。

合理的にと申し上げたのは、この出勤自粛に関するところが大きいです。あまりに長い期間を出勤自粛期間に設定したり、医師の職場復帰に関する診断書の提出を義務付けても意味はありません。むしろ従業員側の負担が大きくなってしまいます。感染を拡大させないという目的だけが大切なので、合理的な会社対策を考えていきましょう。

 

2.インフルエンザに関する会社ができる有効な予防策

インフルエンザの予防として、①予防接種の推奨②手洗いの周知③マスクエチケットの周知を行いましょう。

インフルエンザの感染を防ぐために会社ができる効果的な予防策について考えていきましょう。大きく3つの予防策があります。

  1. 予防接種の推奨
  2. 手洗いの周知
  3. マスクエチケット

インフルエンザワクチンの予防接種は、後ほど述べますが予防効果は最も高いです。会社でインフルエンザワクチンの集団予防接種を企画できると理想的です。会社で予防接種ができるなら受けておこうという方も多いです。健康保険組合によっては、助成金が出るところもあります。

ある程度の人数が集まれば、会社まで出張してくれる医療機関もあります。10月末~11月中旬がインフルエンザ予防接種のシーズンなので、その1か月前には準備をしておきましょう。

 

社内の感染予防のために、最も効果があるのが手洗いです。飛沫感染は防げませんが、多くの感染経路となっている接触感染を防ぐことができます。手洗いに力を入れることで、インフルエンザに限らず多くの感染症の予防につながります。

予防のために多くのことを伝えても従業員にはとどきません。できるだけシンプルで明快に、「冬は手洗いに気を付けよう!」と周知してください。

 

咳が出ている方は、たとえインフルエンザでなくともマスクエチケットです。「咳をするならマスクをつける」、当たり前に感じる方も多いですが、意外とできていない方もいらっしゃいます。

周囲からも気にする方は気にするので、マスクエチケットについても周知しましょう。ちなみにマスクは、感染予防というよりは感染拡大予防に重要です。インフルエンザの患者さんがマスクをつけることで、飛沫の飛ぶ距離が大幅にへることで飛沫感染が減少します。

 

3.インフルエンザ感染者が出た時の会社での対策

感染者の出勤自粛を周知しておきましょう。あまりに濃厚接触していなければ、手洗いの意識づけを行えば十分です。

インフルエンザ感染者が出た時の対策を周知しておくことも重要です。

現場としては、「ここで抜けられたら困る」「代わりにできる人がいない」というようなこともあるかもしれません。しかしながらインフルエンザウイルスが社内で蔓延してしまうと、「部署閉鎖」になってしまうほどに感染が広まってしまうこともあります。

学校では、インフルエンザが流行すると学級閉鎖されることを思い出してください。子供だから免疫力が大人よりも低いという部分もありますが、インフルエンザウイルスの感染力の強さが実感できると思います。

このような事態になってしまうと、仕事の穴埋めどころではなくなります。感染拡大を防ぐために、インフルエンザに感染したら出勤を自粛するように周知しましょう。

インフルエンザの出勤自粛に関しては、学校保健安全法に準じるのが妥当かと思います。インフルエンザの治療経過を考えても合理的です。

「熱が下がってから2日は休むが、5日間は必ず休むこと」となります。

詳しく知りたい方は、「インフルエンザの出席停止・出勤停止はいつまで?」をお読みください。

 

その他で気になることとしては、インフルエンザ感染者の近くで仕事をしていた方をどうすればよいのかです。同じ部屋で仕事をしていた程度では、あまり問題はありません。対象の方に、手洗いを意識するように注意喚起してください。

感染者と密室で、唾が飛び交うほどの激論をしていた・・・というような場合は、濃厚接触していると考えます。このような方に対しては、マスク着用と手洗いの注意喚起をしましょう。予防投与という方法があることをお伝えいただいてもよいかもしれません。

 

4.インフルエンザに関する会社によくある問い合わせ

朝から調子が良くない時は出勤を自粛して病院受診させてください。家族がインフルエンザになってしまった時は、マスク着用と不調時の早期報告をさせてください。

インフルエンザに関する会社への問い合わせとして、2つの質問がよくありますのでご紹介していきます。

インフルエンザの流行時期は、「なんだか風邪っぽいなぁ」と思ったらインフルエンザを疑わなければいけません。

朝起きた時に調子が悪いと感じたら、インフルエンザ流行時期は無理に出勤しないように伝えてください。高熱が出て明らかにインフルエンザ症状がみられたら、すぐに病院に受診するように伝えてください。

しかしながら症状がそこまで強くない場合は、夕方ころまで待って病院を受診した方が確実です。インフルエンザの検査キットでは、発熱から少なくとも半日たたないと、検査結果が陽性になりにくいです。頑張って病院に行っても、「また時間たってから来てくださいね」と帰されてしまうこともあります。

インフルエンザが濃厚であれば早期に治療を開始したほうがよいのですが、インフルエンザ治療に詳しくない先生ですと、検査結果がでなければ治療してくれないこともあります。

 

家族がインフルエンザになってしまった時の問い合わせも多いです。インフルエンザに家族がかかってしまうと、感染しているリスクは当然高いです。仮に休ませるとしたら、家族がよくなるまで休まなければいけなくなりますので、最低5日間休むことになります。これは現実的ではありません。

このようなケースでは、原則的に出勤は可能です。しかしながら通常よりも感染予防に注意していただく必要があります。具体的には、マスクを必ず着用していただきます。もし体調不良を自覚したらすぐに報告し、早退するようにお願いします。

 

5.インフルエンザで会社は診断書を求めるべきか?

休職の診断書は病気休暇に入る場合に提出を求め、復職の診断書は提出は不要とするのが合理的かと思います。

インフルエンザに関する診断書の提出を求める会社さんもあります。果たして会社は診断書を求めるべきなのでしょうか?

診断書として私たちが依頼されることがあるのは2つです。

両方の提出を求める会社もあれば、片方だけでよいという会社もあるかと思います。この診断書は必要なのか考えてみましょう。

まず前提として2つのことを押さえてください。1つ目は、インフルエンザに関しては法律的な規定がないことです。2つ目は、診断書は1通3000円程度かかることが多いことです。

まずは休職の診断書について考えてみましょう。休職の診断書の持つ意味は、「本当にインフルエンザで休んでいるのかどうか」になります。インフルエンザで休みをとると、まずは有給消化されていきます。有給がなくなると、会社規定があれば病気休暇中に給料が支払われることがありますが、傷病手当金になることも多いです。

有給休暇の時点では、本人の権利を使っていくだけですから診断書は不要でしょう。病気休暇の扱いになる場合は、診断書による証明は必要になるかと思います。なんでも診断書ではなく、病気休暇に入る場合は診断書提出とするのが合理的でしょう。

 

復職の診断書はいかがでしょうか?復職の診断書の目的は、本当に復帰してもいい病状なのか、医者からのお墨付きが欲しいということになります。

インフルエンザに限ってしまえば、出勤自粛の規定をしっかりと作っていれば問題ありません。インフルエンザの治療経過をみていても、学校保健安全法に準じれば全く問題はありません。

ですから、復職の診断書は不要と思われます。

 

まとめ