片側がズキズキ痛む頭痛は片頭痛?片頭痛の症状とは?

アイコン 2017.3.14 頭痛

日本人のうち、実に4000万人が頭痛に悩まされています。振り返ってみると、疲れた時やストレスがかかった時に頭が痛くなった人は多いのではないでしょうか?

このうち、片側がズキズキ痛む頭痛を片頭痛と考えてる人は多いかと思います。人によっては、慢性的に続く頭痛を片頭痛と考えている人もいます。しかし慢性的な頭痛は、

の3つに分けられます。この中で最も多いのは緊張性頭痛です。片頭痛は、実は慢性頭痛の8%程度しかないといわれています。しかし片頭痛の人数は多くなくても、片頭痛の大部分の方は痛みや症状が強いことからインパクトが強いため、最も有名な頭痛となっています。

自分の頭痛が片頭痛かどうか考えるためにも、片頭痛(偏頭痛)の症状についてみていきましょう。

 

1.片頭痛(偏頭痛)ってどんな頭痛?

片側がズキズキと拍動性に頭痛が起こることが多いです。吐き気や視覚がチカチカするなどの随伴症状や前兆も伴うことが多いです。

片頭痛ってどういう頭痛かと聞かれてしまうと、医師でも即答するのが実は難しいです。というのも、「この所見があれば絶対に片頭痛」、「これがあったら逆に片頭痛じゃない」というものがないからです。

片頭痛は、「偏頭痛」とも書きます。片側、偏りなどの文字が使われていることから、

ことが片頭痛の特徴と考えられることが多いですが、実際はこれだけで分類できないことも多いです。片頭痛の中でも、

  1. 前兆のない片頭痛
  2. 前兆のある片頭痛
  3. 小児周期性症候群
  4. 網膜片頭痛
  5. 片頭痛合併症
  6. 片頭痛疑い

と6種類に分類されます。さらにこれらがはっきりと分けられないことも多いですし、他の病気と合併したり、移行したりすることも多いです。採血や画像で診断できるものでもないため、非常に診断自体が難しいのが片頭痛です。

ただし、診断が難しいからといって、適当にやってよいというわけではありません。片頭痛は、長期にわたって治療していく病気です。

なんてことがないようにしなければいけません。片頭痛の診断の大部分は、問診によって行われます。そのため、ここではまず典型的な片頭痛の症状をまとめていきましょう。

片頭痛の症状の特徴としては、

片頭痛の原因について

の4つが挙げられます。それぞれについてみていきましょう。

 

1-1. 片頭痛の前兆

閃輝暗点、感覚異常、失語性言語障害が挙げられます。特に目の前がチカチカ光り、中心部が黒く見えづらくなる閃輝暗点は片頭痛に特徴的な前兆です。

片頭痛の症状として前兆がまず挙げられます。実際に、片頭痛の20~30%の方が前兆を感じるとされています。具体的な前兆の症状としては、

  1. 閃輝暗点(せんきあんてん)(目の前にチカチカと光り中心部が見えにくくなる)
  2. 感覚異常(感覚が鈍くなる、手足がしびれる、手や唇、舌がチクチク痛む)
  3. 失語性言語障害(言葉がでにくくなる)
  4. 抑うつ症状(気分が落ち込む、集中しづらい)
  5. 疲労感(肩首が凝る、あくびがでる)

が挙げられます。この中で重要なのが閃輝暗点です。

②感覚異常や③失語性障害は、初めての場合は脳梗塞などを疑います。また④抑うつ症状、⑤疲労感は前兆の前の予兆期という場合が多いですが、これらは緊張性頭痛や群発頭痛でも見られます。また頭痛の予兆というより、疲れやストレスが原因と言い換えることもできます。

そのため、一番分かりやすい前兆が閃輝暗点です。「せんきあんてん」と読みますが、聞きなれない言葉でしょう。難しい言葉で抵抗を感じるかもしれませんが、症状は単純明快です。

目の前がまぶしく光ることで、チカチカする症状であることが多いです。場合によっては、色とりどりの光が見えることがあります。まぶしい光を浴びることで、

などの症状がおきます。この閃輝暗点は頭痛の前の60分前に出現し、20~30分続くことが多いです。この閃輝暗点が認める頭痛は、片頭痛の可能性がとても高くなります。

 

1-2. 片側の頭痛

片側に頭痛を認めることが片頭痛の特徴です。しかし両側に認めたり、後部に認めることもあります。

片頭痛と書くぐらいなので、片側なのは当たり前と考える人は多いでしょう。確かに文字通り、片側のこめかみ部分が中心に頭痛が起きることが多いです。そのため、先人の方々はこの片側に起きる頭痛を片頭痛と名付けています。

実際に医師からしても、片側に痛みがあると「片頭痛」を考えることが多いのも事実です。一方で最近は医療も進み、必ずしも片頭痛が片側に認めるとは限らなくなりました。

そのため、

に留めます。他の症状も合わせて、片頭痛かどうか判断する必要があります。

 

1-3. 拍動性の頭痛

ズキン、ズキンとした拍動性の痛みが起こります。

次に片頭痛の頭痛の性状についてです。特徴的な痛み方としては、

とした表現が多いです。一般的に頭痛の程度は強く、中等度から重度といわれることが多いです。そのため、日常生活ができないほどの疼痛が多いです。

動くと痛みが強くなるので、横になってしまう場合は片頭痛の痛みである可能性が高いです。痛みが強いことが多いので、横になったりして休んでしまうことがほとんどです。

一方で、

などといわれています。慢性的に頭痛がある人は、自分の頭痛をどのように表現するか考えてみると良い指標になるかもしれません。

 

1-4. 4時間から3日間続く頭痛

一般的に片頭痛は、数時間から数日続くことが多いです。

次に頭痛の長さが重要になります。一般的に片頭痛は4時間から3日程度続くことが多いです。

しかし4時間から3日というのはかなり期間がながいですね。他の頭痛を比較してみると、

というのが教科書的です。少なくとも1~2時間痛くてすぐに治る頭痛は、片頭痛でない可能性が高いです。

 

1-5. その他の片頭痛の症状

その他の症状として、光や臭いに敏感というのが特徴的です。また吐き気を伴うことも多いです

上に挙げた典型的な症状以外も、片頭痛は症状を起こすことがあります。具体的に挙げると、

などです。特に、

といったことがあると、片頭痛を疑うヒントになります。また、気持ち悪くて嘔気を伴うことがあるのも片頭痛の特徴です。実際に吐いてしまうほどの吐き気は、片頭痛に特徴的ともいえます。

これらの症状があったら、医師にしっかりと伝えましょう。

 

2.実際の片頭痛の診断基準は?

主に詳細な問診から診断します。そのため、これがあったら絶対に片頭痛という決め手がないのが実情です。

片頭痛は、実際に診断が非情に難しい病気の一つです。頭痛の怖い病気をあげると、

などは症状に限らず、検査結果で確定することが可能です。そのため怖い病気ではありますが、確定するのは容易です。これらは2次性頭痛といって、緊急性が高い場合が多いです。

慢性的に痛む1次頭痛は、先ほども出てきたような

の3つがあります。実はこの3つを鑑別する方法は、詳細な問診以外ありません。さらに片頭痛だけでも10種類以上の分類がありますし、上に挙げた代表的な頭痛以外もあり得ます。

そのため、頭痛は非常に難しい病気の一つです。ここでは、片頭痛の中でも代表的な頭痛の診断基準を記載します。

<前兆のない片頭痛>

  1. 頭痛発作が5回以上ある
  2. 頭痛の持続時間は4~72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)
  3. 頭痛の性状が①から④の2項目を満たす
    ①片側性
    ②拍動性
    ③中等度~重度の頭痛
    ④日常的な動作(歩行や階段昇降など)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける
  4. 頭痛発作中に少なくとも以下の1 項目を満たす
    ①悪心または嘔吐(あるいはその両方)
    ②光過敏および音過敏

<前兆のある片頭痛>

  1. 頭痛発作が2回以上ある
  2. 少なくとも以下の 前兆が1つ以上ある
    ①きらきらした線や点が見える、または陰性徴候(視覚消失)を含む完全可逆性の視覚症状(閃輝暗点)
    ②手足や唇、舌のチクチク感および・または手足の感覚低下
    ③元に戻る失語性言語障害 
  3. 少なくとも以下の前兆が一つ以上ある
    ①同名性の視覚症状 または片側性の感覚症状(あるいはその両方)
    ②少なくとも 1 つの前兆は 5 分以上かけて徐々に進展するかおよび・または異なが引き続き 5 分以上かけて進展する
    ③それぞれの前兆の持続時間は 5 分以上 60 分以内

これは、医療向けの慢性頭痛のガイドライン(2013年)をもとに記載した診断基準です。難しい表現も多いため、少しまとめさせていただきます。

まず片頭痛の特徴としては、繰り返す頭痛です。前兆なしの頭痛の場合は少なくとも5回、前兆があったとしても2回は認めて、初めて片頭痛といえます。むしろ、

は、片頭痛より脳出血などの危険な頭痛を疑います。

そして頭痛の性状ですが、

  1. 片側性
  2. 拍動性
  3. 中等度~重度の頭痛
  4. 日常的な動作(歩行や階段昇降などの)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける

のうち2項目を満たす必要があります。言い換えれば、右だけ左だけといった片側の頭痛がなくても、

となると

の2項目を満たすため片頭痛の可能性があります。片側性というのは、片頭痛の可能性があるかもしれない止まりなのです。

これらの症状の特徴に加えて、前兆やそのほかの随伴症状を踏まえて偏頭痛と診断します。ここで最も大切なのが、他の頭痛疾患の除外です。激しい頭痛で嘔吐があると、脳出血の鑑別が必要になります。その場合は頭のCTを撮影して、脳内に出血が無いか調べる必要があります。

偏頭痛は、必ずしもガイドラインにうまく分類できない可能性もある難しい病気です。実際に2013年に発表された頭痛のガイドラインでも、

と変更されています。そのため上の診断基準も、年月が経てば変更になったり、新しく加えられたりします。患者さんにお伝えしたいのは、片頭痛は医師と患者さんが一緒に病気を診断する病気です。病院にいったらあとはお任せではなく、

など、ぜひ自分も探偵になったつもりで、何かヒントがあれば医師に伝えてあげてください。患者さんの言葉をもとに、医師も犯人の元にたどり着くことができるのが偏頭痛です。

 

まとめ